日本関連

BBCのQIをどう考える?②それでもまだ信じられない人は、「アワ・マン・イン・アビコ」をご参照に

 前回、BBCのQI問題について書いたが、「私なら笑って、無視する」という表題や内容に、疑問や怒り(場合によっては)を感じた方が結構、いらっしゃるかもしれない。

 ある意味ではシンプルなことを、いかにそれがシンプルで、他愛ないことであったかを説明するために、汗をかいてしまうーそんな状況に私たちはいると思う。

 どれほど、「このクリップに関しては、大きく抗議するほどのことではないよ」「私はそう思うよ」と言っても、「被爆・原爆をコメディー番組のトピックにしたこと自体がいやだ」という感情は消えないだろうし、「第一、君(=小林)の判断力はちょっとおかしいんじゃないか」と、思う人も結構いらっしゃると思う。

 そこで英語ブログ「アワ・マン・イン・アビコ」の話になる。日本に住む英国人男性が書いたものであるようだ〔最後にアドレスをつけている〕。

 このブログの優れたところは、これが「英国人が」書いた部分(英国人――英国国籍保持者――のみが、今回のクリップの意味が分かる、と自動的に考えるのは、これはこれで必ずしも正しくはないが、まあそれは脇において)というよりも、もちろん、「英国人=英国のユーモアやもろもろが分かる」という部分は重要なのだが、それ以上におもしろいのが、この書き手が、自分の妻(=日本人)の母親、つまり義理の親に,事態を説明する、という部分である。

 その母親は読売新聞やテレビを見てニュース情報を得ている。

 そんな彼女に、いかに分かりやすく、的をついた返事をするか、そして、ここが肝心だが、「家族の一員として正直に、誠実に答える」必要に迫られる。

 ・・・まあ、やや深読みかもしれないが、非常におもしろい状況ができたわけである。

 こうして、この男性はーーすこしフィクションが入っているのかもしれないけれどもーー義母に、説明しだすー。

 私も、もし自分の日本の家族に聞かれたら、どうするかなと考える。うそはつけない。正直にかつ、わかりやすくなければならない。私の答えは「アワ・マン・イン・アビコ」のようなことになるだろうーー家族は「ふーん・・・」(でもなんだかよく分からないなあという反応)になるかもしれないが。

 メモ魔さんが読みやすく翻訳してくれている。良かったら、ご参照願いたい。
【ブログ翻訳】「私は如何にして心配するのを止めてQIを愛するようになったか」(Our Man in Abiko)
http://nofrills.seesaa.net/article/182228183.html

***補足〔長い!)

 他の方のブログやツイッターでもうご存知かもしれないが、英国でQIは人気番組の1つだけれど、あえて見ない人もたくさんいる。見るに値しない(十分なギャグがない、司会者が嫌い、下品など)と思ってチャンネルを合わせない人がたくさんいると思う。なので、「誰もがこの番組を愛し、ジョークに笑っている」わけではない。〔また、今、問題にしていることとは直接関係ないかもしれないが、私個人が見ることはほとんどない。理由は、著名人・知識人の司会者と彼にお世辞を言わざるを得ない周りのコメディアン・出演者たちとのくっつき具合が見苦しいから。家人はよく見ているようなので、男性には受けるのかなと思う。あくまで個人的嗜好の問題かもしれないが。)

 それと、被爆・原爆をジョークのトピックとして使うこと自体に、不快感を感じる、悪趣味と感じる人も、過半数ではないかもしれないが、結構いると思う。調査したわけではないので数字は分からないけど。家人ーー戦後生まれ、初老、日本居住経験10年以上ーの例を出せば、「QIの原爆を扱ったクリップ」と聞いただけで、「見たくない」と言ったーーただ、後で、日本軍による戦中の捕虜の「残酷な記事」を新聞で見つけ、私に持ってきた。また、知人の英国人たちと話していて、原爆の話になると、「本当にひどいことでしたね」とよく分かっている人が結構いる。英国人全体の話ではもちろんないが、「少人数でも、分かっている人は分かっている」し、日本に対する敬意は漠然とだがあるように思うー国の話をするとすれば、だが。(きりがないので、とりあえず、終。)
 


 
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Commented by みどり at 2011-01-25 08:17 x
ぎんこさん、YOU-TUBE見てきました。BBCのはほんとになくなっちゃってるみたいだけど別のが立ってる。これじゃ切りがない。そしてまた吐き捨てコメントが書かれてます。前よりひどい。でたらめ報じている日本のニュースも削除したほうがいいんじゃないかな。恥ずかしいから。

このあいだ、前のQIの動画につけられたコメントを読みながら息子が言ってたんですけど、なぜ日本の人は普段はおとなしいのにネットになると暴力的なのかって。かれの年齢(十代)の子たちのやりとりでヒートすることがあっても、日本人が日本語で書くコメントほど口汚くはならないって。アメリカ人はたまにそうだけど、日本人はほとんどだねと。これはわたしも不思議。

この前のQI動画のコメントの中から息子が拾ったコメント。ある人が書いたザイトク会の人に対する返答。内容は「おまえたちみたいなレイシストは大嫌いだ。おまえらはイギリス人と同じだ」。コメディファンの息子が傑作だと感激してました。息子に言わせるとQIは教育番組だそうです。ためになっておもしろいが、コメディにしてはジョークが少な過ぎだそうです。

BBCに謝罪させて日本人は幸せになったのかしら。
Commented by polimediauk at 2011-01-25 08:25
みどりさん、

含蓄のあるコメントをありがとうございます。

動画が削除になったので(ほかではまた見れるようになっているんでしょうけれど)、なんていうか、いろいろ私が解説しても、なんだか全く意味がなかったな、という感じです。徒労感。いろいろと、ノーテンキに、でも、QIを知らない人のために、良かれと思って書いてきたのですがー。事態はもうどんどん、進んでいたわけです。

なんか今、言葉を失っていますーBBCのQIについて、日本語で語ることに。

気分転換して、また前に進みたいと思っています。

「BBCに謝罪させて日本人は幸せになったのかしら」=含蓄ありますね。
Commented by みどり at 2011-01-25 16:42 x
ツイッターやってないのでこっちに書きますね。捕虜問題。ずいぶん前に元捕虜の手記の映画化を検討していて調べたことがあるのです(実現しなかった)。

英国人捕虜問題はイギリス人自身にとってもトゲになっているので、どういう発展のしかたをするかわからなくて心配。というのも、英国にとって先の大戦の主戦場は欧州で、欧州での戦闘が先に終結した。日本軍捕虜は戦勝に沸く本国に遅れて帰国したため、自らが抱える悲惨な体験を周囲と共有できず、孤独のうちに生き、死んで行った人が少なくない。これがイギリス人にとってトゲになっている。

イギリスはずっと戦争をしている国。つまり常に新しい戦死者と傷痍軍人がいるわけで、軍人に対する敬意は日本人には想像できないだろう。反戦市民だって兵士には敬意を払うし、在郷軍人会も強い。特にいまは不人気な戦争を続けなければならないので政府は軍人に強く出られない。

このふたつの要素が化学反応したら何が起きるかわからない。住みにくくならないといいなあと余計な心配をしてます。
Commented by polimediauk at 2011-01-26 21:49
みどりさんー戦争のこと

これは本当にそうですね。まあ、BBCのQI問題は英国ではメインのニュースになっていないので、あまり認知されないとは思いますが、もし大きく報道されていたら、皮肉の1つ、2つ、浴びせられたかなとちらりと思います。

英国は本当に常に戦争していますね。ほんとーに、いつも、日英の議論がかみ合わない理由の1つは、この点かもしれません。今、実際に、人を殺したり、殺されたりしている国、英国ー。
by polimediauk | 2011-01-24 19:39 | 日本関連 | Trackback | Comments(4)

ジャーナリズムの話いろいろ+欧州事情も


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