小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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新たな年、新たなアイデア

 年が明け、こちらは寒い。日本のように新聞が豪華な元旦付け紙面を作る、ということもない。どことなく地味に見えるばかりの新聞各紙の中、ガーディアンに、野党保守党党首キャメロンが官僚の指導を受ける、という記事があった(Cameron to meet his match in Whitehall briefings)。もし総選挙に勝利し政権を担うことになった場合、キャメロン保守党はどのような政策を実行したいのかを官僚側に説明し、また政権発足の最初の日、あるいは最初の月には何をすべきかを官僚側が野党に説明する、というもの。第二野党自民党のクレッグ氏も同様の会合を持つ。

 今のところ、最長でも2010年には総選挙がある。これに備えて、というわけである。もともと、野党党首にこうした機会を与える慣習は1964年前に始まり、1970年代から形式化された。当初は総選挙の予定から半年前に行なわれていたが、1992年からは15ヶ月ほど前に行なわれるようになったと言う。

 さて、日本では民主党政権が成立するのだろうか?そして、準備は進んでいるのだろうか?二大政党制になっていないので、国民の側にも政権交代にはさぞかし漠たる不安があるだろう。しかし、一度パターン化してしまえば、何ということはなくなるかもしれない。

 他の人のブログを読んでいて、昔の漫画のように頭の中の電球が突然光るような思いをすることがある。前にコメントを残された方に教えていただいた池田信夫氏のブログに「所有という幻想」というエントリーがある。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b0fc34293a9512894c013e2c76a20358

 「今後100年を考えると、おそらく近代社会の基本的な枠組である所有権の意味が薄れ、情報資源は必要なときだけレンタルするしくみに変わっていくのではないか」という指摘がある。現在は「所有権=価格メカニズムという300年ぐらい続いたシステムから、次のシステムへの過渡期だろう」と。

 金融に関する分析も非常に詳しい。〔ちなみに、池田氏も複数の書き手がいるブログサイトのベータ版を今年から開始する、とのこと。やはりこうした方法は今年増えるのかもしれない。〕

 どことなくがっかりしたのが、大ファンの「ほぼ日」のエントリーだった。
http://www.1101.com/home.html (1月1日付け)

「雪が降るのをどうやめさせるか、だとか、
 なぜ雪が降ったのかだとか、歴史上の大雪だとか、
 この先の雪の対策についてとかいいながら、
 頭から肩から積もってくる雪をどうするか、
 考えてないみたいになっちゃうのは、まずいよねー。
 テレビや新聞なんかをつくってる人は、
 それが商売だからさ、さんざん語るでしょうよ。
 でも、町の人、ひとりひとりは、
 「まず、いま、じぶんはどうするか?」だと思うんです。
 世界がとか日本は業界全体がとか、
 為政者の代理みたいな顔して、考えつくしてみても、
 おそらくなんにも変らないです。」
 
 うーん、何だかさみしい考え方のような気がしてならなかった。「肩から積もってくる雪」のことを考える・語るのも、「世界がとか日本は業界全体がとか」を考えたり・語ったりするのも、どっちもおもしろくそれぞれに意義があると思うけれども。何となく、人生をあきらめきっている感じがするのだけれども、どうなのだろう?
 
 ジャーナリスト、有田さんのブログでまた元気が出た。

http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2009/01/post_87bb.html

 「ジャーナリストの仕事が歴史家に先駆けて時代をデッサンすることにあるならば、政治に直接触れる者は、この現実の重い扉をこじ開けることにこそ責務がある。私利私欲にまみれた政治家が守ろうとするものは、どんな美辞麗句で飾られようと、その根底には「私」がある」とあり、自分自身の「世直し宣言」をしている。有田氏は衆議院選挙東京11区(板橋)から立候補する予定だが、一人の個人=私として書くという部分に共鳴した。

 英国に住んでほぼ7年になった。「個人として生きる・語る・つながる」がしっくりする。

 今年もよろしくお願いいたします。希望とともにいきましょう。
by polimediauk | 2009-01-02 07:47 | 政治とメディア