政治とメディア

日本も巨額支援―IMF

(以下、その後の調べで若干変わった部分があるので、「驚いた」という要旨はそのままなんですが、一部を変更してあります。)私の聞き間違いでなければ、G20ロンドン金融サミットで、国際通貨基金(IMF)の融資資金を拡充する件で、その内訳を聞かれたブラウン英首相は、中国が400億ドル、欧州が1000億ドル、日本が1000億ドル、と言ったようだ。「日本がIMFに1000億ドル」といったことに驚いた。(台湾、ルーマニアの記者からも「でかすぎないか」と驚かれた。)経済危機でこれほど払えるのだろうか?欧州(EU)で1000億ドルなのに、一国だけで1000億ドル???すごくでかい感じがするのだけれど、どうなのだろう。ほんのつぶやき。(追記:この1000億ドルの件は、ロンドンサミット前に決まっていたことを、後で知りました。コメント欄のゴンベイさんの説明をご覧ください。)参考:G20コミュニケhttp://www.g20.org/Documents/Fin_Deps_IFI_Annex_Draft_02_04_09_-__1615_Clean.pdf

 日本政府の説明は以下。:http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_aso/fwe_09/kokufuku.pdf

IMFに対する最大1,000億ドル相当の融資(2月13日にIMFとの融資契約に署名)
IMFの資金基盤を拡充し、世界的な金融危機の影響を受けた国に対しIMFが柔軟かつ積極的に必要な支援を行えるよう、IMFへの最大1,000億ドル相当の融資契約を締結。



サミット会場で見た、初めての生のオバマ大統領だったが、とても疲れている様子で、眠そう+風邪+ゆっくり話していた・・・。普段はきっと、きびきびしているのだろう。途中から、会見場を抜け出す人も出ていた。
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Tracked from ハズレ社会人 at 2009-04-03 15:33
タイトル : G20でタックス・ヘイブンの「ブラックリスト」公表が意味..
オツカレです。 裏のカネである麻薬・脱税のマネー・ローンダリングを表のカネに回すことで世界の金欠を防ごうというのか。... more
Commented by シャイロック at 2009-04-03 17:43 x
日本の外貨準備は1兆ドルぐらいですから特に問題ないかと思います。
むしろ積み上がりまくってる$の有効な使い道ではないでしょうか。
Commented by polimediauk at 2009-04-03 21:37
シャイロックさん、そうでしたか!ちょっと安心です。むしろ有効なことなのですね。
Commented by ゴンベイ at 2009-04-03 21:48 x
日本のIMF拠出については、中国人民元のハードカレンシー化の進展との絡みで注目していました。記事をきっかけに調べたところを報告します。

記事の記述に誤解があるようで予め整理しておくと、特別引き出し権(SDR)はIMFへの出資額に基づく借入れ権と出資額(総額に対するクォータ)に基づく借入れ限度額であり、他国に貸すことはできても直接拠出という方法はありません。SDR増額はIMF増資と出資額に対する掛け目の変更によらなければならず、増資とクォータの変更はIMFの投票権=決定権に関わる国際経済の権力闘争そのものであり、たった1日のG20で決定できるものではありません。

G20のIMF関係の具体的な合意内容はG20サイト内の"Communiqué Annex - Declaration on delivering resources through the international financial institutions "に書かれています。

増資とクォータの変更は5年ごとに見直され、直近の見直しは2008年に行われたばかりで、次回予定の2013年は今回のG20で2年前倒しして2011年までの実施で合意されました。(2011年というのは金融不況が始まった2008年の3年後であり、1929年に始まった世界恐慌がアメリカで底打ちをした1932年までの期間と符合します。)
Commented by ゴンベイ at 2009-04-03 21:50 x
(続き)
さて、日本のIMF拠出額1000億ドルの件ですが、これは2月のローマでのG7財務相会合の際に中川朦朧財務大臣の最後の仕事としてIMFストロスカーン専務理事と既に協定調印したものの再掲です。

日本政府と国際通貨基金との間の融資取極
 ttp://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/imf_210214.pdf

10兆円相当もの巨額な資金を予算手当てなしに行うことはできませんが、【植草一秀の『知られざる真実』: 憲法違反の外国為替資金特別会計】で批判されている外為特会のからくりを使うものです。外為特会は法でIMFなどの国際金融機関との資金勘定を一手に扱うと定められています。

■資金の流れと会計処理
>外国為替資金特別会計
   外国為替資金証券の発行により資金調達(負債計上)
     ↓
   債務証書の発行によりIMFへ貸付け(有価証券として資産計上)
>外国為替平衡操作
   カウント対象外
>外貨準備高
   おそらく非計上?

なお、IMFや世界銀行への出資は一種の国債である国際通貨基金通貨代用証券により行われ、同じく外為特会で負債計上されます。IMFへの出資の一部はIMFリザーブポジションとSDRとして外貨準備高に計上されます。
Commented by polimediauk at 2009-04-03 22:12
ゴンペイさん、

ありがとうございました。教えていただいたPDFによれば、「日本は、IMFに対して・・・1000億ドルに相当する額を上限として、SDR建てで貸し付けを行なうことに合意」した、ということですね。そのまま、お金が出るようなイメージを持っていましたが、ずい分違う感じです。1000億ドルの件そのものは、G20のワシントンサミットー昨年11月――で決まった、と英紙に書いてありました。

しかし、実際にお金・貸付が困っている国に届くまでのプロセスは、一見したところ、複雑ですね。ロンドンサミットで発表された数字は金額的にはでかいですが、中をよーく見ると、前に決まっていたことや、直ぐには実行されないものが結構あるようです。9月に米国で(ニューヨーク?)で、進ちょく状況を見るG20サミットがまたあるということですので、それを待たないといけないのかもしれません。9月時点でも、「まだ始まっていない」ということもかなりあるかも、です。
Commented by polimediauk at 2009-04-03 22:45
(ゴンペイさん、一部編集し、日本政府の説明を入れてあります。)
Commented by ゴンベイ at 2009-04-03 23:07 x
【ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 : 米国債の危機??(10年債利回り)と周小川の「SDR構想」】(2009年03月 26日)のコメント欄にもIMFの金の放出との絡みで少し触れましたが、これまで行われてきた国際的な通貨対策というのは結局は米ドルの流通量を増やすものです。
IMFの融資は政府との資金勘定はSDR建てですが、実際のやり取は個別具体のハードカレンシーであるドル・ユーロ・ポンド・円に置き換えられて行われるわけで、貿易市場シェアから見ればやはり米ドルへの交換が最大になります。短期的には米ドル需要を高めて、その分をアメリカがせっせと印刷して大量供給するわけです。
回転率が高ければドル価値はそれなりに維持されますが、大量発行のツケは溜まるばかりで、米ドルの紙屑化の歩みを押しとどめることはできませんね。

この記事がきっかけで勉強し、今まで自分の中であいまいであったことが随分整理ができました。お礼を申し上げます。

(なお、私のハンドルをローマ字で表記するとGONBEIであってGONPEIではありません。)
Commented by ゴンベイ at 2009-04-03 23:13 x
>シャイロックさん
私も日本の拠出1000億ドルの財源に外貨準備の米国債を当てるのかと思っていましたが、現時点で1000億ドルも売却したら米国債相場どころか米ドル相場も暴落してしまい、これはありえないと考えるようになりました。また、IMFへの貸付に外貨準備を流用すると、非譲渡性証書で行われる貸付は市場流動性がないので外貨準備高に計上できず、残高の1/10があっという間に消滅することになると思われます。

対 IMF関係の資金が外為特別会計で扱われていることを知り調べたところ、外国為替平衡操作いわゆる為替介入用の資金として用いられる外国為替資金証券の発行限度額140兆円で現在約40兆円の余裕があり、1000億ドルに相当する約10兆円はここからまかなうものと思わざるを得ません。(なお、外国為替資金証券は基本的に全額日銀引受であり、金融市場への直接的影響はありません。)

※ 一部修正のうえ再コメントです
Commented by polimediauk at 2009-04-04 09:12
ゴンベイさん、すみません、字を間違えておりました。

しかし、この件で実際にお金がどういう風に流れるのか、考えてみたことがありませんでしたが(!)、注目したいと思います。
Commented by 三田村功 at 2009-04-06 08:05 x
 ある代議士さんが、米国債を貸し付けて、それを担保にIMFがお金を借りるんだよ、と云ってますね。市場に出したら暴落してしまうので、日本・IMF・アメリカだけでやり取りしておく、それを破たん寸前の国に制御できるかたちで貸し付けてゆく、できると踏んでいる、できないと困る。困りそうだな。あ、いやいや。

 ああ、もちろんその代議士さんがウソついてる、ないし騙されてしゃべらされている、なんて可能性もありますけど、動機が思いつきません。
 アメリカにすれば米国債とドルの暴落が起きない形をとる限り、いくらでもばらまいてかまわないですからね。ただ輪転機を回す口実が必要。日本がそれを提供し、瀕死の世界経済を保たせようとしたわけでして、G20で欧中も出すことにしたのは幸いなこと(というか、もっと中国出せるんじゃない?)。一人だけで損することはなくなりましたから。
 国富が失われるのは腹立たしい、という人もいますけど、戦争に金がいるように平和には金が必要なんだ、という考えもあるのでは。戦争より疲弊する平和と云うのもあり得ますよね。でもまだそこまでいってないし。
Commented by polimediauk at 2009-04-09 06:53
IMFは、世銀同様、ずい分批判されていましたよね、近年。米国型資本主義を押し付けてきた、と。開発途上国に。今また沢山資金を増やし、「お説教」を続けることになるのでしょうか。IMFなどの国際金融機関のトップを米国中心でなくする、ということも今回の宣言の中に入っていましたが、本当にそうなるといいなと思います。
Commented by ゴンベイ at 2009-04-11 02:39 x
Bloomberg/金融新時代へ米国主導終焉 G20、オバマ大統領が融和路線
 ttp://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200904040028a.nwc

米ドルに代わる世界基軸通貨にSDRを押しているスティグリッツとバーグステンのコメントが載っています。
G20で合意されたIMF出資増資とクォータの変更見直しが前倒しされた2011年に変動相場制移行後最大の変革がなされる予感はますます強くなっています。
Commented by 三田村功 at 2009-04-12 07:59 x
『IMF緊急融資枠構想、G7で提案へ…新興・中小国向け』(読売新聞 2008/10/10)

という記事の中で、

『「中川構想」は、資金供給の最終手段を用意することで、こうした新興市場国や中小国の不安をやわらげ、国際金融市場の緊張を緩和する効果を期待している。

 構想では、資金の使い道を銀行の資本増強策など、金融システム安定化に限定する。金融機関の健全化に向けた工程表である「金融再生プログラム」(仮称)を策定することだけを融資条件とする。融資審査を通れば、貸し付けに上限額は設けない方針だ。これらの措置により、自国の金融機関の経営悪化に悩む新興市場国や中小国がIMFから資金を借りやすくする』

 とかいてあります。その後2008/10/24のブルームバーグで、
Commented by 三田村功 at 2009-04-12 08:00 x
『国際通貨基金(IMF)は新興市場国の経済崩壊を回避するため、加盟各国の出資額に対して最大5倍まで融資する前例のない方針を検討している。

  IMFはいわゆるハードカレンシー(主要国通貨)建て融資の供与を検討している。期間は3-6カ月で、融資を受ける国に政策変更は求めない』

 とあり、日本(中川さん)は、(融資を約束する代わり)財政再建最優先のIMFの方針に転換を迫ったようです。まあ、ちょっとは変わったかも。とはいえ、上の上限を超える国に対しては相変わらずですが。

 ネットでは、「こんなやり方では貸し倒れになる!」「担保とれ!」と云う意見もあります。
Commented by アルルの男・ヒロシ at 2009-04-12 09:36 x
小林さん、先週のFTの水曜日と木曜日のマーティン・ウルフとフレッド・バーグステンの寄稿は読まれました?米国が中国を抱き込んで、米国債暴落を防ごうとしていることがわかりますよ。
Commented by polimediauk at 2009-04-17 21:17
ヒロシさん、
http://www.ft.com/cms/s/0/5c81651a-23a4-11de-996a-00144feabdc0.html
でしょうか?What the G2 must discuss now the G20 is over

少し前に、ウルフさんを含めたパネリストを呼んでの、日本関係の団体が主催したイベントがありました。すごく盛り上がっていたのですが、その中で、ウルフさんが西欧経済はこれからすごいことに(悪化)なってゆく、と非常に脅しているかんじがありました。そして、日本と中国が悪いというようなことを言っておりました。もっと国民がお金を使い、借金をするべきだ、と。貯金ばかりしてはいけない、と。特に中国に何とかして欲しいと思っているようですね。何だか勝手だなあと思って聞いていました・・・。
Commented by elmoiy at 2009-04-18 16:41 x
フレッド・バーグステン氏に関しては、ブログにこんな記事が出ています。

ttp://geopoli.exblog.jp/10689505/
中国案を大歓迎するバーグステン
Commented by ゴンベイ at 2009-04-27 15:28 x
4月25日のG7共同声明
 www.mof.go.jp/english/if/g7_090424.pdf

朝日新聞:IMFの資金基盤強化で合意 初めて債券発行へ
 www.asahi.com/business/topics/economy/TKY200904260126.html
↑ IMF関係について包括的で分かりやすい解説。

G7こうみる:IMF活用の影に米債売りリスク | Reuters | 2009年 04月 25日
 jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnTK026562320090425
>声明で国際通貨基金(IMF)について、資金拠出など具体的で明確な言及があったことに関心を持った。
>IMFへ拠出する各国資金の財源が問題だ。日本は外貨準備での拠出を決めており、ユーロ圏もその方向にあると見られている。実際に新興国などで危機が発生し、IMFへの資金拠出が行われる段階になったら、外貨準備で保有されていた米国債が売られるリスクに、市場の目が向き始める可能性がある。その際の金利上昇はドル安リスクをはらむ。
Commented by ゴンベイ at 2009-04-27 15:29 x
(続き)
ロイター記事でもNAB(新規貸付制度)と出資の別が必ずしも明確ではありませんが、執筆者はNAB資金用に米ドル国債が当てられると見ているように思えます。三田村功さんのコメントにあるように「米国債を貸し付けて、それを担保にIMFがお金を借りる」のかどうか、財務省の外為特別会計は年度決算でしか情報公開されないので、月次の外貨準備統計やIMFのBSで調べてみたいと思います。

さて、IMF出資増額決定は2011年に向けての課題とG20はスコープ設定し、G7ではIMF出資総額を現在の倍にあたる最高$250 billion general SDR増加を目標にしたわけです。
現行のIMF出資ルールは「(SDR建て出資額の)25%まではIMFによって指定された準備資産(SDRまたは利用可能な通貨)、残りは自国通貨(国債)で払い込まねばなりません。」。
出資割当額(クォータ)の変更は当然の大問題ですが、これだけでなく、出資時の対SDRレートも影響しますし、日中をはじめとするアジア諸国が外貨準備として溜め込んだ米国債による出資を増やしたければ、その結果がどうなるのかを考慮した上で出資ルールをどうするのか、各国が様々な利害の上に厳しい交渉を行うことになるのでしょう。
by polimediauk | 2009-04-03 08:43 | 政治とメディア | Trackback(1) | Comments(19)

ジャーナリズムの話いろいろ+欧州事情も


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