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在英ジャーナリスト&メディア・アナリスト。英国のメディア事情や社会・経済・政治事情を新聞業界紙、朝日新聞社「Journalism」、放送批評懇談会の「GALAC」、経済誌、WEBRONZAなどに寄稿。ニュースサイト「ニューズマグ」(http://www.newsmag-jp.com/)運営。著書は『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス (新書)』(共著、洋泉社)など。今年6月、一時帰国の予定です。取材執筆、講演などのご依頼は、ginkokoba@googlemail.comにご連絡ください。 ツイッター
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2009年 01月 25日
今朝のBBCラジオ4の「TODAY」という番組で、赤十字の人がガザで負傷した人を助けるべき云々の話をしており、「何故今これが問題に?」と思っていたら、「災害緊急委員会」(Disasters Emergency Committee, DEC)というところがガザで人道支援を行なうための資金集めを行なっており、その広告(動画クリップ)を出すか出さないかで、テレビ界がもめているのだった。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/7848614.stm http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/7848673.stm 大手テレビ局は一旦は「広告を放映しない」と決めたようだ。何故そうしたのかは不明だが、恐らく、公共放送(運営資金がどこから来るかとは別個に、BBC,ITV、チャンネル4などもこの枠に入る)枠ではニュースは偏向してはいけないことになっており、放映すれば親パレスチナ側と目される、と判断したのかもしれない。 このDECの「ガザ人道支援アピール」は、BBCサイトによれば、1月22日に発足。ガザ復興のために募金活動をしている。参加チャリティー団体は英国赤十字、オックスファム、セーブ・ザ・チルドレンなど著名なものが多い。私腹をこやすための変な団体ではない、とは言えるだろう。 国際開発問題担当のダグラス・アレクサンダー大臣も(「が」というべきか)放送を支持している。 問題は、BBCのトンプソン会長が、BBCの公平性を保つために、放送を却下してしまったことが発端だ。紛争の一方の側に傾いた放送になる可能性を避けるための正しい判断のはずだった。これが視聴者からの大きな非難を招いた。23日放送のBBCラジオ4「エニー・クエスチョンズ」という番組でも(識者によるパネリストに対し、視聴者が質問をする)、99%がBBCによる今回のチャリティー・アピールの動画放映不可は「間違いだ」と考えていた(挙手による)。 BBCがあまりにも「政治的に正しい」ことをしようとするあまり、今回、判断を間違えたのではないか、という声が強い。 この番組の中に出演していた政治家(元BBC記者、中東担当)は、「一般的にイスラエル側からBBCへのプレッシャーは強い。今回放送しないようにとプレッシャーがあったという意味ではないが。BBCには放映でガッツを見せて欲しい」と述べた。 例によってBBC側は「判断は間違っていなかった」と今のところ言い続けている(こういう時、恐らく面子を守るためだろうが、BBCは決して前言撤回をしないのだ。)こうした中、ITV、チャンネル4, ファイブが放映方針を発表し、波紋が広がっている。先ほど、アルジャジーラ英語から送られてきたメールによれば、こちらも放映をするという。アルジャジーラ英語放送は、衛星テレビスカイを通じて英国で番組が見れるのである。 24日はBBCの建物の1つの前に200人の抗議者が集まり、BBCに対し「恥を知れ」と叫ぶと共に、放送要請の嘆願書を出したという(・・・ということさえも自社ウェブサイトまで流すのがいいところではあるのだが・・・)。 果たして、BBCはいつまで放送しないままでいられるだろうか?もちろん、放送しない局が1つぐらいあっても不思議はないのだが、BBCで放送すれば集まる募金の額が大きく違うはずなのだ。 思い起こすと、BBCはかつて、反イスラエル報道で批判されていた。内部調査でそういう傾向があったようだが、その詳細は公開されていないようだ(以下参考。他にも別の調査があったと思うが、今見つからなかったので、とりあえず以下のみ)。 http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/6599927.stm 今回はその逆で批判されていることになる。BBCがどうもお役所的に見えてしょうがない。報道機関としての信頼感・期待が大きいだけに一挙一動が批判の対象になってしまう。 他局での放映は26日(月曜日)からになる見込み。 BBC云々の話はやや横に置くとしても、今回の紛争で公平な報道はどうあるべきか?という議論が英メディア界である。今回のような紛争の場合、公平と言うのが難しい。また、メディアのアクセス度により露出度も変わってくる、単純な話だが。誰も行かない場所のニュースは表に出ないのである。また、今回の紛争に限ると、「公平性をいかに維持するか」なんて、どっちでもいいじゃないか、偏ってもいいじゃないか、と言う声があるのも事実だ。 このチャリティー団体のアピールの話に戻れば、先のアレグサンダー氏(閣僚)は、動画を見て、募金するかどうかは国民が決める、それでいいのではないか、と述べている。 (―「災害緊急委員会」(Disasters Emergency Committee, DEC)はhttp://www.dec.org.uk/ で開くはずだが、少し前までアクセスできたが、いまやって見たらアクセスが殺到したのか開かなくなった。) 追加:BBC経営陣の見方 BBCのトンプソン会長の見方は社員宛のメールに書かれてありました。以下から見れますが、 http://www.bbc.co.uk/blogs/pm/2009/01/the_bbc_and_the_dec.shtml 2つ大きな理由があって、まず(1)実際に困っている人に届くのかどうか疑問、(2)今まさに進行中の紛争であるので、どちらか一方に肩入れしたくない・・・と。また、これまでにはDECのアピールを放映したことがあるそうで、DEC自体がダメというわけではない。しかし、今回に限っては・・とのこと。 私の見方は、「変にこだわっているところが、何かおかしいなー?」という感じです。裏情報を持っているわけじゃないんですが。基本的に英国の大手メディアの報道は親パレスチナだと思っています。どうでしょう?前にレバノン紛争があった時も、反イスラエル感情が強まりましたよね、英国では。 今回、BBC経営陣が親イスラエルになったとは思わないと言うか、まだ十分な証拠が無い感じなんですが、イスラエルがプレッシャーを加えた、という大それたことじゃなくて、あくまでも官僚主義的な動きのような気がしています。BBCが片方に偏ったような報道(一方に同情的な報道)をしたことは限りなくあるわけですし。 それと、新聞の投書欄に「DECのことがニュースになったので、募金が増えた」という声と、「BBCはこのニュースの報道で、自社ウェブサイトにDECのアドレスを載せている、やっていることのつじつまが合わないのではないか」という声もありました。 ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
そういえば、CNNを見ていると、イスラエルのガザ攻撃について、生々しい戦闘映像は流しませんでした。日本のテレ朝はアルジャジーラのクリップを放送していました。これは露骨な情報操作ですね。オバマ就任式の音楽のやらせと併せて、実にくだらないショーだったようです。 ブッシュの靴投げだって、BBCは流さなかったよ。正月ずっと日本のテレビを1年ぶりに見ていたけど、大衆迎合的という欠点はあるけど、日本の テレビが今一番おもしろいんですよ。NHKBSなんて今すごくいいですよね。7時代のNHK1のニュースもいい。情報操作は今BBCがひどい。 オバマ大統領がフランス、ドイツの次の後回しで英国へ来たのに、 一番先に西洋で会った、とか、金融問題も嘘をついている。5年前の 郵政民営化の時のようなマスコミ状況に今英国がなっている。 一方の日本は、TBSとか民法もこの春からプライムタイムでニュース 番組になる。国会がくだらないから、くだらない報道だろうが、失業、金融 など、世界中で一番考えて、取り上げている 唯一の先進国だ、 という自覚だけは、日本在住のみなさんは持ってほしい。 日本が、世界より15年、先頭を行くことになってしまったんですよ、 世界大不況で世界がフラットになりましたから。 DECのアドを見ました。チャンネル4ニュースのあと、流してました。3ミニッツワンダーはいつも通りあったのでニュースの時間をけずったのかなと思います。スカイも放送を取りやめたみたいなのでBBCもひとりぼっちじゃなくて良かったね。もうひとりじゃないから、いっそやめればいいのに、やめるのを。 なんのための破壊かよくわからないほど徹底的に破壊された町。爆弾で破壊してブルドーザで平らにして上から土までかけているとか、果樹園の木を1本ずつ丁寧に根っこから引っこ抜いてるとか。地上軍の破壊があまりにもシステマチックで、そのわりに全然合理的じゃなくて目的がよくわかならいらしいです。と、そのアドで言っていたわけじゃないですよ、念のため。 小林さん、興味深い情報をありがとうございます。 BBCのいう公平性が何を意味するかが気になりました。 攻撃にあったガザ地区の惨事だけを目にすると、なんとか苦しむ 人達を助けたいという願いが生まれるのは自然なことですし、 私の中にも無論、そのような気持ちがあることは否定できない。 しかし、イスラエルをほぼ前面支援するアメリカの子分である イギリスの中には、「イスラエル様に義援軍をお送りさしあげて もっと攻撃するべきだ」とするような勢力もあるのだと思います。 そういうCoalition of willing からでてくるタカ派な意見を じゃあBBCで流して基金を訴えることができるかというと世論が 許さないわけです。そういう意味での公平性、つまり現在アメリカ を中心に強行姿勢を貫く親イスラエル勢力を宥め、黙らせておく 上での公平性として、反イスラエルというか、パレスチナ同調派 へのcold shoulder なのだと思えてなりません。 DECとしてはこの際、自分達のやっていることが正義だとか博愛 だとかいう大義名分を捨てて、本当にやるべきことのために、 イギリス中、いや世界中を、這いつくばってでも、「おせっかい」 のために尽くすべきであり、それができないのなら、傍観者に 戻るしかない。簡単な形で、テロリスト社会を援助する方法など ないのだという現実に気付くべきですね。 この映像は現在ここで見れる。 http://www.informationclearinghouse.info/article21846.htm CNN、ロイター、AP(AFP)通信等、大手メディア資本のトップはユダヤ系で、イスラエル主義者であり、イスラエル政府は常に情報戦略を採り続けている。 イスラエル人がテロで犠牲になると、必ず一面トップ記事、カラー写真付き。 パレスチナ人は毎月十数人は子ども達を何人も含め必ず殺されているのに、全く報じられていない。 この恐るべき報道の仕方はBBCも大いにそうだ。 P-navi infoというサイト(日本語)やパレスチナ情報センターなど、自分で調べればいくらでも分かることだ。 いかに平均年齢17歳のパレスチナ人への民族浄化と言える迫害、虐殺を世界中にひた隠しにしているかが・・・。 今回はいかにBBCがイスラエル政府、イスラエル主義者=シオニストの圧力に屈してきたかが世界中にばれるきっかけとなったようだ。 gurdianのサイトで見れました。内容は悪くないと思うが、BBC会長のコメントは、(どこで見たか忘れた)、元々DECがパレスティナ寄りなことと、(これが最重要)ハマスの資金源になる可能性を指摘していました。 この理由は重要と思います。ハマスには1円も渡したくありません。現状では資金的に困っていることはないようです。情だけで問題が解決するような当たり前の世界でないようです。 スギさん、ご指摘ありがとう。 また、トンプソン会長のコメントをいれず、みなさま、失礼いたしました。本文に若干入れておきました。 BBCが本当にジャーナリスティックな意味でこう決めたのか、単に官僚主義(あるいはポリティカリー・コレクト=PC)のためそうしたのか、あるいは実際にイスラエルを刺激したくないと言うことだったのか、判別できないですが、私は結構、単にPCだったのではないかと思っています。前に親パレスチナ報道で批判されたことがあるぐらいですから。 ちょっと乱入します。大変失礼ですがご勘弁ください。 > この理由は重要と思います。ハマスには1円も渡したくありません。 そもそも日本が米国にむしられた巨額の金が世界(特に中東)で戦争を起こして経済をブーストする資金に使われることについてはどうお考えですか。ハマスの一円を気にする前にそちらのほうを気にするのが筋ではないかと思いますが。 > 情だけで問題が解決するような当たり前の世界でないようです。 「ハマスには1円も渡したくありません」の主語がBBCなのか英国民なのかそれとも「スギさん」なのか、今ひとつはっきりしませんが、ここでは「スギさん」であると仮定してコメントさせていただきます(私にはそう読めるので)。 この「情だけで問題が解決するような当たり前の世界でないようです」というステートメントは正しいとは思いますし、ハマスがきれいじゃないことはそのとおりでしょう。だけど彼等には彼等の悲哀があるわけですし、それをいうのならまずイスラエル側に流れる巨額の資金のことを問題にするべきでしょう。 「情だけでは」とかそういうことをいって大人になった気がするのはわかりますけどね。ハマスに金が渡らなければ(イスラエル側に金が渡ってても)問題が解決するというわけじゃなし、どうにもこういう発言は人間性という観点から私には理解できかねます。 私は「スギさん」の様な発言をするくらいなら日本人はむしろ口出しせずだまっておくべきだと考えます。 そして日本の出来る最大の世界貢献は米国に金を不当にむしられつづけるのをやめることだと思います。 感情が先走ると 基地外な意見がまかり通りやすい一件ですな 踊らされるか非難されるかの違いでしかない >mikさんへ 見ていないのだから話にならない。どうせほとんどの在日日本人は気がついていなかったから、私は英国に帰国後真っ先にぎんこさんに会って 報告したのである。日本で会ったメディア関係、ネット関係の人もみんな 僕に反発してきました。時差ボケの私は夜中中ずっと、NHKのテレビディヴェートやNHkbsの早朝からのニュース、「朝まで生テレビ」など24時間見ていた。竹中平蔵や湯浅誠の出演も全部チェックした。もちろん 定額減税や給付金をもらうもらわないのくだらないことを民法はやって いた。 ぎんこさんと私の結論は、BBCの偏向は日本の 民放とはまた「違った」意味で偏向しているのではないか、ぎんこさんや 私のような6年以上の在英生活者、日本でのマスコミ勤務が20年ある 立場の人間にしか見えないだろう。なぜなら、われわれは送り手の立場 もやっていたから。先日も電話でこぼしたのは、こうした英国生活者の 実感、一市民の感想が、なかなかわかってもらえないことだ。言語の壁 ということもあるのだろう。 自由、民主主義とは何? さんが書いているように、ロイター通信はユダヤロスチャイルドの広報機関である。ファイナンシャルタイムズも同じ。 エコノミストもそうだ。ヒットラーがすでに1921年の「わが闘争」という本に英国のマスメディアがユダヤに乗っ取られていることをきちんと書いている。シオニストという言葉も既に使用している。 なぜかそうしたことは英国内で伝わっていない。英語の文献がないからだ。私は最近唯一見つけたのは、BBCの社員として1948年から2年勤務して言論弾圧を受けた、ジョージオーウェルのBBC告発メモである。 『1984』はほぼ彼がBBCでニュース原稿を書き換えるように弾圧された屈辱をはらしたものと読んでまちがいない。あのテレスクリーンが今のBBCだとすると、最近のBBCの事件は全部オーウェルが 60年前に予測していたとおりであり、別にいまさら大騒ぎすることもない。 ・・結局のところ、これがきっかけで、DECへの募金が巨額集まった・・・と。アイロニーですね。 英国で見ていると、この問題に関して冷静・沈着に語れる人は一人もいない感じがしますね。1人もー。そんな感じがします。 コメントを残してくださった皆様
不快感を感じられた方にお詫びします。 自分自身、それほど論議を呼ぶようなことを書いたつもりはないのですが+私自身の書いたものへの反論は(特にミスの指摘など!!!)大歓迎なのですが、どうもずい分と議論が遠いところに行ってしまった感じがします。 常に見ているわけにもいかないので、エキサイトが新たに導入した承認後の掲載と言う機能を使ってみたいと思います。 直接文句を言いたい、何か一言・・・という方は、これまで通りいつでもメールをご送付ください。 新しいサイトは2月上旬公開予定です。画像とコンテンツ作りにやっと取り掛かりました。これを機会にまとまった文章を書いて見たい方、「自分のこういう視点が他の媒体では出ていない」、写真を出したい方などなど、経験のあるなしに関わらず、ご連絡ください。
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