小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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グアンタナモ収容所で自殺者が


 キューバにある米グアンタナモ基地の収容所には、米国がテロ容疑者と見なす460人が拘束されているが、BBCによると、3人の拘束者たち(サウジアラビア人2人、イエーメン人一人)が自殺したそうである。首吊り自殺だった。

 米軍によると、自然発生的な自殺でなく、計画された自殺だった。収容所での自殺が発表されたのは初めて。

 衣類とベッドのシーツを使っての自殺だった。4年前にテロ容疑者を拘束するようになってから、25人の拘束者たちによる41回の自殺未遂があった。

 基地の米軍司令官は、自殺は絶望からではなかった、としている。自殺者達は「スマートで、創造力があり、committed(信念を持つ、と言う意味合いか?)。私たちの、及び自分たち自身の命になんの思いもない。絶望からの行為ではなく、私たちに対する戦争行為だ」。

 ブレア首相の広報官は、自殺を「悲しい出来事」として、調査の結果を待つべきだ、と答えているようだ。首相は、かつて、グアンタナモを尋常ではない状態、と述べたことがある。

 今月上旬、ブッシュ大統領は、グアンタナモを閉鎖したい、と述べている。「もし外に出せば、米国や世界中の市民に重大な危害を加えるかもしれない人たちも中にいる。米国で裁判をするべきだ」と語ったと言う。

 BBCのウエブサイトにはメッセージを残せるようになっているが、これを悲しい出来事としている人もいたが、米国からのメッセージで、刑務所で自殺をする人は必ずいるし、これが初めての自殺のケースなら、むしろ少ないぐらいだ、グアンタナモを支持する、と言う人もいた。

 これが一気に、グアンタナモ収容所閉鎖への道を開くのだろうか?



http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/1/hi/world/americas/5068228.stm
by polimediauk | 2006-06-11 07:36 | 政治とメディア