英国事情

大学ランキングと英国

 英国に戻る前のばたばたでずい分更新のない日々が続いてしまった。こちらはかなり気温が低い(12度から15度)が、黄色や緑、茶色の落ち葉が非常に美しい季節でもある。

 どことなく体調がまだ元に戻っていないので、「英国ニュースダイジェスト」最新版(ウェブでは21日から掲載)向けに書いた大学ランキングの話を入れたい(若干補足)。

 教育出版団体が毎年作成する「タイムズQS世界の大学ランキング」が、今月上旬、発表された。トップ10は米国と英国の大学が独占したが、英大学のランキングは下がり気味。上位100に入る数も減っており、教育関係者の間では不満が募る。ランキングの上下は大学の評判に影響を及ぼすので、「優秀な学生が集まらなくなる」、「研究への投資が減る」ことを心配しているのだ。

 200位までを見ると、日本の大学で最初に入っているのは19位の東大。120位には今回ノーベル賞受賞者を出して名をはせた名古屋大学が入っている。大学関係者同士の評価が大きな影響力を持つランキングで、つまり「国際的に知られていなければ評価されない」ということか。結局のところ、あまりこだわることはないのだが、ずい分と英国の大学関係者や政治家が気にしているようなのがおもしろい感じがした。

 もとの資料は:

http://www.timeshighereducation.co.uk/hybrid.asp?typeCode=142&pubCode=1&navcode=118

世界の大学ランキング発表
英国があせる理由とは?


 10月9日発表された「タイムズQS世界大学ランキング」は、高等教育情報誌Times Higher Education(THE)と教育関連企業QS社が作成し、2004年から毎年、発表している。世界中の学者約6300人、企業側から約2300人が調査に協力した。順位付けの最大の要素(40%)は同分野の専門家からの評価だ。

 今年トップを占めたのは米ハーバード大学。5年連続のトップだ。昨年2位に並んだのはイエール米大学、英国のケンブリッジ大学、オックスフォード大学だったが、今年はケンブリッジが3位、オックスフォードが4位と英国組は下に落ちた。トップ10は米国の大学(6校)と英国の大学(4校)が独占したものの、トップ100に入る米大学は37校であるのに英国は17校。前年は19校であったことから、「米国を追い抜けない英国」、「評価を下げた」等、失望感漂う報道が出た。

 英国では、高等教育に関する様々なランキングが発表される。各教育機関の切磋琢磨の一助になるという目的以外に、進学希望者やその保護者にとっては、大学選定の目安となる。上位になれば、優秀な学生や指導陣が集まるだけでなく、研究・実験のための資金も集めやすくなる。ランキング付けは、大学の利益に直結する、無視できない指標となっている。

―米国に追いつけない?英国

 今回のランキングのトップはハーバード大でこれにイエール大が続いた。英国の名門中の名門「オックスブリッジ」を僅差で抜いた。世界の優秀な頭脳や研究費用の投資が英国ではなく米国や他国に流れるのでは?そんな懸念を抱く大学関係者もいたようだ。

 ランキングを行った雑誌の編集長アン・ムロズ氏によると、「ハーバード大学の年間の寄付金総額は、英国のすべての大学の年間収入とほぼ同じ規模」だ。「金」がランキングで上位になるための決め手と見る関係者は多い。ロビー団体「ラッセル・グループ」も、英国が将来高等教育にもっと投資をしなければ、「中国をはじめとする他国に追い抜かれてしまう」と警告を発している。

 イングランド地方の高等教育大臣デービッド・ラミー氏は、BBCニュースの取材の中で、「現時点で優位にある教育機関が10年か15年後にもそうである保証はない」として、高等教育機関への財政支援の増加の必要性を訴えた。政府は2011年までに、1997年時点と比較して30%増の年間110億ポンド(約1800億円)の財源を高等教育機関に当てる計画を立てている。

 日本の大学では19位に東京大学が入っているものの、米英に比べると影が薄く、英国の「懸念」や「警告」は贅沢な悩みにも聞こえる。

 一方、英国の大学は、教育の質を高める、研究資金をできるだけ多く集めるという目標の他に、別の面で大きな課題を課せられている。それは、中・上流家庭の師弟に集中しがちな高等教育の機会を、低所得層にも開放することだ。元祖格差社会というか、階級社会英国ならではの(こうした格差をなくするための)社会的要請といえるだろう。会計検査院(NAO)の6月の調査では、家庭の裕福度による高等教育進学率のギャップは依然として残っている。まだまだ努力は続く。

―THE-QS世界の大学ランキング2008 
200校の中で、20位以下は日英のみを抜粋すると・・・

1 ハーバード大学(米)
2 イエール大学(米)
3 ケンブリッジ大学 (英)
4 オックスフォード大学 (英)
5 カリフォルニア工科大(米)
6 インペリアル・カレッジ・ロンドン (英)
7 ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ (英)
8 シカゴ大学 (米)
9 マサチューセッツ工科大 (米)
10 コロンビア大学 (米)
11 ペンシルベニア大学 (米)
12 プリンストン大学 (米)
13 デューク大学 (米)
14 ジョンズ・ホプキンス大学 (米)
15 コーネル大学 (米)
16 オーストラリアン・ナショナル大学 (オーストラリア)
17 スタンフォード大学(米)
18 ミシガン大学 (米)
19 東京大学(日本)
20 マッギル大学 (カナダ)
(以下、日英のみ抜粋)
22 ロンドン大学キングス・カレッジ (英)
23 エジンバラ大学(英)
25 京都大学 (日本)
29 マンチェスター大学 (英)
32 ブリストル大学(英)
44 大阪大学(日本)
61 東京工業大(日本)
66 ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス(英)
69 ウォーリック大学(英)
73 グラスゴー大学(英)
75 バーミンガム大学(英)
76 シェフィールド大学(英)
81 ヨーク大学(英)
83 セント・アンドリューズ大学(英)
86 ノッティンガム大学(英)
99 サザンプトン大学 (英)
104 リーズ大学(英)
112 東北大学(日本)
120 名古屋大学(日本)
122 ダラム大学(英)
130 サセックス大学(英)
133 カーディフ大学(英)
133 リバプール大学(英)
152 バース大学(英)
153 アバディーン大学(英)
158 九州大学(日本)
160 ロンドン大学クイーン・メリー (英)
162 ニューキャッスル大学 (英)
170 ランカスター大学(英)
174 北海道大学(日本)
177 レスター大学 (英)
180 早稲田大学(日本)
194 レディング大学(英)
199 神戸大学(日本)
(61位を後で直してあります。)

英国の大学Q&A

―大学の種類

 主に5つに分類される。19世紀以前に創立された「古代の大学」、19世紀から20世紀初期にかけて創立された「赤レンガ」大学、1960年代に創立され当初「新しい大学」と呼ばれていた大学など。現在ではこうした大学は一般に「古い大学」(オールド・ユニバーシティー)と呼ばれる。1992年の高等教育法施行以前に創立された大学すべてを指す。実用的なコースもある総合高等教育機関「ポリテクニック」が、この年大学に移行している。また、1968年に創立の「オープン・ユニバーシティー」は英国で唯一の通信教育専門の大学。

―経済環境と入学率の影響

 会計監査院の「Widening Participation in Higher Education」という報告書によれば、社会・経済レベルが低い家庭に育つ18歳から20歳の若者の間で、高等教育を受けている比率は全体の20%(2005年ー06年度)。一方、中・上流家庭の同年齢層の場合、43.3%が高等教育に進学している。

―高等教育で学ぶ学生の内訳

英国人学生:2006035人
EU他国出身者:106225人
EU以外の他国出身者:223855人
合計:2336115人
(2005年―06年度、フルタイムとパートタイムを総合。Universities UKより)

関連キーワード: Russell Group ラッセル・グループ。研究を主とする20大学の団体。元々、ロンドンのラッセルホテルに集ったことからこの名前がついた。ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンなど著名大学が所属。1994年、ロビー団体として結成された。英国の大学に投資される研究費用全体の60%以上がこのグループの大学に入る。米「アイビー・リーグ」と同列とも見なされる。2006年から実施された、大学の授業料値上げを訴えて注目を浴びた。
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Commented by hmmm at 2008-10-21 12:35 x
いつも興味深い記事をありがとうございます。一点指摘させてください。今回の記事のランキング中、61位は東京工科大学ではなく東京工業大学と思われます。
Commented by ウィルヘルミナ at 2008-10-21 16:08 x
ぎん子さん、にんにちは、お体の方、もう大丈夫ですか?

さて、大学ランキング、興味深く見せて頂きました。
日本の私立大学で、早稲田大学だけ、ランキング入りしているのですね。日本国内では、慶応大学の方が「上」なのに、国際的には、早稲田の方が「上」なのには、驚きました。

日本国内外では、物の見方、違うのですね・・・・・・。
Commented by mik at 2008-10-21 21:51 x
毎度お騒がせします。
おっしゃるとおり、知られていなければ評価されないというのはありますね。研究を別の面からみた興味深い話がありましたので、紹介させていただきます。
5号館のつぶやきさん
ほんとうにスゴイ論文は日本語で書いても外国で読まれる
http://shinka3.exblog.jp/8059554/
しばらく前に見つけて、CLIPしてました。
Commented by elmoiy at 2008-10-21 21:56 x
Newsweek日本版2008-10・22号に、中東やアジアの各国が留学生獲得に乗り出し、名門大学の分校を次々と設立。ヒトとカネの流れを変える「知の大移動」が始まった、という記事が掲載されていますが、イギリスの大学もかなりあせっているのでしょうか。

ttp://www.rieti.go.jp/jp/publications/pdp/03p005.pdf
米国大学の国際競争力の源泉

このレポートは興味深いですね。米国の大学システムと企業システムとの間には少なからぬ類似があり、競争に勝てないと研究資金がもらえない仕組みになっているそうです。

Commented at 2008-10-22 20:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by マッドマン at 2008-10-23 03:59 x
イエール大学の教授になったトニー・ブレア元英首相は都落ちじゃなくて、出世ということになるんでしょうか(笑) 

大学なんてしょせん「産業」ですからね。くだらないと僕は思います。

英米は「回転ドア」式で、国家や産業の利益に基づく「大本営」機関が
大学でしょう。本来の学問や「真理の追究」とは何も関係のないのが
今の大学の姿です。 

こうした米国の名門校できちんと勉強した卒業生でさえも、ちゃんとした
就職ができず、その投資が回収できていないことが「ルポ米国大国」
に書かれていました。

終身雇用制が保障されていた日本企業の頃は、日本の大学で遊びまくるというのもいい制度かなと思っていましたが、今の日本の大学生は
どのくらい勉強しているのでしょうか。

自分が今、18歳に戻ったら、労働しながら革命家になって本を読み漁って勉強するでしょう。 大学に行かずに。 
Commented by polimediauk at 2008-10-23 07:07
hmmmさん、ご指摘ありがとうございました!!!早速直しました。助かりました。
Commented by polimediauk at 2008-10-23 07:13
ウィルヘルミナさま

体調はほとんど元に戻りました。気温の差がひどく大きかったのが一因だったようです。

何故海外と国内で評価が違うのか?私はやっていないのですが、深い分析ができそうです。このランキングはいろいろな評価の中の「ワン・オブ・ゼム」として見ることが必要ですね。
Commented by polimediauk at 2008-10-23 07:18
mikさま
こちらこそ「毎度」おもしろいトピックをご紹介くださり、感謝です。これは本当にすごいですね。いつもこのブログでは英語で書かれた情報を紹介していますよね。でも、まったく逆の見方もできますね。

今このコメントを読まれている方、だまされたと思って先のアドレスに飛んでいって、ぜひ読んでみてください。
Commented by polimediauk at 2008-10-23 07:23
elmoiyさま

結局は「カネ」なんでしょうかね?米国の例はすさまじいですね。

英国の場合、国としての威信みたいなこともあるような感じがします。(といっても、既に覇権はとっくの昔に米国に奪われているのでしょうが。)

それと、大学側が本当に資金難というのが背景にありそうです。進学率が上がったので、もう今もらっている税金だけでは授業料をまかなえなくて、苦しくて苦しくて、それで授業料を値上げしてもらった(英国の大学は基本的に国立)のですが、現行でもまだ足りなくて、大学側の持ち出しになっていると聞きますから。インペリアル・カレッジの学長がそう言っていました。
Commented by polimediauk at 2008-10-23 07:28
マッドマンさん

まさに大学=産業という感じがします。(大学関係者の方はどう思っているのでしょうね。)

確かに自分で本を読んだ方が良いという部分はありそうですし、実際そういう人は結構いるでしょうね、英国だと。

しかし、学問とは全く別の面で、私は大学には意味があるように思っています。私自身、日本でですが、四年間はぼうっとしてましたけど、あの「ぼうっとした時間」って、今になって貴重だったな・・と。英国にいるせいか、特にそう思いますね。
Commented by polimediauk at 2008-10-23 08:00
「拒否」の件、アドバイスありがとうございました。やってみました。結果はどうなるか?
Commented by elmoiy at 2008-10-23 09:35 x
マッドマンさま、小林さま

私も大学時代は図書館で自分の好きな本ばかり読んでいて、おかげで成績は悪かったのですが、そこから得たものも多いですね。

ttp://hesomagazine.com/?p=99
伊勢崎賢治・インタビュー

この方が目指しているのは理論より実践的平和学だそうです。

ttp://www.unipro-note.net/archives/50411712.html
アイビー・リーグの猛攻 苦戦する公立大学

イギリスだけではなくアメリカでも、一部の超エリート私立大学以外は資金難に陥っている実態が紹介されています。

在英ジャーナリストの阿部菜穂子氏が、「イギリス『教育改革』の教訓
『教育の市場化』は子どものためにならない」(岩波書店)を書いておられますが、日本ではサッチャー政権による教育改革の「負の側面」については一般にあまり知られていないんですよね。
Commented by さなえ at 2008-10-23 09:45 x
数年前、夏の間受け入れた弁護士の卵は早稲田の法学部に留学中でしたが、あまりに学生が勉強せず、ゼミは退屈で日本に留学して無駄だったといっていました。彼は米国人でしたが、そのゼミにいる英国人他も同様の評価だとのことでした。日本の大学生は勉強しないので(理系をのぞく)、ランクが低いのは当たり前でしょうね。
Commented by マッドマン at 2008-10-25 05:41 x
日本の大学って自分の意見のプレゼン、論文の書き方とかいったものでは全然役に立ちませんね。
僕は糸川英夫博士が言っていたように、日本の学校とか大学で勉強した
内容は一切役に立たないけど、受験とか試験といったテクニック、
あれは、社会に出てから大いに役に立ちました。

社会に出たら「毎日が試験」ですよね。金が絡んでくるという。

どんな産業でも「納期(デッドライン)」があって、それに合わせて
プラニングしたり制作したり。

自分は卒業直後、電通、という広告代理店に入りましたが、やっていたこと(プレゼンとか論文作成)は、大学と全く同じでしたよ。

そのコンテンツのくだらなさは、学校の勉強の内容も、電通でサービスしていた内容も、 今になって思えば、

どちらも くだらない !!

ものです(笑) こんなこと書いていいのかな。 
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-10-26 00:30 x
この手の大学ランキングは研究や教育が本業の人間からする完全なまとはずれですよね。全然雰囲気反映してないし。日本国債とボツアナ国債が同格だったりするスタンダードプア-ズの格付けみたいなものじゃないでしょうか(笑)。

理学系ではハーバード出身の偉い学者ってそんなに多いわけじゃないですね。

片岡さんじゃないけど日本人のハーバード神話はニューディーラーの置き土産でしょう。その幻想を維持するのにフルブライト系の人たちが一役買ってるんじゃないですか、「me は洋行帰りザます」って言うのは言論商売をするうえでは大事なんだろうし。まぁくだらないの一言です。こういう記事をもとにマスコミとか官僚がくだらないこというのやプロパガンダ活動をするのはうんざりですね。
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-10-26 02:01 x
あ、上でこういう記事とあるのは「こういうランキング発表」のことです、誤解されるかなと思いついたのでいそいで付け加えておきます。まぁこういうランキングがでるたびに「なんだかなぁ」という気になってしまうわけです、笑。
Commented by マッドマン at 2008-10-28 16:11 x
片岡教授が自分が勤務していた大学の自己批判していたの?(笑)
小室直樹でもあそこに留学したけど、たいしたことのない教科書作成程度の教授にあたったって最近も誰か書いてましたね。
欧米の大学がほとんどを占めることもプロパガンダというか悪意を感じませんか? 米国の大学で勉強した実感だけど、無名の大学でもいい授業はたくさんあるし、しょせんは、生徒個人の「やる気」じゃないですか。
勉強なんて「ひとりで」やるものであって、クラスや大学でどんなにブランド品を買ってもその人の頭脳のレベルを上げるわけじゃないよね。 

社会に出たら、実力だけが勝負で、出身大学なんてどうでもいいもの。

S&Pってちょっといいすぎ(爆笑) 
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-01 21:07 x
ちょっと出張してました。いやぁこちらではベルルスコーニさんが教育予算削減とかいってるので大変なことになってますね。

もうこの話題はもうだれもみてないだろうしマッドマンさん相手にというか独り言のようにというかちょっとこの件に関しては引き続き書き込んでみようと思います。

まず私の分野でいえばハーヴァードを初めとする米国のそれぞれの大学よりオックスブリッジ、東大京大のがいい研究者をずっと多く輩出してる印象があります(もちろん研究業界の人間は出身大学なんて気にしません、あの先生から偉い研究者がたくさんそだっててるなとかいう雑談はありますけど)。他の理学系分野でも同じじゃないでしょうか。受賞とかは研究者同士のつながりで推薦とかあるので日本人は何とか賞受賞者は多くないかもしれませんが、研究集会とか行けば日本人の業績をもとにした仕事や日本人の名前は欧米の研究者からしょっちゅうでますし、日本の新聞で言われるように米国に引けを取ってるということはありませんね。
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-01 21:09 x
それでどうして米国の大学が上位に来るかといえば、そうなるような基準ではかってるからでしょう。もうこんなこと調べるのやですから今回のは見る気ありませんが、前見た奴だと「どれだけ外国から学生があつまるか」とかいうのがたくさん加点されてるわけでそうなれば英語圏とくに米国が絶対的に有利にきまってます。まぁ、そんな感じです。

どれだけ研究者が出るか、学生の質、といった観点で公平に採点すればどうしても米国の個々の大学よりオックスブリッジや東大京大のが上にいってしまいます、きっと。ただしそれは米国がレベルが低いとかいうことではありません。なぜ違いが出るかというと英国だとオックスブリッジに、日本だと東大京大にどうしても学生や研究者が行きたがるのにたいし、米国には同格の大学がたくさんある訳です(プリンストン、MIT、スタンフォード、、、、偉い研究者だす大学はいくらでもあります)。というわけでその分ひとつの大学あたりの研究者や室の良い学生はオックスブリッジなど特定の大学に集まってしまう国の大学より薄まってしまうわけで単にそれだけの違いです。
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-01 21:10 x
> 欧米の大学がほとんどを占めることもプロパガンダというか悪意を感じませんか?


とマッドマンさんも仰ってますが、笑、そのとおりだと思います。こういうランキングとかでてもその順位がどういう意味を持つか、なにを反映しているかというのはちゃんとどういう過程で順位づけされたのか中身見ないと意味がありませんし、たとえみても業界関係者じゃないとそれが本当に意味するところはなかなかわかりませんよね(私も他の業界のことに関しては鋭い感覚が働きません)。私にいわせれば上にとりあげられた結果は米国人のうちあまり知的でない層の精神構造を良く反映してるだけだと思います。「自分達が一番だったし今後も一番」とどうしても信じ込みたい。だけど自分達の前に覇権国家だった英国にはいまでもどうしようもないコンプレックスをもってる。だからオックスブリッジだけ上のほうにある(笑)といったところでしょう。いまでもローズ奨学金とかあるんですかね、笑?
(続きは数日後)
Commented by polimediauk at 2008-11-02 03:24
トラメッツィーノ男爵、

このランキングは、一応というか、とりあえずはちゃんとその選定基準を出しているんですね(といって、わざわざ見なくてもいいんですよ!!)。それ自体が何か?の分析が重要としても、それ以外のポイントとしては、結局は、「アングロサクソンはこう見る」といことでしょうね。アングロサクソン的な価値観で判断したら、こうなる、という。つまりはタイムズ紙の関連雑誌がやったということですからね。対処方法としては、「とりあえずはこういうのがある、ふーん」と思う感じでしょうか。でも、同様の各種のランキングでもって、大学の生徒やお金の集まり具合が結構左右する・・・っていうので、気にする大学関係者が多いということでしょうね。

英国について言えば、「昔派遣国家だった。それを米国に抜かれた」みたいな気持ちもあるかも分りませんね、メディアの報道を見ていると。
Commented by マッドマン at 2008-11-02 17:33 x
米国が帝国で米国を中心に世界が回っていたのだから、各国の優秀な人間を引き寄せるのは当然といえば当然。奨学金とかでサポートして、それで米帝国中心の世界構築を強化していく、というやり方。これは大昔から人類の原則なんじゃない? それがそろそろ崩れ始めている。だから
資金不足なんでしょう。S$Pがウォール街の意向で動いているのも同様であって、今はNYが世界の金融の中心だからでしょう。まさに、米国が
今崩壊していく、ということなのでしょうね。
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-04 22:31 x
ぎんこさま

しかられてしまったようですね(違いますか?)。お許しいただければと思います。いかに少しご返答させていただきますのでどういうつもりであのように書いたかをご理解いただければと思います。

> とりあえずはちゃんとその選定基準を出しているんですね

この手のランキングで算定基準を出すのは常にそうですね。ただしいったん順位が出てしまえばその結果が一人歩きして例えばなんとか省が何かの決定をするときの理由付けにつかわれてしまうわけです。選定基準が公開されているかどうかが問題ではなく、順位がひとりあるきしてしまう、そういう意味です。私としては選定基準が公開されてないほうが信用度がないぶんだけ好ましい気がします。
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-04 22:33 x
> 結局は、「アングロサクソンはこう見る」といことでしょうね。

日本でのこの手のランキングの紹介のされ方をみてどれだけの方が「これはただ単に特定の国の人々のバイアスのかかった願望に過ぎない」(願望といったのは何を何割考慮するかは願望によって自由に決められるからです)ということが理解されているかは疑問です。むしろ自分のでた大学が何位かとか、やっぱり日本の大学はレベルが低かったのかとか、そういう見方がされているのではないでしょうか。そういった意味でこの手のランキングのジャーナリズムの中での紹介のされ方には常々疑問を感じてきた次第です。個別なてんをまるめて大学ごとの順位をだしてプロパガンダ以外になにか意味があるのでしょうか。紙面を埋める商業的意味合いはあるでしょうけど。
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-04 22:34 x
ちょっと例をあげますと例えばこの手の議論からしばしば「日本の大学はレベルが低い、それは競争原理がないからだ、競争的資金獲得を導入しよう」とかなるわけです。ところが上に述べた様に同格の大学が張り合っている米国と違い歴史的経緯からどうしても東大や京大に人が行きたがる国では見た目だけ真似をしても制度が機能しないわけです(グローバルCOEとか言っても競争するまえから東大と京大があたるのは分かりきってるわけです、あとは端数のお金をどこに振るかです)。
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-04 22:35 x
その結果起きてることは、まぁあまり喋ると差しさわりがあるでしょうから具体的にはいいませんけど私はあちこちの大学で先生をしている友人がいるわけで、大学はかなりあえいでたりするのを良く聞くわけです。それで官僚さんには決定権が転がり込んで権力の元になってたりする(近い将来大学の学長はみんな官僚の天下り先になるんじゃないですか? 日本にいるとき非常勤先でバスがなくなってもタクシー代出せないから学生の講義終了後の質問はきりすててさっさとかえれとかなったりしたわけですが、その分のお金はJABBYの審査料に化けたようです)。そのほか教育に関しても手抜きの強烈なインセンティブになるような制度が米国のまねをすることによりあれこれ導入されていたりもします。
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-04 22:37 x
それで官僚さんの世界というのは不思議な世界で制度を変えるとその結果がどうであれ業績になるようです。それで実際の現場でどんなに評判が悪くても新聞にはさも成果をあげたかのように紹介される。官僚さんってプロパガンダのプロですよ。先日もノーベル賞受賞の報道にまぎれて文部省に依頼されて書いた新制度の宣伝記事みたいのがながれてましたね。(マッドマンさんどうです?これってプロパガンダ記事でしょう、笑?)

ttp://www.asahi.com/special/08015/TKY200810080230.html
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-04 22:40 x
まあそういうわけでジャーナリストは官僚さんの意を受けた記事を流してるんじゃないかと思ってたわけですが、ぎんこさんのような優秀な方をみてどうもそうともかぎらないなと思ったわけです。またジャーナリストのかたがたも記者クラブで聞いたことをそのままかいてるのであって悪気はないのだろうな、気がついてないだけなのだろうなとも思ったわけです。まぁそれでもうすこしこの手のランキングの胡散臭さ、そして私から見て気になったことをもう古くなって誰も見てないところにちょっとこっそりかいておこう、優秀なジャーナリストの方にしっておいてもらおうとおもっただけです。そういうわけですのでまぁ気分を害されたのならお許しいただけたらと思います。(無論日本の大学が何位だろうとそんなことは私にとってはどうでもいいのです)ながながごめんなさい、釈明ですのでちゃんと説明したほうがよいかと思いましたので。あと官僚の方々が一生懸命やってくださってるのもそうなんだろうなぁと思います。ちょっとひどいかきかたしすぎたなと反省してます、応援してますよ本当は。
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-04 23:15 x
マッドマンさま

片岡先生はときどきすごい種あかしみたいなことかきますよね(笑)。「日本永久占領」(逆コース理論のやつですね)で「日本の庶民の教育水準を江戸時代の寺子屋教育に帰する今ではありきたりの手法もダレスに依頼されてライシャワーが開発したものだった」なんて感じのがあって。それをよんだときちょうど私の日本の師匠(立派な方と尊敬してます)が江戸時代の寺子屋教育を引っ張り出して雑誌に教育批判の記事書いてたわけで、笑。ハーバード神話にせよなんにせよそもそもの由来をもういちど調べると案外笑いのネタが見つかるかもしれませんね。

> これは大昔から人類の原則なんじゃない?

そうそう、あとは愚民化政策のいっかんでなにか広めるとか。「パンと見世物くばったんだしローマのは侵略じゃなかったんだ」とかいうイタリア人がいて、まぁこういう意見はどこの国でもほほえましくていいんじゃないでしょうか、笑。こうしてみると日本も覇権国家でもないのになかなかがんばってますね。製品名挙げるとしかられるか、笑。

Commented by polimediauk at 2008-11-06 03:27
男爵さま
この件で「気に障った」っていうことはないです!!逆に、そういう風に受け取られたのが不思議です。????
Commented by マッドマン at 2008-11-06 15:49 x
トラメッツィーノ男爵さんにお聞きしたいんだけど、片岡の「日本永久占領」の主題として、吉田茂を批判するというのがあるよね。片岡は晩年は
日本は核兵器を持つべきまで極端論の自己防衛論になって、誰にも相手にされずひっそりと息をひきとったんだけど、吉田茂の「世界と日本」
のエッセイの首相退陣後の懺悔「今や経済が成功したから日本は軍備を
持つべきだ」のエッセイを根拠に、値切るのはよかったけど、値切りすぎて結局日本は安売りをしてしまい、国家としてかたわになってしまったのは、すべて吉田が最後の方で米国との交渉に失敗したから、とあの
本で結論づけてますね? これについてどう思います?僕はこの10年ずっと考えているんだけど、どうも、あの狸の吉田茂の本心が読めない。
つまり、吉田茂という首相を今、どう評価したらいいかで気持ちが揺れているんです。ご意見おきかせください。 
Commented by トラメッツィーノ男爵 at 2008-11-12 05:00 x
マッドマンさま

今12日ですが、今日マッドマンさんの上のコメントを発見しました(ネットから遠ざかってました)。いや大変な宿題がでたなぁ(笑)とつぶやいてます。ちょっと今本業であれなのでご返答さしあげるまでもう一週間程おまちくださいませ(あほなことしかいえませんので期待しないでください)。

ぎんこさま

ありがとうございます。ちょっと「書き込みしたとき気が着かなかったけど不用意な書き方をしたか」と反省していたところがありましたので、「ちょっと他の人に対する文体と違うかな」とかんぐってしまいました(笑)。ちなみに男爵は「モーニング娘。」の「。」にあたりますので称号ではありません。
by polimediauk | 2008-10-21 02:03 | 英国事情 | Trackback | Comments(33)

ジャーナリズムの話いろいろ+欧州事情も


by polimediauk