小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


by polimediauk

日本の防衛庁長官のイラク発言


 ・・・といっても、私が裏の情報を知っているわけではない。

 ただ、ウエブで日本のニュースを読んでいたら
久間防衛庁長官 「イラク開戦支持」見解で訂正
 久間章生防衛庁長官は8日午前の記者会見で、政府がイラク戦争に支持を表明していることについて「私は『早まったんじゃないかな』という思いがその時(開戦当時)もしていた。個人としては今でもそう思う」と述べ、当時の政府見解に疑問を示した。
 久間長官は会見で、米国が開戦に踏み切ったことに理解は示しつつも「終戦処理の仕方をもう少し詰めておくべきだった」と指摘。イラク国内で激化している宗派間対立を招かないための計画を事前に立てたうえで開戦に踏み切るべきだったとの認識を示した。
 久間長官は03年3月のイラク戦争開戦当時、自民党政調会長代理として「後世の歴史家は『あの時だけは米国は間違った判断をした』と指摘するんじゃないかと思う」などと発言していた。
 ただ、7日の参院外交防衛委員会で米軍のイラク戦争をめぐり「政府として支持すると公式に言っていない」と発言したことについて久間長官は「政府として閣議決定で談話を決めているので、公式な見解だったんだと思う。『公式でなかった』というのは私の間違いで、認識不足だった」と述べ、発言を訂正した。【山下修毅】
(毎日新聞) - 12月8日17時16分更新


 という記事に出くわした。

 随分正直な人だなあと思った。(前半部分。)

 戦後処理の仕方への批判にせよ、間違った判断の部分にせよ、英国でも政府閣僚が言うことはないが、それでも「ほぼ定説」になっている、と言っていいだろう。耳にタコができるぐらいの定説。常識。立場上言えないことはたくさんあるだろうが、本当に本当のこと(=事実、真実)が言えなくなったら、さぞつらいだろうと思う。

 これからどっちの方向に議論が展開するのだろう?
by polimediauk | 2006-12-09 08:41 | イラク