放送業界

雑感 BBCの成り立ち+毎日英文事件+報道の偏り

 マッドマンさんから、BBCに関する良い資料のことを聞かれましたが、成り立ちの経緯に関しては、前に、「XREFER」(今は別名http://corp.credoreference.com/index.php) という検索資料サービスの会社があって、調べものをしていた時、無料サービスで利用したことがあります。その時の説明が頭に残っているのですが、プロパガンダみたいな部分はずっとある感じがする、というと言い過ぎでしょうか。つまり、どこからどこまでをプロパガンダと考えるのか?パブリック・ディプロマシーという考え方がありますよね。ブリティッシュカウンシルも、決してプロパガンダではないけれど、広い意味でパブリックディプロマシーの一環と聞いたことがあります(取材にて)。BBCのとプロパガンダの関係、政府の関係はまた後日、書かせてください。

 調べ物をした時のBBCに関する資料を全部持っていなかったので、トライアルで申し込んで見ましたが、これがOKになれば、また見てみようと思っています。衝撃だったのは、放送の歴史そのものです。結局、米英が主導を取ったので、これが英語を世界中に広める役目を果たしたという表記がどっかにありました(記憶がたよりですが)。この箇所を読んだとき、驚愕したのを覚えています。

 BBCの発音ユニットに関して調べた時に、ずい分資料を集めたのですが、本が書棚の後ろにあって取り出せないので(!!)、また後で時期を見て書きます。BBCの資料はBBC Written Archives Centreというところが、ロンドンからは遠いですが、ありますね。なかなか使いにくい場所ですが、特定の調べ物がある場合は、申し込むと数週間先に資料を見せてくれます。

 BBCの成り立ちに関わる本で有名なのはAsa Briggsという人が書いたものがありますね。私は大英博物館でページをめくって、あまり参考にならない感じがしたのですが(政府との対立を調べていた)、それでも、The History of Broadcasting in the United Kingdom, 1996 OUP, A Social History of British Broadcasting Volume One 1922-1939 P.Scannell & D. Cardiff, Blackwell 1991, History of the BBC Engineering 1922-1972 Edward Pawlyer, BBC 1972, The BBC: The First Fifty Years, Asa Briggs, OUP 1995, The BBC: 70 Years of Broadcasting John Cain, BBC 1992 。これはアーカイブセンターの推薦です。私が読んだわけではありません。あと、スティーブ・バーネットという人が(ウェストミンスター大学教授)がいろいろBBCに関して本を書いていますね。

 BBCのウェブサイトでAbout the BBCというところなどからも、オフィシャルなものにはなりますが、歴史に関する情報が結構盛りだくさんです。

 ジョージオーウェルが書いたBBCに関する本というのは初耳でした!探してみようと思っています。

 9・11テロとBBCの関係はどうか?私は陰謀説よりも、BBCがへまをしただけ、間違えただけでは?と見ています。証拠はないんですが、英国でBBCにしろ、他の会社にしろ、政府にしろ、結構へまが目に付く感じなので。

 90年代とアングロサクソンの件ですが、資本主義の崩壊を書いた本がこっちでベストセラーになっていますよね。(確か米国人が書いたもの。)資本主義の考えだけではやっていけない、ということでしょうか。

マイマイさま

―毎日新聞の英文記事の件、すごいですね。こんなことになっているとは全く知りませんでした。バベルという映画も初めて聞きました。ここに再度貼り付けておきましょう。

http://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/1.html

 直感で???と思ったのは、「毎日新聞は一体どうなっているのだろう?」ということでした。なぜ新聞が?そして何故わざわざ英語で?私は週刊誌に載ったさまざまな情報が英語で発信されること自体に反対はしませんが、「何故毎日新聞なのか?」「なぜ苦情が来るまで何年も続いたのか?」「編集部内で、声を上げる人がいなかったのか?」が気になります。毎日新聞が日本語で載せられないものは英語でも載せるべきではないはずなのです。2重基準が気になります。一体どんな目的で載せていたのか?読者を増やしたかったのか?それほど困っているのかどうか?担当者は外国特派員クラブで、ぬいぐるみを着て会見をしたこともあったようですね。とすると、「欧米人の天国」という日本の側面を利用した動きだったのか?日本は悪用されてしまったのかどうか。

 英語での発信だったことで、海外での日本人に関する評判が悪くなる、悪くなったのではないかと心配する人もたくさんいるでしょう。残念ですが、ここまでどぎつくはないにしても、英国の新聞を読むと、奇妙な話、日本を矮小化する話は時々載っています。これは日本だけに限らないのですが、「外国の壁」かかも分かりません。知らないものに関しては、偏見が出ますからね。関心が低い国に関する報道を、多くの人に読んでもらうには奇妙でどぎつい記事を書かざるを得ない特派員もいるでしょうし。といってもこれは外国の新聞の話であって、毎日新聞の体制には大いなる疑問です。

庶民様

 英メディアの日本に対する扱いは厳しいのではないか?これを本当に証明しようとするとたくさんワード数が必要になるのかもしれませんが、私の見たところでは、そしておそらく多くの在英日本人が感じるように、一言で言えば厳しい、ということになるかもしれませんね。しかし、アイルランド、フランス、ドイツ、他の外国、およびEUに関しても厳しいというか、ステレオタイプ的記事が多いですよね。英メディアが好意的に報道する、英国にとっての「外国」はないかもしれません。また、少数民族に本当にフェアな報道もないかもしれません。書く側が知らない・情報が足りない場合や、デスクが「こういうアングルにして欲しい」と記者に要求することもあるでしょう。そのアングルは実際とはかい離している場合も。複雑な要素がからみあうようです。クールに対応したいものです。

 追加:それと、(1)外国メディアの報道だから日本に厳しいとは限らないのです。頭からそう決めてかかると、物事の本質が見えにくくなります。下のpfaelzerwein さんのコメントをご覧ください。私自身、「視点の相違」の件、失念しておりました。非常に重要な点です。(2)英メディアに関して言うと、一般的に、「ジャパン・パッシング」〔通り過ぎる)の現象もあるでしょう。でも、逆に言うと、何故ひんぱんに話題になる必要があるのか?経済大国でno2だから??地理的にも遠いわけだし、知的に遠くても仕方ないのかな、と思ったりします。べた記事をあわせると、結構話題にはなっているかもしれませんが、寂しいなと思うのは、知的な選択肢の1つになっていないというか、「じゃあ、日本のXXさんに、この件についてどう思うか聞いて見ましょう」というのがないのがほんとどないのが残念です。〔日本に関わる事柄を除いて、です。)

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Commented by pfaelzerwein at 2008-06-30 14:31 x
リンクを拝見しましたが、毎日は日本語では有名でしょうが、英語では無名なメディアであり下劣な市場で商売しても可笑しくないでしょう。日本の大メディアなどはその程度の商業ジャーナリズムです。

さて英メディアといっても様々でしょが、BBCのそれも批判すればいくらでも出来る。そのジャーナリズムの程度こそあれ、視点の相違をして、事実無根と捏造とする発言は誤りです。

私が購読する独FAZの日本報道にしても日本の高級官僚は「偏見」と呼び、私は「事実」と呼びます。これは「厳しいというか、ステレオタイプ的記事」である以上に往々にして「外から見た客観性」でしかありません。

マルチカルチャーとかいう以前に、視点の相違を俯瞰する事がジャーナリズムではないでしょうか?
Commented by マッドマン at 2008-07-01 04:06 x
小林さん、わざわざ、ワンコラム書いていただいて恐縮です。さすがに、やはり一度トライして調べられているんですね。一応あたっていますけど、実はあまり期待していません。BBCが自らを「プロパガンダ」と認めるわけないですから。だから、オーウェルの本のみを頼りに行くつもりです。WASTED TWO YEARSですよね。それと小林さんの直感と私の直感が同じということろがやはり真実だ。それと僕は今、重要な証拠本としてヒットラーが1925年に書いた『わが闘争』を何度も読んでいる。ここでヒットラーが、ユダヤ人がドイツだけでなく、英国に渡って全メディアを乗っ取った、という話をしている。プロパガンダの専門家の彼がナチス結成の前に書いた本音の本だから、ここにも真実が秘められていないでしょうか?
米国の電波競争のようにならないように、英国政府が全電波通信会社から一様に出資を募り、作った会社がBBCですよね。
そこがくさいと思うのです。パブリックディプロマシーとは言い様ですが、
まさにアメリカが数年後に行う「ソフト・パワー」と同じことじゃないですか?「洗脳」とまでは言いませんけど、中立的な意味で「プロパガンダ」と僕は読んでいるだけです。
Commented by マッドマン at 2008-07-01 04:12 x
911に関して。単なる誤報とはどういうことですか? 衛星生中継でニュースキャスターの後ろの画面で3つ目のビルがまだ燃えていないのに、
30分前に「うしろで燃えているビルが」とはどういうことですか?この映像を録画していた人がYOU TUBEとか世界中のサイトに出して、あまりにも反響が大きくなったのに耐えられなくてBBCは昨年の夏に例の特番
「911は自演ではない!」と反論する番組を放映(先週も再放送していました)した。これだけネット界で有名になったのに、BBCは珍しく中立的でなくて、一方的に弁護したひどい番組でした。それでサイトにコラムもできたので、私も投稿したのですが、検閲・削除されて、そのコラムはなくなりましたよ。これが、検閲じゃなくて、なんだというんだ!!!
事実無根だとか、報道のミスだとかいうんだったら、堂々と、この件を
説明してくれ、と思います。
絶対に許しませんよ、僕ら、世界のネット言論者や陰謀論者は。
Commented by マッドマン at 2008-07-01 04:27 x
ソ連のKGB、米国のCIAに相当するのが、英国のM6で今でも健在でその歴史は前者2者より長い。007シリーズのモデルになっているジェームスボンドは、ロスチャイルド商人の銀行家が昼間は本職で夜はスパイ活動をしていた人間をモデルにしている。このM6とBBCの関係が絶対に
あると思う。ここまで完璧に証拠がでないということは、小説とかに書かれている可能性が高いと思っている。ジェフリー・アーチャーあたりの小説を隅からあたっていけば、どこかに書かれていそうだな。恐ろしいから
誰も真実をかけないのでしょう。欧米の政治小説は侮れなくて、フィクションという形をとって、真実を書いていることが多いから。こっちから
あたってみる。こうなったら私のライフワークです。
Commented by polimediauk at 2008-07-01 06:21
pfaelzerwein さま

以下のご指摘、確かにおっしゃるとおりです。

ーー私が購読する独FAZの日本報道にしても日本の高級官僚は「偏見」と呼び、私は「事実」と呼びます。これは「厳しいというか、ステレオタイプ的記事」である以上に往々にして「外から見た客観性」でしかありませんーー

頭の中でもやもやしていたことを、明確に指摘された思いがしました。

つまり、日本人から見て、ある外国メディアによる報道が、「偏っているな、「厳しすぎるな」と思った時、複数の様相があると思います。「隠れたアジェンダがあって攻撃している場合」、「隠れたアジェンダはないが、偏見を通して判断している場合」、「無知あるいは情報が足りないことによる誤解」などの他に、「真実あるいは事実だが、日本人から見たら認めたくない事実なので、厳しすぎるあるいは偏見と思える報道」などがあるかと思います。(これでうまく言えたか分かりませんが。)視点の相違、確かにそうです。

外国メディアの日本報道に触れることは、別の視点に触れることでした。
 



Commented by polimediauk at 2008-07-01 06:35
マッドマン様

9・11とBBCの件は、陰謀であったことを証明する証拠はたくさんあるだろうと思うのですが、陰謀ではなかったことを、逆に証明するのが難しいです。何故私が陰謀ではなかったかと思うかというと、あまりにもBBCだけでなく、英国には「コックアップ」が多く、いろいろつじつまの合わないことを山のようにやっているだろうな、という想像です。ただ、証明はできません。この件、溝はずーっと埋まらないかも分かりませんね!
Commented by polimediauk at 2008-07-01 06:40
・・で、BBCが何故証拠を外に出さず、解明もしないかというと、きっと疲れきったんだと思います。きりがないですから。

それと、BBCを含め、英メディアのいろいろな馬鹿馬鹿しい要素をつづった本があって、これを読んで幻滅もしています。近く、中身を紹介します。
Commented by elmoiy at 2008-07-01 22:31 x
http://tanakanews.com/b1114colony.htm
米英で復活する植民地主義
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/71e2c174f26db43b2df1cc87cf236467
英国で植民地支配を肯定の動き
http://www.chosunonline.com/article/20061229000040
「日帝が軍国主義なら英国は自由主義的帝国」

小林様

日本から見ていると、最近の英国では帝国主義や植民地主義を持ち上げるような動きが出ていて、いわば右傾化しているように思えるのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
Commented by マッドマン at 2008-07-02 01:35 x
ごめん、横入りしますけど、ブレアは常に帝国主義を打ち出していましたから、英国はいつの時代も帝国主義や植民地主義は打ち出しているが、
その打ち出し方が違う「ニュープリテン」がこの20年だったのではというのが僕の意見ですが、小林さんはどう思う?
陰謀論に関しては、本当に堂々めぐりでね。今の時代は陰謀論者に有利な時代になってはいますけど、自省をこめていうと、なんでもかんでも
陰謀論でかたずけてしまう安易な癖はやめようと思います。

ダイアナさんの殺害とか、不明なことが英国では多いですよね、たしかに。
CURIOSITY KILLS THE CATといって、真実を追究するあまり身を
滅ぼした人間が古今東西いたようですから、おたがいに気をつけましょうね。無関係ですが、私は2週間前、夜道に3人の暴漢に襲われ、無意識で病院に運ばれ全身打撲状態でした。現金180ポンドとクレジットカードとオイスターカードとかばん一式が盗難。倫敦の警察は役にたたず。
NHSの病院は無料で深夜救急車で運ばれたけどしんせつでした。
先週は無意識状態で投稿していました、ごめんなさい!
Commented by polimediauk at 2008-07-02 07:48
elmoiyさま

ありがとうございます。すみませんが、明日以降、じっくり読んでお返事させてください。

ただ、読む前に一言ですが、英国は戦後、保守政権の期間が労働党時代より長かったと記憶しています。何人かインタビューした人から、基本的に英国は保守系の国、と聞きました。ただ、もちろん、左右なんかもうない、という見方もほぼ定着化してきたようですね、前にオランダの学者に「左右に分けるのはどうか?」と疑問視されました。脱線してすみません。

ー最近の英国が右傾化しているかどうか??英国に住んでいると、「右」の流れはエンエンと続いてはいるものの(大衆紙の人気ぶり)、むしろ行き過ぎのリベラル化が少々気になります。1960年代以降、子供をしからない親とか(なんて、年寄りっぽい言い方でごめんなさい)。

そして、帝国主義・植民地主義を恥じるというか、過去を恥じることがあまりにも強すぎてしまっている感じがあります。ジンバブエのことも最たる例です。
Commented by polimediauk at 2008-07-02 07:52
(続きです)
ジンバブエのことは、日本ではあまり報道されていないかも分かりませんね。元のローデシアですね(英国の植民地)。ここまでひどいことになったのも、過去の罪悪感から毅然とした態度を取れなかったせいだ、と見る人もいます。そう言う声をよく聞くのです。

少数の植民地主義、帝国主義肯定者はいつでもいたと思いますし、今もいると思います。でも、非常に小さくなっている感じがしますね。もし肯定したら、その人が公人だったら、ものすごい反撃にあいます。

私の見た限りでは、「最近」増えている感じがしないのですが。

とにかく、読ませていただき、また明日書きます。
Commented by polimediauk at 2008-07-02 07:56
マッドマン様

陰謀説の件、恐縮です・・・。

ブレアの帝国主義というか、そういう新たな意味では実際のところ、脈々と続いているという見方もできますね。

危ない目にあわれたとのこと。本当にお大事に。

夜道には、みなさんも、十分気をつけましょう。ロンドンは本当にこれが本気で気をつけないとだめなんです。
Commented by マッドマン at 2008-07-03 02:02 x
昨晩(火曜日)の夜のBBCの日本報道、高齢化社会問題の5分間のレポートは素晴らしくて感動しました。やればできるじゃないか、BBC!と急に
持ち上げてしまいます。103歳のおばあちゃんを中心に、高齢者施設の人々の声を見事に拾って(翻訳もよし)、日本を参考に英国の現在のNHSの医療の問題を探るという。これぞ、BBCの真骨頂!英国人も日本人も一緒に考えさせられる感動的なニュースでした。
私はホワイトシティのBBCのすぐ近所に住んでいるので、気になるんですよ。
ところで、サイバッチという人気NO3の政治サイトが本日、毎日新聞社
前で抗議運動をしましたが、遂に日本の大新聞とネットジャーナルの「戦争」が起きているんですね。訴訟問題だけでなく、社会問題になりそうです。すごい時代が来たな、こりゃ。
Commented by polimediauk at 2008-07-03 05:40
マッドマン様

私もラジオでですが、この番組の一部を知りました。いいなあと思っていました。BBCは基本的には素晴らしい放送局だと思っています。(ただ、何となく、でかすぎる・・・英国の中では。)
Commented by polimediauk at 2008-07-03 06:28
elmoiyさま

(米)英帝国主義の浮上はあるか?そういう論調が最近あるか?ということでしたね。

教えていただいたサイトは、それぞれ2001年、2005年、2006年の記事で、本当に注意深く選んでいただいた感じがしました。しかも、日本、朝鮮日報、フランス・ディプロマティークからのもので、ここまで集まると、「やっぱり何かある」となってしまうのも当然です。

しかし、何故そう思うのかを証明するためには様々な証拠を挙げないとelmoiyさんに信じてもらえないとは思うのですが、一言でいうと、英国に住んでいる者からすると、「妄想」です。(そう思わない方は、どうかコメントなどを歓迎いたします。)

まず、誰がそう言っているのか?なのですが、ニール・ファーガソン(リビジョニスト・帝国主義を評価する)という人と、ポールジョンソンという人が出てきますね。どちらも「右」であることで英国では知られています。ネオコンに関してそれほど詳しくはないのですが、ファーガソンはイラク戦争も支持していますし、広い意味で保守ネオコン的と見てもいいかも分かりません。〔続く)
Commented by polimediauk at 2008-07-03 06:28
(その2)
2005年のディプロマティークの記事は私が時々書くベリタに掲載されたもの(!)でしたね。この中で、ブラウン首相が(書いた当時は財務相)が植民地主義を間接的にでも支持したかのような発言をした、という部分が最初の方にあります。この発言は英国の新聞「デイリー・メール」に出ていた、と書かれています。デイリーメールは右派大衆紙です。ここに書かれた記事は、その時の状況にもよりますが、あまり事実に即しないことが多いといわれており、あるいは全体の小さな一部を大げさに報道する傾向があります。英国の大衆紙はいつも何かを宣伝しているので、デイリーメールに載ったことをまともに〔事実として、という意味で〕論じる人は、英国知識人ではまずいないかも。

でも、外から見ると、こう見えるのかなあ・・・と感慨深くこの3つの記事を読みました。(続く)

Commented by polimediauk at 2008-07-03 06:28
その3
といって、新しい意味での英国の野望がないかというと、それはあるでしょう。しかし、かつての帝国を再現しようとしても、まず軍事力が米国と比べて圧倒的に小さい。今、アフガンとイラクでぎりぎりです。もうどこにも実質的には派遣できないくらいです。ただ、それでも、何とか世界に自国の力を及ぼしたいという気持ちは外務省を中心に強く残ってはいるでしょう。外交分野、経済分野で様々な努力を続けていることも確かです。でも、「帝国」、「植民地」はタブー的な扱いで、帝国再現の野望を持っている人が外務省にいたとしても、戦力+お金がない、という感じではないか、と見ています。ただし、他国から見ると、英国は帝国的に見え、かつ帝国の野望を持っているように見えるであろうとは思います。例えばイラクやアフリカ諸国の一部はそう思っているだろうと推測します。

「もし」最近、帝国主義的傾向・願望がある、とした場合、それは2001年の記事にあったように、9・11テロからのブレア+ブッシュの動きからそう連想したのでしょうね。〔続く)

Commented by polimediauk at 2008-07-03 06:59
その4+最後

いずれにしろ、こちらでは論調として大きくなってはいないと思います、今現在。どうでしょうか。1人の英住民として、古い形での帝国主義願望・植民地化願望があるという見方は、どうも現実に即していない感じに見えます。 以上、私の独断と偏見です。それぞれ証拠の文献をあげないままの答えになったことをお許しください。

また、私より詳しい人もいるでしょうから、セカンド・オピニオンというか、他の方にも是非聞いてみてください。
Commented by elmoiy at 2008-07-04 13:02 x
小林様 ていねいな説明、ありがとうございます。
やはり日本から見た英国イメージというのも相当に歪んでいるのですね。

9・11後に、FTなど英語圏の新聞に、“新たな帝国主義の必要”“アフガニスタンは世界秩序を脅かす失敗国家の一例である。唯一の解決法は、
西側諸国による積極的な干渉だ”などという記事が出ると、どうしても、
「これが欧米人の本音なんだろう」と考えてしまうのが日本人です。

まあ、しょせん外国のことはその国の人間にしかわからないのかもしれません。外部の人間は、メディアなどの限られた情報をもとに判断するしかないわけですから。
Commented by マッドマン at 2008-07-05 04:29 x
日本に住んでいる知的レベルの高い人でさえ、なかなかわかってもらえなくて、帰国の度に苦労するんですがね。イラクに米国と一緒にポチの英国と日本が一緒になって戦争を起こしたじゃないですか。このことへの
英国の反省ってすごいものがあるんですよ。この2年、演劇とかでも
ブレアを批判する作品とかすごく多いし、テレビとかでも、友達でリベラルな労働党支持の英国人でもみんな「イラクは失敗、英国の恥だ」と
すごい反省があるでしょ。米国は反省しないし、米国の影響の強い日本は未だに、「小泉への反省」をメディアも一般人もしていないでしょ。

ようやく「格差社会」への反省が生まれてきたけど、米国と一緒にイラクに
戦争した、とかいうと、怒る日本人が多いんですよ。

世界はそう見ていますよね。南米の人もヨーロッパの人も、みんな口では言わないけれど。

米国の戦争資金を援助しているのが日本であり、英国民のように、
「反戦運動」もしない。

この無関心さが、世界から「ガラパゴス状態」として冷ややかに見られていることに気がつかないんですよ。

日本人は世界の「田舎者(いなかもの)」だと自省こめて思う。
Commented by マッドマン at 2008-07-05 04:42 x
砲丸外交(ガンボートディプロマシー)をしている息子の米国を見て、自分の祖先も昔は帝国・植民地主義でやった愚かさを冷ややかに見ていますよね。サッチャーが喜んだように、ITのクリントン政権の時に「英語が国際語になって英国は安泰!」と思ったら、インド人も中国人も南米人も
アジア人も英語をしゃべるようになってしまった。
金融という英国元祖シティ発で米国のウォール街と組んで金融グローバライゼーションをやったら、21世紀にエンロン、サプブライム問題発生に
よる世界大恐慌へ今後突入と、英国帝国の過去の栄光は戻ってきません。
次は、環境問題と生体問題で世界をリードしようというらしいですが、
だめでしょうね。

世界は今、「共生」の時代に移行していますから。南米とかアフリカ、
アジアの人たちが着々と作業を進めていますね。

帝国主義や力による覇権は、もう今世紀は通用しません。
Commented by polimediauk at 2008-07-05 22:01
elmoiy さま

この件、本当に出来たら他の人にも聞いてみてくださいね。私が見落としているところもあるでしょうから。

「FTなど英語圏の新聞に、“新たな帝国主義の必要”“アフガニスタンは世界秩序を脅かす失敗国家の一例である。唯一の解決法は、
西側諸国による積極的な干渉だ”などという記事が出る」-。確かにこういう記事読んだ記憶があります。

こうなると、「帝国主義」の解釈が、その国によって違うかも?という可能性もありますね。カネと軍事力+世界への影響力の面で、現在の英国はかつての大英帝国とは一線を画しているように思っていますが、それを踏まえた上での世界の争いごとへの干渉(武力行使含む、しかし主にはディプロマシー)の面では、脈々と続いている感じもしますし。コンフリクト・レゾリューションという名目で、各国で警察や軍隊のトレーニングもしてますよね、英国は。
Commented by polimediauk at 2008-07-05 22:03
+特に外務省にかつての帝国主義的匂いは消えていないでしょうね。前とは大きく違うとはいえ。消そうと思っても消せない匂い。あくまでも感想ですが。これをアフリカや元植民地国は嫌うのでしょうね。
Commented by polimediauk at 2008-07-05 22:04
マッドマン様

日本とイラク戦争の件は、確かに日本以外ではくっついて見られていますよね。

BBCの陰謀説の件、ニュースが出ていたので、貼っておきます。
by polimediauk | 2008-06-30 07:32 | 放送業界 | Trackback | Comments(24)

ジャーナリズムの話いろいろ+欧州事情も


by polimediauk