小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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BBC英語サイトのブロックを、中国が解除 

 ネットワークソリューションズとサイト閉鎖のことを考えていたら、BBCニュースの英語版サイトに対する、中国政府による封鎖・ブロックがなくなった、という記事が出ていた。

 http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/7312240.stm

 中国政府は、BBCニュース英語のサイトを中国にいて読もうとするとき、情報によっては読めないようにブロックをかけていたことを、「正式には認めていない」と言う。しかし、BBCが実際に中国にいる人に聞いたところでは、ネットカフェなどからアクセスしようとすると、場合によっては、エラーメッセージが出ることがあったのだという。

 それが今、自由に読めるようになったようで、「喜びの声」がBBCスタッフやユーザーから届いているのだという。

 一方、中国語版のBBCニュースサイトは1999年からできたけれども、これにはまだブロックがかかっているという。

 (中国だけ、特別だと思うだろうか?私は日本にもブロックがかかっていると思う。個人的に経験したことはないけれど、別の分野での「情報締め出し」に遭遇している。たとえば携帯電話である。機種によっては大丈夫らしいのだけれど、普通に欧州で使っていて、「世界中で使える」という携帯電話を日本に持ち込むと、使えないことがあるのだ。機種が違うからしょうがない、と思うだろうか?そうかもしれない。では、クレジットカードはどうだろう?私は成田エクスプレスのチケットをネットで買おうとした。クレジットカードの登録をネット上でしたら、すぐOKになった。カードは英国の銀行のもので、海外で使えるもの。これでいくつもの国に出かけたし、お金も引き出したことがある。ところが、実際に買う画面になると、「このカードはおかしい」というメッセージが出るのである。後で、ふと思いついて、日本で発行されたカードに変えてみた。すると、すぐネットでチケットが買えた。他にも同様のことがあった。トルコでさえー「さえ」と言ってはまずいかもしれないがーー使えたカードが。どこかで何かが「閉じた空間」になっているようなのだ、日本は。私が思いつくのはクレジットカードとか携帯電話程度。でも、どこかで情報が閉じられている、ということはないのだろうか?ふと、思ったりするのである。すばらしい国、知的な人がたくさん住む国日本なのだが。知らないうちに、ある情報が(故意に)与えられていない、ということはないのだろうか?)

(追記)後で思ったが、欧州(+他の数カ国)で使っていた機器を日本に持っていって使えなくても、ただ単に「違うシステムを使っている」というだけ、という可能性もないわけではない。

 
by polimediauk | 2008-03-26 07:45 | ネット業界