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お知らせ:「エコノミスト」にウィキリークスの経済リークの記事+補足

 c0016826_362359.jpg今、発売中の「週刊エコノミスト」最新号が「ウィキリークスと内部告発社会の本格化」という特集を組み、その中に、経済リークに関する記事を出しています(いけだよしこさん、リサーチ協力)。
http://mainichi.jp/enta/book/economist/

 特集のラインナップはこういう感じ。
―政府情報だけではない 社会装置化する「内部告発」 ■塚越健司
―ウィキリークスに狙われたグローバル企業 ■小林 恭子
―会社対応の趨勢は「もみ消す」から「公表」へ ■山本 智之

 塚越さんの記事の一部は、サイトでも読めるようになっている。
http://mainichi.jp/life/money/kabu/eco/summary/news/20110210org00m020011000c.html

―ウィキリークスの是非の判断は?

 「白か黒か」とすっぱりと割り切れるものではないだろうが、昨年末ぐらいの段階で、ウィキリークスを持ち上げる人がいる一方で、ウィキリークスは「やっぱりいかがなものか」「秘密をドンドン暴露するなんて・・・」「むやみに機密を外に出すやつ=悪役」的な見方もまた、日本では多かった感じがする。

 そこで私が、ビジネスマンが読むであろう「エコノミスト」に経済リークの原稿を書いたとき、リークの具体例を出すだけでは、「得体の知れない悪いやつ」的な見方が消えないような気もした。

 私の記事は、今年早々に公開予定とされた大手米銀バンクオブアメリカ(バンカメ)に関する経済リークの話で終わるのだが、若干、それに付け加えるとー。

 ***

 最後に、その活動に対して評価が分かれるウィキリークスだが、判断材料として機密暴露の目的を見てみたい。

 2010年11月、米フォーブス誌による取材で、ウィキリークスの代表ジュリアン・アサンジ氏は大手米銀(バンカメと想定されている)のリークを行う、と話していた(その内容は日経新聞が全文を和訳してくれているーアドレスは最後に)。
 
 問題の米銀には「言語道断な法令違反や倫理にもとる行為」があったという。アサンジ氏は、類似の案件として、巨額の不正経理・不正取引が明るみに出て、2001年12月、破綻に追い込まれた米エネルギー会社エンロンを挙げた。

 「自分の情報を漏えいして欲しいと思えるような人間はいない」「内部告発されるのはつらいことだ」とアサンジ氏は発言し、内部告発により組織の不正が明るみに出ることで、「業界全体の利益、とりわけ優良企業の有利になる」と述べた。活動目的として社会的正義の実現を考えているー願っているようには進まないこともあるだろうが。

 為政者や組織の不正行為を報道によって明るみに出すのがジャーナリズムの目的の一つとすれば、この目的を共有し、リークによる一次情報をネット・サイトから世界中に発信するウィキリークスは、ジャーナリズム・ファミリーの一員となるだろう。

 アサンジ氏の素行(スウェーデンでの性犯罪容疑など)やウィキリークスの内情を語る暴露本(元の腹心による本や、ウィキリークスと共同作業を行ったガーディアン記者らによるものなど)がどんどん出て、理想だけではない部分が分かってきたが、それでも、一つ仕組みとしてのウィキリークスの意義はあろうと思う。

参考:日経新聞に掲載された、米フォーブスによるアサンジ氏へのインタビュー記事
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E2EAE2E0938DE2EAE3E0E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2
 
追記:編集部の方が送ってくれた「エコノミスト」が今日〔15日)届く。早い!!ウィキリークスに関する、塚越健司さんの記事を読む。以下、一部引用:「アサンジ代表は米『タイム』でのインタビューの中で、今後の組織について述べている。『不正を行っている組織には2つの選択肢しかありません。1つは組織を改革し、誇りを持って仕事を公開できるようにするというもの。もう1つは、内から鍵をかけて外部から遮断するというものです。』。もう一つの引用:「社会が内部告発化しているという認識が不可欠である。そしてまた、企業は頭を切り替え、不正が生じにくい透明性の高い組織体制を構築するよりほかはない」。
 
 また、編集部の山本智之さんが、日本の状況を詳しく書いている。

by polimediauk | 2011-02-14 03:06 | ネット業界

ジャーナリズムの話いろいろ+欧州事情も


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