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2009年 11月 20日
「シリコンバレーが英国にやってくる」というイベントが18日から開催されており、昨日19日には、ツイッターを作ったビズ・ストーンズと100万人のフォロワーを持つ英国の俳優・作家・ブロガー・ツイッターのスティーブン・フライがいろいろな考えを交換した。その様子はウェブカムで流されたが、少し前にビデオでもアップされている(英語)。大体1時間20分ぐらいの内容で、実際に話が始まるのは3分半を過ぎたころである。既に話の内容は報道されているが、そのまま見たい人のために。(携帯ではこのサイトからはビデオは見れないかもしれないので、PCで見たほうがいいかも。)
http://www.stephenfry.com/2009/11/19/social-media-force-for-good/ ガーディアン記事 http://www.guardian.co.uk/media/pda/2009/nov/20/stephen-fry-twitter 2009年 11月 20日
15日から17日まで、英国の新聞や放送業界の編集幹部がメンバーとなる「ソサエティー・オブ・エディターズ」の会議(年次大会)に出ていた。今年のテーマは「ファイトバック:反撃する」だった。つまり、部数の下落や広告収入の減少で困っている業界で、ぐだぐだ悩むだけでなく、状況を変えるために能動的に動こう、というわけだ。
http://www.societyofeditors.co.uk/ 1年前と比べて、「ずい分雰囲気が変わったなあ」と思った。昨年は「困った、どうしよう」というオロオロ感、「もうだめだ」という悲壮感、「こんなにしてくれたお前が憎い」という敵対心(例えば無料でニュースを出すBBCなど)が充満していた。それが、今回は「反撃」である。実際にどうやって生き延びるかという道を、具体的に共有しよう、必要であれば自分自身が変わろう、どんな手法も禁じずにやってみよう・・・というアクティブな動きが一杯だった。決して事態が好転したわけではない。むしろ不景気は続いているのだが、変われば変わるものだ。 また、この会議の報道そのものも変わった。つまり、大手メディアが直ぐ報じるのはこれまでと変わらないとしても、ずい分スピードが速くなった。例えば、会場の片隅に報道記者たちが集まって、ラップトップを使って、原稿をどんどん打ち込んでいくと同時に、ツイッターでの情報発信をしてゆく。原稿でなく、ツイッターだけのためにラップトップを開いている人も何人かいた。 自分自身も、1年前とは様変わり。当時、私は主に自宅で書くことが多いので携帯電話を電話以外の機能では殆ど使っていなかった。第一、キー操作が面倒くさくて(言葉を打ち込みにくい)、日本でやっていた携帯メールをほぼ完全にやめていた。今年は、アイフォーンを買ったので、会場ではツイッターで他の人のつぶやきを読んだり、自分で打ち込んでいた。退屈な議論の時には(政治家のスピーチ!)、携帯からメディア記事をネットで読んでいた。 主催者のソサエティー・オブ・エディターズも、会議の経過をどんどん記事にして、演説の原稿や、プレゼンで使われた資料をウェブサイトに載せていった(書く方としては、これが非常に助かるーまた、来れなかった人も、主要な動きが分るわけである)。 最後のセッションでは、たまたま、ガーディアン記者の隣に座っていた。ここではウェブサイトの課金の是非に関しての議論となったが、タイムズのハーディング編集長が来春からの課金を改めて話し出したのが午前10時ごろ。記者は、セッション中はノートにメモを取ったり、PCに原稿を打ち込み、携帯で社のデスクあるいは同僚と話していたようだった。セッションが終わったのが11時少し前。後で確認したら、12時少し過ぎには結構長い記事がアップされていた。事前にスピーチ原稿をもらえていたとしたら、予定稿を作っていたかもしれない。それでも、その記者個人の力量というよりも、私はウェブに載るまでの編集プロセスのすばやさに驚いた。前にテレグラフで話を聞いたときのことを思い出すと、おそらく、この原稿に関わっていたのは、最低3人ぐらいかもしれない。記者とデスク、実際にシステムに送る人。もしかしたら、デスクが直接送っているとしたら、2人だけかも。 そして、これだけでなく、この記者は別の記事もほぼ同時にやっていた。それも、朝、聞いたばかりのトピックだ。私がいたテーブルには、元ガーディアンの編集長のピーター・プレストン氏がいたが、セッションが始まる数分前、つまりは9時25分頃、プレストン氏がこの記者に向かって、「アラン(ラスブリジャー現編集長)が辞めたよー報道苦情委員会の倫理問題グループから」、とささやいたのである。「今朝、電話があったんだよ」と。この報道苦情委員会問題は別の機会に書きたいが、夏にガーディアンが報道した盗聴疑惑問題を巡り、報道苦情委員会とガーディアンとの間が険悪になっていた。いろいろあって、抗議のためにラスブリジャー編集長は辞めたようだ。すると、この記者はメモを取り出し、同時にセッションが始まり、終わり、タイムズの課金の話を書きながらも、この辞任事件のフォローアップをしていたようだ。サイトを見ると、午後2時にこの記事が出ていた。 とにかく、記者は忙しいし、ウェブサイトがあるので、忙しさが増大しているのである。どんどんやらないと間に合わないし、ツイッターで出てしまう。でなければ、噂を聞いたライバル紙が書いて、サイトに出してしまうのだ。 会議の実際の内容は後で詳しく書きたいが、今年の大会に出席してみて、しみじみ思ったのは、来年はまたずい分変わっているだろうな、と。英国メディアには悲観論が多いのだが、意外としぶとく、より強く、いい意味の競争が働いて、変貌を遂げているかもしれないー。明るい気持ちになった。(ただ、地方紙で人員削減の対象になった記者は、他に記者職として働けるところがないので、タクシーの運転手や全く違う職場で働くか、失業状態になっているという・・・。一般的に、大手メディア企業を辞めた場合、フリーではなかなか食っていけないので、「メディアコンサルタント」になる人が多いと聞いたー不景気の前の話だが。) 2009年 11月 13日
一体、ブレア元首相は「EU大統領」になるのか、ならないのかー?全ては19日にブリュッセルで開催される、初代の欧州理事会常任議長(EU大統領)を選ぶための臨時首脳会議で決まる。もうあと数日である。
欧州連合(EU)の新基本条約「リスボン条約」をチェコが批准したのは今月3日。欧州は新たな統合の時代に入ったともいえる。来月発行予定の新条約下では「EU大統領」とも呼ばれる欧州理事会常任議長の職が新設されるが、ブレア元英首相が有力候補の1人として名前があがった。政府がブレア氏を推す一方で、国民の中からは反対の声も出た。この話をブレア元首相に焦点をあてて、「英国ニュースダイジェスト」(11月12日号)にまとめてみた。以下はそれに若干足したものである。 ―EU大統領の仕事とは? 詳細はまだ未定のようだが、BBCニュースが報じていたところによれば: ―全加盟27カ国が選ぶ ―就任期間は2年半 ―再選は一度限りのみ可能 ―年間給与は24万7000ポンド(約3660万円) ―欧州連合(EU)のサミット会議の議長役に ―EU理事会の仕事を前進させる ―欧州内の結束と合意を促進する ―世界の舞台で欧州連合を代表する ―これまでの話 2007年6月、10年以上に渡る首相の職を辞したトニー・ブレア元英首相。現役時代に比べるとメディアに登場する頻度はすっかり減ってしまったが、アイルランドが2回目の国民投票でリスボン条約(詳細は関連キーワード参照)を批准した先月あたりから、再度の脚光を浴びだした。 リスボン条約は既存の欧州連合(EU)基本条約を修正する条約で、欧州理事会の常任議長の新設を定めている(現在は6ヶ月ごとに交代する)。いわば「EU大統領」ともいうべきこの職に、ブレア氏が最適だという声が出てきたのである。現在56歳でまだまだリタイアする年齢ではなく、かつ知名度は欧州に限らず世界的に高い。中東特使であることを除けば公的な要職に就いているわけではないので、身体があいているーそんな点が候補枠の射程内に入ったのだろう。リスボン条約の発効には全加盟国で条約が批准される必要があったが、アイルランドの批准で、残すところは後チェコ一国のみとなった上に、当初、サルコジ仏大統領がブレア支持の姿勢を見せたことで、一気に「ブレア=新大統領」への現実感が高まった。 ―英政府も支援 しかし、国民の意見は賛成派と反対派とで大きく分かれた。反対派は「ブレア氏は欧州よりも米国に近い政治家」「ブッシュ前大統領に協力し、イラク戦争を開始したのは許せない」「首相時代、欧州連合のために何もしなかった」「欧州の悪いイメージを世界に広げてしまう」など。賛成派は「知名度が抜群」「英国の政治家が欧州を代表することは英国にとっても良い」「北アイルランド和平の実現など交渉力に優れている」など。 特にブレア支持の旗振り役となったのがミリバンド外相だ。欧州は「強い声」を持った指導者が必要だとして、ブレア氏は最適だと表明した。ブラウン首相もブレア氏は「素晴らしい候補者」であり、政府としてもブレア氏のEU大統領就任を支持する姿勢を示した。ミリバンド氏自身が新設予定の「EU外務大臣」に就任するのではないかという噂まで出た(本人は11月上旬、記者会見できっぱりと否定。) ―独仏の支持は得られず ところが、一時はブレア支持派とされたサルコジ仏大統領が(候補者は)「ユーロ圏の国がいい」(英国は自国通貨ポンドを維持)と発言しだし、ドイツとフランスはともに英国以外の国から候補者を出すことに合意したと伝えられると、ブレア有力説はいつのまにか急に勢いをなくした。 ブレア氏自身は直接には候補者となる意欲を示していない。ただし、ブレア氏に近い、マンデルソン企業相はBBCの取材に対し、「ブレア氏はやってみたいと思っているそうだ」と声を代弁した。また、9日付タイムズによれば、ブレア氏は欧州各国の指導者たちに電話し、支持を求めたという。 チェコ大統領の条約批准署名の後、リスボン条約は12月発効予定となった。外交問題に詳しいBBCの記者マーク・アーバン氏のブログによれば、「大国同士の密室の会議で物事が決まる」という状況は、新基本条約が発効後も変わらないようだ。果たしてブレア氏の返り咲きが可能なのかどうか、目を離せない。 ―候補者と噂される人物のプロフィール (10月末時点での一部の候補者。他にも最有力と言われるのがファンロンパイ・ベルギー首相やメアリー・ロビンソン元アイルランド大統領など。) ブレア元英首相 1997年5月―2007年6月まで英国の首相56歳。立候補したわけではないが、ミリバンド外相が最適の人物と賞賛。首相退任後は、中東特使、コンサルティング業務を扱う「トニー・ブレア・アソシエーツ」代表、「トニー・ブレア・フェイス」財団代表、ベンチャー支援の「ウインドラッシュ・ベンチャーズ」、JPモルガン銀行やチューリッヒ・フィナンシャル社の顧問、講演、米イエール大学のフェローなど、忙しい日々を送っている。 ジャン=クロード・ユンケル ルクセンブルクの首相兼財務相」。出馬を表明している。55歳。ユーロ圏の大蔵大臣・財務大臣で構成される「ユーログループ」の議長で、「ミスター・ユーロ」と呼ばれる。保守中道系のユンケル氏をサルコジ仏大統領は支持する見込みだが、「欧州連邦」の形成を危険視するブラウン英首相は反対すると言われている。 ヤンペーター・バルケネンデ オランダ首相。53歳。小説「ハリー・ポッター」シリーズの主人公ハリー・ポッターに顔が似ていると言われる。ベルギーの元外相が「ハリー・ポッターにお堅いブルジョアの知恵を混ぜた人物」と評され、外交問題にまで発展したことも。2002年から首相となり、オランダの国際的地位を高めた政治家と評価される一方で、国内の人気は低迷気味。 ウォルフガング・シュッセル オーストリアの元首相。64歳。1999年、極右のオーストリア自由党と連立を組んだことで大きな批判を浴び、欧州連合内でオーストリアは無視された状態にもなった。しかし、自由党の弱体化と内部分裂をもたらした人物として後に高く評価されるようになった。ドイツの支持が得られるのではという噂が。 ヴァイラ・ビケフレイベルガ ラトビアの元大統領。71歳。同国初の女性大統領(2000年―2007年)だった。イラクやアフガニスタンの派兵を支持し、ラトビアの「鉄の女」とも言われる。リスボン条約発効後にEU大統領に立候補をすると表明している。同国ばかりか隣国リトアニアからも欧州連合大統領就任への支持が出ると見られている。 ジョン・ブルトン 元アイルランドの首相(1994年ー1997年)で現在は駐米欧州大使。62歳。北アイルランド和平に尽力した。ワシントンで欧州連合の「顔」になっている点や保守中道「欧州人民党グループ」のバイス・プレジデントだった点からも最有力候補の1人。 ―関連キーワード Lisbon Treaty: リスボン条約。既存の欧州連合(EU)基本条約を修正する条約で、12月発効予定。全加盟国による批准が必要とされていたが、2005年、フランスとドイツが国民投票で条約批准を否決し、一時、危機状態に。両国は後、それぞれの国会で批准した。アイルランドは今年10月の第2回目の国民投票で批准した。チェコのクラウス大統領が批准署名を見送り、発効までの最後の障害となったが、11月3日、同国の憲法裁判所が条約を合憲としたことで、署名に至った。条約は欧州理事会常任議長(EU大統領)職の新設を定めている。 ー欧州連合加盟27カ国とは 国名(加盟年*) ルクセンブルグ(1958年) ベルギー(1958年) フランス(1958年) ドイツ(1958年) イタリア(1958年) オランダ(1958年) デンマーク(1973年) アイルランド(1973年) 英国(1973年) ギリシャ(1981年) ポルトガル(1986年) スペイン(1986年) フィンランド(1995年) オーストリア(1995年) スェーデン(1995年) ハンガリー(2004年) リトアニア(2004年) ラトビア(2004年) マルタ(2004年) エストニア(2004年) キプロス(2004年) チェコ(2004年) ポーランド(2004年) スロバキア(2004年) スロベニア(2004年) ブルガリア(2007年) ルーマニア(2007年) ー欧州連合(EU)の歴史 1951年:フランス、西ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグの6カ国が欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)設立条約(パリ条約)に調印。 1952年:ECSC設立 1957年:同6カ国が欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体を設立するローマ条約に調印 1958年:EEC、欧州原子力共同体発足 1967年:ECSC、EEC、欧州原子力共同体の執行部が統合し、欧州共同体(EC)発足 1992年:欧州連合条約(マーストリヒト条約)調印 1993年:欧州連合(EU)の発足。 1999年:単一通貨ユーロの段階的導入 2001年:EU拡大に向けてのニース条約調印 2002年:ユーロ通貨発行 2004年5月:中・東欧の10カ国が新規加盟。 同年10月:加盟国が欧州憲法条約に調印 2005年:フランスとオランダが国民投票で憲法条約批准を否決 07年1月:ルーマニアとブルガリアが新規加盟し、全加盟国は27カ国に 同年12月:リスボン条約を調印 2008年:アイルランドが国民投票でリスボン条約批准を否決 2009年10月:アイルランドが2回目の国民投票でリスボン条約批准賛成 同年11月:チェコのクラウス大統領がリスボン条約の批准書類に署名 同年12月:リスボン条約発効予定 2009年 11月 12日
ガーディアンのスクープ報道によると、マンデルソン企業相がロビー記者に対する政府のブリーフィングを自らの手で毎週行う「かも」しれない。また、ブリーフィングの様子はテレビ放映されることも想定されているという。
http://www.guardian.co.uk/politics/2009/nov/11/mandelson-tipped-as-information-minister テレビ放映及び自らが広報官になる、という動きについて、ガーディアンは、これはマンデルソン氏が言ってみれば「情報大臣」になることだ、と書いている。大衆紙サンが野党保守党に支持を移したので、いろいろ嫌気がさしたということも背景にあるだろう。 「嫌気」の大きな引き金となったのは、アフガニスタンで亡くなった兵士の遺族に向けて、ブラウン首相が送った手書きの手紙事件だ。この手紙には兵士の名前などつづりの間違いがあったらしい。ブラウン首相は謝罪のために兵士の母に電話したのだが、何とこの時の会話をサン紙が今週、紙面で掲載したのだ。 私はこの話を最初に聞いた時、「やっぱりサンは電話を常に盗聴していたんだな」あるいは「やらせだ」と思ったが、いくつかの報道を見ると、兵士の母親が会話を録音し、この内容をサンに知らせたのだという。これが事実だとしたら、これもまたいやーな感じだと思っていた。自分の息子が機材の不備などで亡くなり(と母親は言っており)、無念でしかたないのは想像できるが、ブラウン首相はまさか会話が新聞に提供されるとは思っていなかった。何だか汚い感じがした。よりによってサンである・・・・。 いずれにせよ、昨日(10日)、官邸で記者会見があって、この件を問われた首相の態度が「真摯だった」と後にこの母親はメディアを通じて語り、今朝の新聞は首相に対して同情的な論調となった。 そして、今朝のBBCのラジオ4の番組「TODAY」にマンデルソン氏が出て、サンつまりはマードック側が保守党支持に回ったことを指摘し、その後の手紙騒動などで「サンやスカイテレビが、まるで敵は政府であるかのように振舞っている」(攻撃している)と怒り+不満やるかたない発言をしていた。 そこで、マンデルソン氏としては、「黙っていて、やられっぱなし」というのがもう我慢ならなくなったのであろう。元々、昔はテレビのプロデューサーだった人である。また「ニューレイバー」のPR担当だった。労働党のイメージを刷新し、選挙に勝てるようにするために雇われたのがマンデルソン氏だった。 それから長い月日が経った。ある意味では、いよいよ出る人が出たというか、本気で総選挙を戦わないといけないと思っているのかもしれない。しかし、「自らが表に出る」というのは何だか余裕がない感じがする。それでも、他にいないのだろう。 ガーディアンの記事を読むと、まだ詳細は決まっていないようだが、1つの案としては、毎週月曜日、ロビー記者へのブリーフィングをマンデルソン氏がやるというもの。そうすると、月に一度会見をやっているブラウン首相の影が薄くなるという見方もあるが。 記事の中にも書いているが、ロビー記者へのブリーフィングは長い間秘密だった。80年代以降から次第にオープン化が進み、1997年、労働党政権になってから、官邸ブリーフィングが正式にオンレコになり、2002年からはブリーフィング(朝夕2回)を記録したものが官邸サイトに載っている。ブリーフィングは官邸広報官が行っている。 記事によれば、官邸は新しいコミュニケーションのやり方を模索しており、これをリードしているのが最近雇用された、サイモン・ルイスという人だという。この人は、テレグラフ紙の編集長ウイル・ルイス氏の兄である。 サンとスカイテレビを批判するマンデルソン氏の発言 http://www.guardian.co.uk/politics/2009/nov/11/mandelson-contract-sun-tories 元官邸にいたランス・プライス氏の見方:大衆紙にいつ反撃するべきか http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/nov/11/sun-gordon-brown-jamie-janes 自分の新聞が反ブラウンになって残念と言うルパート・マードック http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/nov/11/sun-gordon-brown-jamie-janes 2009年 11月 07日
ブラウン英首相とメディア王ルパート・マードックは親しい関係にあったが、何だか先行きがあやしくなったかもしれない。ブラウン氏は来週発売される「GQ」という雑誌のインタビューの中でマードック傘下のサン紙を批判しているのだ。
http://www.pressgazette.co.uk/story.asp?sectioncode=1&storycode=44561 9月末にサン紙が与党支持を撤回したが、ブラウン氏はこれに言及して、「サンは政党になろうとしている」と述べた。サンが野党の保守党にその支持をくらがえしたことは「大きな間違いだ」と続けた。 「ルパート(マードック)を個人的に悪く思っているわけじゃない。いつも私には非常に友好的にしてくれている」、しかしサンは・・・というわけである。 マードックはもうブラウン氏にさよならを言ったのかもしれないーサンを保守党支持にすることで。サンの編集長は常に否定するのだけれど、マードックがサンの最終的な編集長であることはマードック自身が認めている。 英国の新聞は支持政党を結構表に出す。そんな状況をサンの例を見ながら、新聞協会報(10月27日付)に書いた。以下はそれに補足したものである。 英大衆紙「サン」が与党支持を撤回 新聞は総選挙にどこまで影響を及ぼせるか? 英国で最大の発行部数を持つ大衆紙サンが、9月30日付の紙面でブラウン労働党政権への支持を撤回し、野党保守党にくら替えする方針を打ち出した。来年6月までに実施予定の総選挙で、サン紙の支持を失った労働党はより厳しい戦いを強いられそうだ。英国の新聞はそれぞれの支持政党を明確にする。サン紙の支持政党は選挙結果を先読みする指標となってきた。しかし、有権者への影響は思っているほどには大きくないという見方もある。 サン紙は発行部数が300万部を超える。ライバルとなる大衆紙デーリー・メールの部数は約220万部、高級紙4紙(テレグラフ、タイムズ、ガーディアン、インディペンデント)の合計部数は200万部ほどで、サン紙の部数規模は突出している。 サン紙はメディア王ルパート・マードック氏傘下のニューズ・インターナショナル社が発行。英国には同氏傘下の新聞としてサン、タイムズ(約60万部)、日曜紙ではサンデー・タイムズ(約110万部)とニューズ・オブ・ザ・ワールド(約300万部)があり、合計部数は約800万部となる。これらの「マードック・プレス」がどの政党を支持するかが世論の動向に影響を及ぼす構図がある。 中でも特に大きな影響力を持つとされるのがサン紙だ。1979年、サッチャー保守党政権誕生直前に、これまでの労働党支持を変更し、「保守党に投票しよう」と呼びかけた。92年の総選挙では、世論調査で保守党の支持率を超えていた野党労働党に投票すれば悲劇的な結果をもたらすと予測した紙面を投票日当日に発行。保守党が勝利すると、「勝ったのはサンだ」と投票日から2日後の紙面で宣言した。 97年3月には「サンはブレアを支持する」と1面で表明。5月、ブレア党首率いる労働党が圧勝し、サンは政権誕生の立役者としての地位を喧伝(けんでん)した。 2005年の総選挙では、投票日前日にブレア氏の男性としての魅力を妻が語る記事を掲載し、投票日当日はブレア氏とブラウン財務相(当時)をサッカー選手に見立てた写真を1面に出し、労働党に投票しようと呼びかけた。 メディア操作に関する複数の著作を持つニック・ジョーンズ氏は、サン紙の「プロパガンダ」報道は「民主主義社会にとってよくない」と嘆く。 今回、サン紙の支持政党くら替えが判明したのは、早版が出た9月29日夜。同日午後にはブラウン首相が労働党の年次大会で「勝利に前進を」とするスピーチを行っていた。サン紙は翌日付の1面で「労働党は自らを失った(Labour's lost it)」と題する社説を掲載した。 新聞が世論を決めているのか、あるいは世論が新聞の論調を決めるのかに関しては、政治学者の間でも諸説がある。10月4日付のガーディアン紙で、ストラスクライド大のジョン・カーティス教授は「サン紙が世論を決めているのではなく、世論の動きを反映した論調を掲載しているだけだ」と述べた。インターネットの普及などメディアの多様化で、1紙の影響は少ないとする見方もある。 (補足)一方、コラムニストのピーター・ウィルビー氏は毎日のように特定の視点を持った報道に触れていれば、「何らかの影響が及ぶのは自然」であり、連日、ある政党にとって否定的な報道が出れば党内の「士気に影響する」と見る。ブレア元首相の元側近アラステア・キャンベル氏はメディアが多様化したので、「1つの新聞が支持政党を変えたからといってあまり大きな影響はない」(9月30日付)としている。(これをそのまま信じる必要はない。むしろ、衝撃を少なくするための嘘の発言である可能性もある。サンの今回の報道に労働党員らはかなり衝撃を受けたという報道がある。) 私自身の判断は、サンはムード作りがうまい感じがする。実態は違っても「そうかな」と人に思わせてしまう。典型的なプロパガンダだろう。「サンが世論を作っている」と思わせるプロパガンダという意味でも。 それにしても、もうブラウン政権はだめかもしれないと思う。アフガンで英兵が続々と亡くなっているのに「後戻りはできない」というようなことを言っている。まじめな人なのだろうが、言葉が心に響かない。アフガン派兵と国内のイスラム・テロ発生を防ぐという2つのことは、どうしてもうまくつながらないのだ。それに、アフガンを西欧型の民主国家にするのに、一体何年かかると思っているのだろう(30年?)。国家再建というのは2-3年ではできないだろう。といっても、2001年からもう8年になるのだが。何せ結果がなかなか出にくいのだ。うろうろしているうちに、選挙で負けそうだ。 2009年 11月 07日
放送批評懇談会が発行する月刊誌「GALAC」の記事の何本かが、ニフティが運営するサイト「@niftyニュース」に掲載されるようになった。この中で、私がリレー連載の執筆者の1人となっている「海外メディア最新事情」コラムも入った。8月末のエジンバラテレビフェスティバルでのジェームズ・マードックのスピーチの受け止められ方について書いたもの。11月号に書いたが、そろそろ12月号が書店に出ている頃だろう。ご関心のある方は以下がアドレス。
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/galac-20091020-01/1.htm 今月上旬発売の朝日新聞「Journalism」11月号に、英国政治報道について書いてる。以下のサイトではまだ10月号の写真が載っているのだけれど、そのうち11月号のものに変わるはずである。 http://publications.asahi.com/ecs/66.shtml 英国では、議会(国会)を根城に活動する「ロビー記者」たち(国会記者にほぼ相当)が存在する。その存在さえも秘密とされた時代が長く続いたのだが、現在は議会サイトに個人の記者名が載るまでになった。排他的な存在+政治家に優先的に会える存在であるという意味では特権記者たちとも言える。その「特権」は公のために、つまり所属メディアを通じて情報・分析を出すために与えられている。一定の権威を持って、政治の分析・解説をしてきたのだが、現在は個人でもネットで情報発信が可能だし、著名政治ブロガーも多くなった。また、権威に対する英国民の軽視も次第に広がって、ロビー記者たちの存在感は相対的に低下している・・・というのが私の見方である。 11月号には民主党政権下の政治報道の行方や例の記者会見問題に関する記事も入っている。 2009年 11月 05日
複数のニュースサイトや1つの新聞サイトから自分の読みたい記事だけをピックアップして、これを「私だけの新聞」として自宅に届けてもらうーそんな記事をあちこちで見かけるようになった。
5日付のガーディアン紙で紹介されていたのが、自分のツイッターでのつぶやきをまとめて、自分だけの新聞を作るという新しいプロジェクト。題して「ツイッター・タイムズ」。 http://www.guardian.co.uk/media/pda/2009/nov/05/digital-media-twitter-personalised-newspaper-twittertimes まだ実験段階のようなのだが、ツイッターのアカウントは既にあるので、ためしに作ってもらおうと思った。以下のサイトから作れる。 http://www.twittertim.es/ ガーディアンの記事では30分ぐらいで作れると言うことだが、私が申し込んでみると「1時間ぐらいかかります」というメッセージが出た。サイトの下の方にはいくつか著名人の「新聞」の例が出ている。開いてみると、縦に長いブログのような画面が出て、いくつかのつぶやきが横並びになっている。まだまだ格好いいデザインとはいいがたいが、これから変化していくかもしれない。よくここまでやったなと思うぐらいだ。 この紙面に出るのは、自分のつぶやきだけでなく、フォローしている人のつぶやきも入り、つぶやきの最新度や頻度によって場所が変わってくる。フォローしている人がフォローしている人の分まで入るらしい。自分が興味を持ちそうな人たちのネットワークができる、という仕組みだ。一旦できてしまうと、30分毎に更新される(新しい「私の新聞」ができる)というもの。 ガーディアンの記者は、これのフェースブック版がでるかもしれないと予測している。 ツイッタータイムズができあがったら、これをどうしたらいいのだろう?用途がありそうでないような代物だが、何だかおもしろい。常々、ニュースのウェブサイトがもっとフレキシブルに、簡単にできないものかなあと思っていた。こういうソフトがもっと広範に使えるようになるといいなと思う。 ところで、朝日「Journalism」11月号(私も原稿を書いている。それはまた後で)で、「鳩山内閣の高支持率の背景に拡大する『情報源の世代間ギャップ』」という記事がある。トランスコスモスの萩原雅之(まさし)さんが書いたもの。これによると、新聞やテレビの報道でニュースを得ている人の間で鳩山内閣支持率が高く、ネットから入手している人では低いことが分ったという。ネットで情報を得る人は、一定の懐疑心をもって情報に接するようだ。 また、毎日の生活に必要な情報を何から得ているかという測定を文化庁「国語に関する世論調査」がしているそうで、9月発表レポートでは、世代別に情報源がかなり違うことが分ったという。やはり、若者層はネットからが多く、高齢者になるほどその比率が減少する。驚いたのが30代で、2001年で「ネットから」が24%だが08年では55%に増えた。同年代で、「新聞から」が2001年では85%だったが08年では65%に減っている。たった7年で、である。既に大手のメディア企業にとってはつらい時かもしれない。個人のユーザーからすれば、多彩で楽しい時になるが。 2009年 10月 31日
野党保守党党首デービッド・キャメロン夫人のサマンサさんに注目が集まっている。今月上旬開催された保守党党大会では、著名小売店の水玉のワンピース姿を披露。名門家庭の出身でリッチなサマンサさんが庶民が買える値段の洋服を選んだことで、国民に親しみやすい印象を与えることに成功した。次の総選挙で保守党政権が成立すれば、サマンサさんは首相夫人となる。一体どんな人物なのだろう?「英国ニュースダイジェスト」(10月29日号)に掲載された原稿に、一部補足したのが以下である。
来年、首相夫人になるかも? ーサマンサ・キャメロンさんの魅力 ―サマンサ・キャメロンさん(38歳)のこれまで 1971年4月18日:サマンサ・グウェンドリン・シェフィールドとしてロンドンで生まれる。ノース・リンカンシャー州の大邸宅で育つ。ウィルトシャー州の名門私立校マルボロ・カレッジで学ぶ。芸術専攻の学生時代、イタリアでの休暇中、デービッド・キャメロン氏と出会う。1996年、キャメロン氏と結婚。 2001年、夫が保守党議員に当選し、05年保守党党首に。子供を3人(男児2人、女児1人)を出産するが、障害を持って生まれた長男イバン・レジナルド君が今年2月、死亡。高級文具「スマイソン」社のクリエイティブ・ディレクター、高級インテリアグッズの店Okaの共同経営者でもある。夫と一緒の写真を撮られることは多いが、メディアを通じて発言することはほとんどない。カジュアルかつ清楚なファッションで夫のイメージ・アップに貢献。通称「サム」。 ―その家柄は サマンサさんは両親(父レジナルド・シェフィールドさん、母アナベル・ジョーンズ・シェフィールドさん)の長女。名門私立校イートン出身の父は子爵で、リンカーンシャー州の土地所有者。約1キロ平方に広がる邸宅「ノーマンビー・ホール」は16世紀からシェフィールド家が所有してきた。先祖の1人はヘンリー8世(1509-1547年)の時代の下院議長だった。両親は結婚から5年後離婚した。母はウイリアム・アスター氏(アスター準男爵、メージャー政権で大臣職に就任)と再婚し、アスター準男爵夫人となった。母は高級インテリアグッズの店Okaを娘と共同経営している。 ―一方、サラ・ブラウン(ブラウン首相夫人)さんは 1963年、バッキンガムシャー生まれの45歳。父は出版勤務で母は教員だった。ブリストル大学で心理学を学び、友人とPRコンサルティング会社を立ち上げる。2000年、ゴードン・ブラウン氏(現首相)と結婚。生後10日目で亡くなった1女と2人の息子を出産している。07年、夫が首相に就任する。それまではあまり表舞台に出なかったが、08年の労働党党大会では舞台上で夫の素晴らしさを賞賛。ブラウン首相の明るいイメージ作りに大きな貢献をした。今年の党大会では夫を「私のヒーロー」と呼んだ。ツイッターでは英国で最大数となる約77万人のフォロワーを持つ。いつの間にか首相よりも人気が高くなった。 ―他の政治家のパートナーたち *ミッシェル・オバマ米大統領夫人 元弁護士。ファースト・レディーとして夫の外遊に随伴したり、学校を慰問するなど、公的行事にかかわることも多い。米「ピープル」雑誌の2008年ベストドレッサー賞受賞。訪英の際には女王の背中に手をやり、英国では物議をかもしたが、でしゃばらず、かつ影に隠れることもなく、その評価は今のところ上々だ。 *カーラ・ブルーニ仏大統領夫人 モデル、歌手、実業家。愛くるしい顔にスレンダーな肢体で世界のファッション・アイコンに。今月上旬、自分のチャリティー活動などを紹介するために開設したウェブサイトへの訪問者があまりにも多く、クラッシュする羽目に。夫のサルコジ大統領へのダイエットのアドバイスやジョギングのトレーニングが厳しすぎるという意見も。 *シェリー・ブレア元首相夫人 弁護士というキャリアを持ちながら、チャリティー支援、首相の妻として公務など、忙しい毎日を送ったシェリー夫人。1997年の政権取得の翌日、寝起き姿でロンドンの自宅のドアを開け、これがメディアを通じて世界中に報道された。「でしゃばり」「一言多い」「ファッションセンスが最悪」などさまざまな悪評が出た。「こんな妻を持ってブレア首相はかわいそう」感を引き起こしたという意味では、妻として成功? *故デニス・サッチャー氏(サッチャー元首相の夫) 英国初の女性首相となる妻マーガレットを影で支え続けたのが夫の実業家デニス氏。妻が弁護士資格を得るまでの勉学を金銭的に支援したほか、生涯を通じて政治家としての妻をサポート。「ゴルフとジンの好きな愚か者」という役を世間的には演じた。サッチャー夫人は「首相としての11年間はデニスが側にいなかったら実現できなかった」と自伝で書いた。1991年、準男爵に。2003年死亡。政治家のパートナーのかがみと目される。 *** 10月8日、英野党保守党大会で、デービッド・キャメロン党首がスピーチを行った。この時、観客席には、熱心にスピーチに耳を傾る妻のサマンサさんがいた。水玉の半そでワンピースにグレーのパンプス姿で、ワンピース(65ポンド、約9600円)は小売店マークス&スペンサー(M&S)のもので、靴は若い女性に人気のZaraのセール品の組み合わせだった。別の日にはジーンズに手ごろな価格帯のブランド、ユニクロのグレーのセーターを着ていた。 名門家庭の出身である上に高級文具ブランド「スマイソン」(関連キード参照)で働くサマンサさんがリッチであろうことは衆目の一致するところだが、手ごろな価格のワンピースやセール品、カジュアル・ルックを装うことで、サマンサさんは、自分がそして夫が党首となっている保守党がテレビを見ている中流階級が抱える諸問題を共有できますよ、というメッセージを伝えていた。友人たちによれば、普段のサマンサさんはトータルで1000ポンド相当の洋服を着るそうで、党大会での格好は十分に吟味・計算して選択されたものだった。 この10日ほど前に開催された労働党の党大会で、夫のブラウン首相のスピーチの前に壇上に上ったのは妻のサラ・ブラウンさん。私生活では手がかかるるが、いつでも国民のことを考えている夫は「私のヒーロー」とほめあげた。一方のサマンサさんは、スピーチ終了後、舞台に上り、夫とキスを交わしたが、一言も発言しないままに壇上から降りた。その代わり服装でさりげなく夫と保守党を支援していたのだった。 複数の世論調査を見ると、保守党は労働党を20ポイント近く引き離しており、来年6月頃までに行われる総選挙で、保守党が勝利する可能性は高いと見られている。次期首相夫人と目される「控えめ」サマンサさんは、一体どんな人物なのだろう? サマンサさんは現在38歳。子爵の父を持ち、大邸宅で育った。13年前にキャメロン氏と結婚し、3人の子供を生み(一人は今年2月死亡)、スマイソンのクリエイティブ・ディレクターとして働く。趣味の1つはヨガだそうだ。夫は「もっとも信頼できる人物」と呼ぶ。 2000年、夫が保守党議員候補者選定の演説会で、最悪のスピーチを行った時、これをはっきりと本人に指摘したという。政治に関する関心は大で、現在保守党が強調する「近代的な保守主義」の柱の一つである、社会福祉に重点を置く政策はサマンサさんのインプットに大きくよるもの。同性愛者の権利、多文化主義、環境保全問題に夫の関心を向けさせたのもサマンサさんの功績による。学生時代は緑の党に投票し、交際相手が保守党員であることを知って、「当初は交際を断られた」(キャメロン氏談)ほどだった。 サマンサさんにとって痛恨の「事件」が2007年にあった。スマイソンのロス店舗開設を記念し、自宅で米雑誌の取材に応じたのだが、英メディアは「夫の立場を利用している」と批判した。サマンサさんは現在でもこの時の行動を「後悔している」と言われる。ますます、「政界と私生活を分けよう」と自分に誓ったという。 サマンサさんの生の声がメディアを通して伝わることは、現在殆どない。私生活は外に出さないのがサマンサ流のようだ。サンデータイムズ紙の記者によればサマンサさんは「驚くほど温かく、気さくで、リラックスしている人物」だ。 ―政治家の妻の役割とは? サルコジ仏大統領の妻で元スーパーモデルのカール・ブルーニさんやミッシェル・オバマ米大統領夫人など、近年、その国のトップの政治家のパートナーに注目が集まることが多くなった。 ブラウン首相の妻サラさんは長い間陰の存在だったが、昨年の労働党大会で夫のスピーチの紹介役として壇上に上がったところ、首相のイメージアップに一役買った。その後は著名人とコンサートに出かけたりチャリティー活動に力を入れたりと表に出るような活動に従事するようになり、ソーシャル・ネットワーキング・サービスのツイッターでは国内最多のフォロワーを持つまでに至った。サラさんは首相よりも人気がある人物ともいえるまでになった。 しかし、サラさんは夫のように政治家として国民から選ばれた存在ではない。果たして政治家のパートナーはどこまで相手の政治活動に協力・介入するべきなのか?議論は始まったばかりである。今のところ沈黙を通すサマンサさんは、果たしてどんな「首相の妻」となるであろうか? ―関連キーワード Smython of Bond Street: スマイソン・オブ・ボンドストリート。ロンドンに本拠地を置く、高級文具、皮製品、ファッション・ブランド。フランク・スマイソン氏が最初の店舗をニューボンド・ストリートにオープンしたのは1887年。現在は旧店舗の真向かいに本店を置く。顧客には古くはビクトリア女王、女優の故グレース・ケリー、歌手マドンナなど著名人も多い。同社の手帳やノートには、創業者が発明した羽のように軽い紙が使われている。独特の薄い青色は「ボンド・ブルー」と呼ばれ、スマイソンのイメージカラーにもなっている。伝統的なブランドであるとともに若者層からはクールなブランドとしても人気で、名家出身で30代の働く女性サマンサ・キャメロン野党保守党党首夫人のイメージとも重なる。 2009年 10月 28日
ロンドンの無料夕刊紙「ロンドンライト」が近く廃刊となる見込みだ。経営陣が27日、スタッフに伝えた。編集スタッフにとっては寝耳に水だったようだ。
ガーディアンやプレスガゼットなどが伝えたところによると、 http://www.pressgazette.co.uk/story.asp?sectioncode=1&storycode=44526&c=1 http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/27/london-lite-associated-newspapers http://www.guardian.co.uk/media/organgrinder/2009/oct/27/london-lite-closure-newspaper-market ロンドンライトの廃刊見込みのニュースは夕刊有料紙だったイブニング・スタンダード紙が無料になってからほぼ2週間後、そして、ライバルだった夕刊無料紙ロンドンペーパーが廃刊となってからほぼ一ヶ月後となった。ロンドンの無料紙市場は残すところ朝のメトロと夕刊のイブニング・スタンダードだけになってしまう。もともと、無料紙戦争はロンドンライト(アソシエーテッドニューズペーパーズ社)とロンドンペーパー(マードックのニューズインターナショナル社)との間の戦いを指していたので、無料紙戦争は事実上終えんにむかう。 両社の経営陣は、経営が成り立たなくなった、見合うだけの広告収入がないなど、やはり経営上の理由で廃刊を決めたようだ。プレスガゼットによれば、ロンドンライトの赤字は毎月1000万ポンド(約14億8000万円、ただし新聞が赤字と言うこと自体は珍しくないが)。 ロンドンペーパーは約50万部を配布スタッフが路上で道行く人に配っていた。ロンドンライトは約40万部。まず先の50万部が消えた。次に40万部が消える。一方のイブニング・スタンダード紙は有料(1部50ペンス)では25万部ほど売っていたが、無料にしてからは60万部が配布されている。 ロンドンのウオータールー駅でスタンダードの販売スタンドにいて、約1300部を毎日売っていた男性がいた。この駅に来るたびに売れ行き具合などを聞いていたが、ここ数週間で姿が見えなくなっていた。そして、無料になることが発表された。人員削減の対象になったのかもしれない。無料だから特に販売のスキルはいらないし、ただ手渡すだけなんだから、お金の管理がいらなくなった。こんな仕事では今までの販売員はいらないだろうし、有料で売ってきた販売員からしたら、おもしろくないというか、ただの配布人なんて、いやだろうな。 イブニングスタンダードはまた有料になる・・・という噂(陰謀説)がツイッターで流れたらしいが。 2009年 10月 28日
時事通信湯川さんのコラムを見ていたら、テレグラフ記事の紹介で、「ツイッターを使って英経済は13・8億ポンドの損失」というエントリーがあった。 10月27日付。 http://it.blog-jiji.com/ ツイッターを勤務時間に使っている間に、経済が損失を受けているという計算である。本当にツイッターが流行っている感じがするけれども、先の調査では十代の少年少女でなく、20代以上のいわゆる大人がやっているそうだ。 その前のエントリーで「一般ユーザーってブログを読むものなんだろうか」も興味深い。以下は引用だが: ニューヨークのベンチャーキャピタリストのFred Wilson氏は、ブログが既にマスのメディアになった、とブログで書いている。 でも本当にそうなのだろうか。どうも自分の周りを見渡しても、ブログから情報を入手している人などほとんどいない。RSSリーダーが何であるかを知らない人も結構いる。さすがにネットでニュースを読むようになったとはいえ、読むのは新聞社のニュースサイトの記事くらい。 一般的な日本企業ってこんな感じなんだろうか。それとも自分の職場(報道機関のデジタル部門)が世の中の流れから取り残されているのだろうか。(引用終わり) 英国の一般ユーザーというか、自分も含めた多くの人がニュースに触れるのはラジオ、テレビが多い感じがする。放送局のニュースには信頼性が置かれている。私も、ツイッターでは目利きの人のフォロワーになることで、一歩先のニュースのネタを集めることができるという利点はあるものの、最も一般的な方法はテレビ・ラジオのニュース。生の声がでるし、分りやすい。特にラジオは何か別の作業をやりながら聞ける。BBCのラジオ4という放送局に周波数を合わせて、暇があればとりあえずスイッチを入れる・・・ということを多くの人がやっていると思う。私も定時のニュースにはよく耳を傾けている。ある種、楽である。ただ聞いていればいいのだから。テレビのニュースも、リラックスして見ているだけで刺激がある。 ―キャドバリー 「英国ニュースダイジェスト」(10月8日付)に書いた分に付け足した原稿が以下である。英国はチョコレートが好きな人が多い。何せ、駅のプラットフォームにチョコレートなどの自動販売機がある(壊れていることも多いけれど。) 最大手キャドバリーが買収される話が最近続いている。調べてみると、大型買収がまた流行ってきている・・・という文脈で書いた分析が多かった。主にBBCやエコノミストを参考にした。また、10月上旬時点の情報を基にしていることをご了承願いたい。 世界製菓市場の覇権争い? 英キャドバリーに買収提案 チョコレート製品でおなじみの英大手製菓会社キャドバリーに対し、9月上旬、米食品大手クラフトフーヅが買収提案を持ちかけた。キャドバリーは提案額が低すぎるとしてこれを拒否。世界の製菓業界再編にもつながると見られる買収は果たして実現するだろうか? ―キャドバリー(Cadbury Plc.)とは 世界でもトップクラスの規模の製菓会社。1824年創立。2008年5月まではキャドバリー・シュウェップスが社名だったが、米国の飲料ビジネスをドクター・ペッパー・スナップル・グループとして独立させ、現在の社名に。デーリー・ミルク、ミルク・トレーなどのチョコ製品が特に著名。60カ国で約4万5000人を雇用。2008年の収入は53億84000万ポンド(約7700億円)。 ーキャドバリーの歴史 1824年:ジョン・キャドバリーが紅茶、コーヒー、チョコレート飲料の販売をイングランド地方中部バーミンガムで開始する。後,ロンドンでも販売。アルコール飲料を飲まないクウェーカー教徒であったジョンは、アルコールの代替物として紅茶などの嗜好品を販売したという説がある。 1854年:ビクトリア女王にチョコレートとココアを販売するメーカーに選ばれる。 1873年:ココア使用製品が好評となり、紅茶の販売を停止。 1915年:ロングセラーとなるチョコ製品ミルク・トレーが販売開始。第1次世界大戦中は衣服やチョコなどを前線に送る。 第2次大戦中:チョコレートはぜいたく品とされ、政府の管理下に置かれる。 1949年:チョコレートの配給制が解除される。 1989年:飲料会社シュウェップス社と合併し、キャドバリー・シュウェップス社となる。米国でシュウェップス・ビバレッジ社が設置され、キャドバリー製品はハーシー・ブランドで販売された。 2008年5月:米国の飲料ビジネスが本体と切り離され、ドクター・ペッパー・スナップル・グループ社として独立する。本体はキャドバリーPlcに。 2009年9月7日:米食品大手クラフト・フーヅが102億ポンド(約1兆5600億円)で買収を持ちかけるが、過小評価していると判断したキャドバリー側はこれを拒否。 ―買収をもくろむクラフトフーヅ(Kraft Foods)とは 1903年、米イリノイ州でチーズの卸売り業者として設立。1988年にフィリップモリス社に買収される。同社が2000年、ナビスコ社を買収し、クラフト・フーヅと合併させる。クラフトチーズ、フィラデルフィア、ナビスコ、リッツ、オレオなど著名ブランドが多数ある。食品・飲料会社としては、ネスレ、ペプシコに続き世界第3位。世界中に約170の製造工場があり、約9万8000人が勤務する。 ー5億ドル以上の大型買収の件数(資料:エコノミストより) ―2002年:15 ―2006年:81 ―2009年7月末時点:21 ―最近の大型買収 -8月31日:米ディズニー社がマーベル・エンタテインメント社を買収 -9月1日:米eBayがスカイプ社の株65%を投資家集団に売却 -9月8日:仏ビベンディ社がブラジルの携帯電話会社GVTを買収 -同日:独テレコムと仏テレコムが傘下にある英国の携帯電話会社(Tモバイルとオレンジ)の合併を発表 駅のプラットフォームにもチョコレートの自動販売機が置かれているほど、チョコ好きの国民が多い英国。紫の包み紙でおなじみのキャドバリー・チョコを販売する、世界でもトップクラスの菓会社キャドバリー社が米食品大手クラフトフーヅ社から、先月、買収提案を持ちかけられ、大きな話題となった。 オレオビスケットやケンコー・コーヒー、フィラデルフィア・チーズで知られるクラフト社の提案額は102億ポンド(約1兆5600億円)。1株あたり745ペンス(提案直前の株価と比較すると30%増)の買収となる。しかし、キャドバリーは自社を「過小評価している」として、この提案を拒否した。 クラフトの買収提案の背景にあるのは、世界の食品・製菓市場の覇権争いだ。もし同社とキャドバリーが一緒になれば、合計売上高が500億ドル(約4兆6600億円)に達する巨大食品企業になれる。クラフトはキャドバリーが独占的位置を占める英国の製菓市場への進出はほとんどしておらず、逆にキャドバリーが弱いスカンジナビア諸国やブラジルなどでビジネスが繁盛している。キャドバリーが強い、欧州やラテンアメリカのチューインガム市場をクラフト社のビジネスに加えることができる点も大きな魅力といわれている。 また、ガムを製造するリグリー社を昨年買収して世界の製菓市場の14%を占めるようになった米マーズ社(マーズ・チョコレートが著名)に対抗できるのも、クラフト社の狙いとされる。マーズ社とリグリー社の提携で製菓市場のトップの座を奪われたキャドベリー側も、これを機に奪回をもくろむ。 9月30日、英国の買収に関する規制機関「買収委員会」は、クラフト社に対し、11月9日までに、正式な買収提案をキャドバリー側に提出するよう促した。期日までに提出されない場合、クラフト社はキャドバリー社に次の6ヶ月間、買収案を持ちかけることができなくなる。クラフト社は以前の提示案よりも高額の数字を提案するか、今回は買収をあきらめるかの二者択一を迫られている。どのような展開になるのか、予断を許さない状況だ。 ―大型買収が戻ってくる? 今回のクラフト社によるキャドバリーの大型買収提案劇で、好景気時代に続いた巨額買収ブームが戻ってきているのではないか、とする見方が一部で出ている。キャドバリーは提案を拒否したが、他企業も提案を出す見込みを察知した株式市場は同社の株価を上昇させる反応を示した。 最近の注目買収・売却案件では、米プロクター&ギャンブル社が31億ドル(約2780億円)で薬品部門を売却、ディズニー社がマーベル・エンタテインメント社を40億ドル(約3590億円)で買収などがある。「現金が豊富な企業にとっては関心がある企業を買う最高の時」(英コンサルタント会社役員)ともなり得るのだ。 クラフト社が期日までに新たな買収額を提示できない場合、ライバルの製菓会社ネスレやハーシーズが買収額を提示してくる可能性もある。チョコレートをめぐる熱い戦いの行く末が見逃せない。 2009年 10月 26日
前に英広告の話を書いたが、朝日の「Journalism」という月刊誌(私も時々書かせてもらっている)の9月号で、「広告はどこへ行った」という特集があった。ネットに広告が流れている、そして新聞テレビなどの既存メディアが広告収入の減少で悩んでいるというのは、米英そして日本でトレンドになっているけれども、その理由が具体的に分りにくかった。つまり、広告業界側の本音が見えにくかった。これを解明したのが、この特集だった。
新聞・テレビメディアにいる人にとってはかなり手厳しいコメントが入っている。でも、本当にこれが広告業界の本音なのだから、こういう現実を前にどうするか?という頭で動いていかないといけないのだろう。 最初の記事が日本アドバタイザーズ協会専務理事の小林昭さんの話だ。新聞広告に対して否定的な理由は、単価が高く、かつその効果が良く分らない点だという。「800万部、1000万部出ていますからといわれても、それでは納得できません」。マスメディアの広告料が高すぎると指摘して、「テレビも新聞広告も、ビジネスモデルというか商売のやり方がまったく変わっていません。これだけ世の中が大幅に変わっているのに変わっていない。変えようとしない広告会社も悪い。変えないほうが楽だからです。いいかげん、広告主もバカじゃないから気づきますよ」。 マスコミへの注文として、「まずは単価を下げてほしい」という。「フレキシビリティーをもって対応してしてほしい」そして「できれば、伝わった相手のプロフィルまで分るデータがほしいですね」。 次にあるのがトヨタの宣伝部長の話。ウェブが安いから、ウェブで広告を出す(自社サイトの拡充を含め)という。 他にも、私自身が目からウロコのコメントがたくさんあった。 ―十代のユーザーとネット 前に、投資銀行ゴールドマンサックスに、15歳の英国人少年が自分たちの世代のネットの利用についてレポートを書き、これが話題になるという事件があった。多くのメディア関係者にとって驚きだったのは、ツイッターを十代の少年・少女たちがあまり使っていない・興味がないと言ったことだった。日々の出来事に関してつぶやきあうなんて、つまらないと。書きたいことがない、と。 オブザーバー紙(25日付)のJohn Naughtonの「Surprisingly, parts of cyberspace are teenager-free zone」もこの点に注目した。この記事によると、米コムスコア社の調べではツイッターのユーザーの中で17歳以下の人は11%のみ。また、米ニューヨークタイムズの調べではSNSのマイスペースの14%、フェースブックの9%がティーンエイジャーたちだそうだ。 ちなみに、オフコム(英国通信庁)が定期的に出す「通信市場レポート2009」によれば、2008年5月から2009年5月の間に前年同期比で73%利用者が増えたのがフェースブックで約1900万人へ。ツイッターは同時期で約150万人から260万人へ。SNSは25-54歳の利用者が特に増えているそうだ。 さらに基本情報を付け足しておくと、英国のデジタルテレビの普及率は89・2%、インターネットのブロードバンド普及率は2009年第1四半期で68%、ロンドンではこれが78%に上昇する。(「英国ニュースダイジェスト」9月10日付ウイークリアイコラムを参考にした。) ーダン・ギルモア氏によるメディア救済とは? 少し前に、米コロンビアジャーナリズムの教授と元ワシントンポストの編集者が米国のジャーナリズムの将来に関して、100ページに渡るレポートを出したことを紹介した。このレポート、まだ最後まで読んでいないのだが、米ブログジャーナリズムの先駆者ともいえるダン・ギルモア氏が論評を書いている。(別件だがDan Gillmorは、ダン・ギルモーとやったほうが近い感じがするけれども・・・。) http://www.guardian.co.uk/commentisfree/cifamerica/2009/oct/19/leonard-downie-newspapers-local-journalism 「ニュースに救済策はいらない」・・・という題のコラムだ。ギルモア氏が反対しているのは政府のお金を救済に使うこと。報告書は「地方ニュース基金」を作ることを提唱していた。通信業者やテレビ、ラジオの放送免許保持者、ネットプロバイダーなどからお金を集めて、これを地方ニュースの拡充に使う。「地方自治体にお金が流れ、自治体から特定のメディアにお金が配られる」・・・こんな展開にギルモア氏は反対だ。「一体誰がどの自治体にお金が行くべきと判断するのか、最終的には中央政府が決めることになるのでは?」とギルモア氏は問う。 市場に任せる方を同氏は好むのだろうなあと思う。また、新しいタイプのジャーナリズムはもう既に作られつつある、というのが同氏の持論でもある。 ギルモア氏は、どうせ政府がお金を出すならば(税金を使うなら)、光ファイバーを全米の隅々にまで走らせることに使ったほうがいいのではないか、と提案する。 ここ2-3日、ギルモア氏の「光ファイバーをどこにでも」案が頭から消えない。例えば英国の家は殆どの場合、セントラル・ヒーティングがついているのが当たり前になっている。光熱費をどこまで払えるかにもよるが、非常に心地良い住空間ができあがる。メディア環境に目をやれば、どこの家庭のテレビもデジタル・・・というまでには行っておらず、BBCアイプレイヤーも見れない家庭だって多い。アイフォーンなどのスマートフォーンも誰でも持っているわけではない。ネット環境・住環境・一定のレベルの食生活とある程度の収入・健康・・こんな基本部分があるかないかでずい分と人の幸福度や思考の広がり具合が変わることがいくらでもある。いろいろ、考えさせられるコラムだった。 2009年 10月 24日
インターネットで調査をするYOUGOVの世論調査(テレグラフ紙の依頼)によると、22%がBNPに投票することを「真剣に考えている」という。BBCの番組「クエスチョンタイム」放映後の調査だが、放映で見方が変わったのかどうかは聞いてないそうだ。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/8323638.stm しかし、調査に参加した約1300人の中で、「たとえどんな状況でも投票しない」と答えた人は三分の二に上った。実際に明日選挙があったら、投票すると言うのはほんの3%。ただし、以前は2%だったという。また、半分ほどの人が、英国の「先住者、あるいは白人」(BBC)のためにBNPが主張していることには道理があると考えていた。 特に白人人口が高く、BNPの支持者が多いと思われている地域でのBBC記者の取材では、多くの人がグリフィン党首の出演自体は認めているものの、ナイジェリアからのある移民は子供たちを外で遊ばせることに不安感を感じながら毎日を過ごし、また白人らしい住民の1人は「自分は人種差別主義者ではない」とする一方で、先住の英国人たちが「脇に押しやられている」思いをしていると語っている。 http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/8322626.stm 私の親戚のおばさん(白人、70代後半)が、2年ぐらい前に、BNPに投票したいと言っていたことを思い出す。BNP自体を支持するからというよりも、「他に自分たちの生活のことを考えてくれる政党がないから」。 グリフィン党首の生の声を伝えるインタビューを、「英国ニュースダイジェスト」が昨年掲載している。関心のある方はご一読を。 http://www.news-digest.co.uk/news/content/view/3091/120 2009年 10月 23日
極右で白人主義の英国国民党(British National Party, BNP)の党首が、昨晩、BBCのクエスチョン・タイムと言う番組に出演し、昨日から今日にかけて、メディアが大騒ぎとなっている。この番組は政治家や著名人がパネラーとして出演し、会場にいる聴衆から質疑応答を受ける、というもの。普段はあまり話しかけることができない大物政治家などに直接声をかけることができる。一般市民が何を考えているのかを測ることができる番組でもある。これにパネリストとして出られたら、とりあえずは一流と言うか、ある程度功績が認められたことにもなる。
この番組にBNPのニック・グリフィン党首が出る見込みとなった時、BBCは批判の矢面にたった。「あんな人種差別主義者を出演させるなんて」と。BBC側は、政党として合法な団体であることや、実際に国民がこの政党に投票し、6月の欧州議会選挙では2議席を獲得している(党首もその一つを得た)ということを指摘し、「いつかは呼ばないわけにはいかない」とした。 私自身、何故これほどまでに反感・出演に対する反対の声があるのかなとやや不思議だった。「言論の自由」をよく話題にするメディアらしくないな、と。私の察するところ、人種差別主義的言動(白人しか党員になることを認めていないなどー近いうちにこの部分を変えるそうだが)が特に反感を呼んでいるようだ。人種差別をしないように、という社会全体としての意識は私の想像をはるかに超えるほど強い。 実際の番組を見ていたら、パネリストたち及び司会者がグリフィン氏に対し、怒り+叫ぶように問いただす場面が続いた。司会者は普通中立であるべきなのだろうが、少なくとも番組の前半では反BNPという態度があらわだった。「グリフィン氏=悪者=みんなでやっつけよう」という感じ。会場全体が左派に傾いているようで、目に余る感じがあった。一種のリンチにも見えた。それもこれも、やはり人種差別やBNPが主唱していることを憎むという感情が強いからだろう。それにしても・・・という感じではあった。 グリフィン党首は最後のコメントで、出演できたのは「左に傾いたBBCが、バランスの取れたメディアであることを証明しようとして、出演させざるを得なくなった」というような論評をしていた。やっぱりなあという感じである。 そして、私が唯一おもしろい質問だと思ったのは、参加者の1人が、「BNPに国民が投票したのは、他の大手政党が移民問題に関して失敗したからではないか?」と聞いた時だ。保守党の代表者のパネリストがこれに基本的に賛同したが、ストロー司法相はしどろもどろの答え。注意深く他のパネリスト(主に政治家たち)の声を聞いていると、あまりよい答えになっていない。ほとんどが「移民の流入を抑える」などの話に。 移民の流入を抑える話を政治家が言うと、ほとんどの場合、つじつまの合わない話になる。つまり、英国は欧州連合の一員であるから、原則としては流入を抑えることができない。2004年、EUが東方拡大した時、流入を限定することが可能だったのだが(雇用などでモラトリアム期間を設定するなど)、それをしなかった。EU以外の人の流入を抑える・・・というと、まさに有色人種の人の流入を抑えるようなことになってしまう可能性がある。保守党パネリストは「最も才能のある、頭のいい人だけが入れるようにしたい」と言っていたが、他の国から「才能ある、頭のいい人」をどんどん集めてしまったら、他の国が困ってしまうのではないか?(困ることはないだろうけど、それでいいんだろうか?)それほど才能がない国民は、ますますジリ貧になるのではー?などと思ってしまう。 どことなくバイアスがかかったBBCの番組報告 http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/8321683.stm http://en.wikipedia.org/wiki/British_National_Party 2009年 10月 22日
いよいよ、明日、ウインドウズ7が発売になるというので、マイクロソフト対クラウドコンピューティング(グーグル)という構図の報道が続く。
チャンネル4の7時のニュースを見ていたら、元BBCにいて、アイプレイヤーの立役者だったアシュリー・ハイフィールド氏(今はマイクロソフトに)が出ていて、「ビスタの反省をいかし、もっと早く、もっとマルチメディアに力を入れた。ユーザーの声をよく反映している」ということで、自信作だというようなことを言っている。一方、大手でクラウドを使っている具体例として大学やテレグラフが紹介されていた。テレグラフはクラウドを使うことで、「かなりの経費が節約できた」と言っていた。(セキュリティーはどうなるのだろうなとちらっと思った。) しかし、マイクロソフト対グーグルの戦争というは、業界(ITなど)の人にとっては楽しいだろうし、私もきっとそういうことを書くのが専門だったら(書くことがあるかもしれないが)おもしろいのだろうけれど、やはり一ユーザーとしての自分から言えば、テクノロジーの世界がどんどん変わるのは理解できるが、それにしても、「XPと思ったらビスタ、と思ったら7か・・」というのが本音だ。ころころ変わられると困ってしまう感じ。つまり変わったら、やはりタダでアップデートされるのがいいのだけれど。7がいくら使いやすくても、「またお金を出して買ってください」というのは、何だかなあと思う。 米国のジャーナリズム(新聞)の行方に関して、20日付で研究レポートが出た。米コロンビア大学と元ワシントンポストの編集のトップだった人が書いた。全部で100ページはある大きな報告書だ。といっても1ページがA4でダブルスペースでタイプしたもの。途中まで読んだばかりなのだが、私の興味は、新聞メディア(あるいは既存メディア)が維持されるべきとする理論が成立する場合、どんな理由・理屈をつけているのかなーという点だった。結局、「独立した、質の高い報道を維持する」のが民主主義社会を守ることになる・・・というのがその理由のようだ。最後まで読まないとどんな展開かはまだ分らないのだが。 ご関心のある方は以下から。 http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/18/AR2009101801461_pf.html http://www.cjr.org/reconstruction/the_reconstruction_of_american.php https://stgcms.journalism.columbia.edu/cs/ContentServer/jrn/1212611716674/page/1212611716651/JRNSimplePage2.htm 最近、英国のメディアの昔のことを調べていたのだが、年月が発つにつれて、昨日まで常識と思っていたことが段々変わってゆくことが分る。未来が見えているわけでは(もちろん)ないのだが、じたばたしても、無くなるものは無くなって、それでもまた別の形の新しいものが(100年ぐらいかかって?)できて、「ジャーナリズムの灯・魂」みたいなものは、今からでは考え付かないような媒体が背負っていって、続くような気がする。 2009年 10月 18日
前回、ツイッターがこのところ情報源になっていると書いたけれども、どうもうさんくさい奴として見られるようになったのが、約80万人のフォロワーを持つ、俳優スティーブン・フライである。(ちなみにブラウン首相の奥さんのサラさんはこれより多いフォロワーを持つという。)
彼が一声ツイッターでつぶやくと、これを実際の行動に移す人が大分いる、というわけである。大分前に、ある本が非常におもしろい!とつぶやいていたことがあって、その後、その本がベストセラー入りしたという記事を読んだ。なるほどと思っていたら、どうも一種の社会評論家的なコメントを残し、これをメディアが追う、というパターンができているのに気づいた。今月上旬の保守党党大会で、ゲストとして呼んだ欧州議会議員がゲイ批判者で「こんな人を呼んではがっかりだ」とテレビで話していた。他にもいろいろ。最近はトラフィギュラ社のガーディアン報道差し止め事件(これはこれでかなり大きい事件!!)で声を発したと思ったら、昨日ぐらいには、ゲイのミュージシャンで「自然死」した男性の葬式の直前に、この男性が亡くなったのはゲイだったからではないかとも読めるコラムをデーリーメール紙に書いた女性ライターのことを問題視していた(フライ氏はゲイ)。メールのウェブサイトから、広告主が広告を引き上げる騒ぎにまで発展した(フライ氏のツイッターと直接関連してないかもしれないが。) テレグラフ紙のコラムニスト、ジル・ホーンビーという人の記事(17日付)によれば、9月16日、ブラウン首相がコペンハーゲンの地球温暖化会議に出るべきだとつぶやいたそうだ。そして22日、首相が出席を発表したと言う。(ただし、これも本当にフライ氏のつぶやきのせいなのかは分らないが。) ―英広告収入はネットに移動 英国のネット広告がテレビや新聞の広告費を本当に抜いた・もうすぐ抜くのだろうかー?という疑問を、前に「ネット広告がもうすぐ紙媒体をしのぐ」というような内容を書いたときに、読みに来られた方から指摘された。 この関係(媒体別シェア)が多くの人にとって分りにくいのは、統計を取る団体によって若干比較する基準を変える、例えば新聞と雑誌をひとまとめにして「出版」として数字を作ったり、「案内広告」「ディスプレー広告」など広告の種類によって分けたりする場合があるせいかもしれない。また、お金を払わないと(報告書を買う)全部の数字が分らない場合もある。また、団体に電話して初めて教えてもらえる場合もある。どこの団体も、自分の都合の良い数字を都合の良い値段などで出したいのだろうなーと想像する。 以下は13日付で「新聞協会報」に出した、ネット広告の原稿に若干加筆したものである。 英ネット広告が新聞を抜いた デジタルマーケティングの業界団体、英インターネット広告局(IAB)が9月30日発表したところによると、2009年上半期(1~6月)の広告収入はインターネットが前年同期比(以下同)4・6%増の17億5000万ポンド(約2573億円)となり、テレビの16億3800万ポンド(2408億円)、新聞の16億3500万ポンド(約2403億円)を抜いて国内最大の広告媒体となった。ネットの広告別シェア(23.5%)がテレビ(21・9%)と新聞(同)を上回ったのは、主要国では初めてとみられる(注:デンマークでは既に抜いたそうである、ガーディアンによると)。 調査は会計会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)と世界広告調査センター(WARC)との協力で行われた。テレビ界最大手のBBCは視聴者からのテレビライセンス料で主に運営されている点に留意したい。 上半期全体の広告費(74億6600万ポンド=約1兆975億円)は、経済状況の悪化を反映して16・6%減少した。ネット広告の増加は、広告費用削減の必要に迫られた広告主が、消費者が移動した先の媒体であるネットに比重を移したためだ。「不景気がデジタル分野への移動を加速化させた」(PwC)といえる。 広告効果の計測が他媒体よりも明確であること、ネットの動画サービスの人気(動画に付随した広告は195%上昇)、ネットショッピングの増加、高速ブロードバンドの普及といった要素もネット広告の伸びにつながった。景気動向に左右されずに伸びたのは、ネット広告の中でも検索広告で、上半期では全ネット広告収入の62・6%を占めた。 英広告協会による08年の媒体別広告シェアは、出版(新聞と雑誌)が36・5%でトップ。テレビ(24・0%)、ネット(19・1%)がこれに続いた。出版とテレビの急落とネットの伸びを加味すると、同協会は「09年にはトップの座をネットが奪う」と予測する(―つまり、新旧メディアの交代が起きていることになる)。 一方、英大手広告会社キャラットによると、英国の広告市場は今年、前年比で約12%下落する。テレビ(12%減)、新聞(20%減)、雑誌(16%減)など大きな落ち込みが予想される中、ネットと映画広告だけが増加し、広告市場の本格的な回復は2011年になると分析している。 英インターネット広告局(IAB) http://www.iabuk.net/
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