小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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英メディアが伝える捕鯨事件

 日本の捕鯨船にオーストラリア人が「拘束」されている件で、こちら英国でも夕方のニュースから聞き出したところ、注目度が高い。と言っても、トップニュースではないが。

 まず、議会(上院)で議論されたのだ。そのニュースを夜遅い時間にラジオで聞いた。「日本側は拘束者に危害を加えないと言っている」というコメントが、ニュース内と、上院議員の説明の中にあった。「危害を加えない」・・・って???まるでイランかどこか、「悪者」、「危険な奴ら」につかまった、とでも言うニュアンスだ。一体何故危害を加える必要があると言うのだろう。そう思うこと自体が失礼だなと思った。まあ、そういう風に見ているのだろうーー。

 議員は、「調査捕鯨と言っていますが、全く何の調査書も出していないんですから。それで、鯨肉は日本のレストランに行くわけです」。調査書はともかくも、レストランに行くっていうのは事実なんだろうけどね。「ビジネスのためにやっている」と言いたいのだろう。

 英メディアに関する限り、日本は完璧に悪者で、その、いかにも、「日本=悪者」的報道が、あまりにもストレートで、驚いてしまう。ニュース報道の客観性はどっかに飛んでしまっている。

 日本の外務省の人が、BBCラジオ4のPMという番組に出演し、一生懸命説明していた。

 もし日本・日本政府がこの件で、自分たちが正しいと思うなら、外のメディアにこうやってどんどん出て、きっちりと説明していくしかない。


 明日以降も、どんどんエスカレートしそうだ、「日本=悪者」報道が。

 しかし、日本もどうしてここまでしてやらないといけないんだろうー。こんなこともふと思う。海外に住む日本人の勝手な思いだろうか。

(以下、ヤフージャパン参考)

日本の調査捕鯨船に豪連邦裁判所が操業停止命令
1月15日23時44分配信 読売新聞


 【シドニー=新居益】オーストラリア連邦裁判所は15日、同国が国内法に基づいて南極海の一部に設定している「クジラ保護区」で、日本の調査捕鯨船がクジラを殺傷しているのは違法だと訴えた豪動物保護団体の主張を認め、日本船に操業停止命令を出した。

 日本政府は判決を拒否し、捕鯨を継続する方針だ。南極大陸の一部に領有権を主張する豪州は沿岸海域に排他的経済水域を設定。同水域を「クジラ保護区」と定め、クジラの殺傷を禁止している。

最終更新:1月15日23時44分

捕鯨反対の米活動家引き渡しへ、水産庁が手続き
1月16日14時21分配信 読売新聞


 南極海上で15日、日本の調査捕鯨船「第2勇新丸」を妨害するため、同船に乗り込んで拘束された米国の環境保護団体「シー・シェパード」の男性活動家2人について、水産庁は16日、団体側に身柄を引き渡す手続きに入ったことを明らかにした。

 同庁によると、2人が同船に乗り込んできたのは、日本時間15日午後4時ごろ。2人は船員に抗議文を手渡したが、その後、拘束された際も抵抗はしなかった。水産庁所管の財団法人・日本鯨類研究所では「2人に危害を加える意思がないことが確認された」として、16日未明から、電話や電子メールを通じて同団体側に2人を引き渡す意向を伝えているが、団体側から回答はないという。

最終更新:1月16日14時21分

by polimediauk | 2008-01-17 09:22 | 日本関連