小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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グアンタナモ拘束者、英国に帰国へ+ブラウンのプロパガンダ

 キューバにある米グアンタナモ基地のテロ容疑者拘束所に2004年から拘留されてきた元英国住民の男性、ビンヤン・モハメド容疑者が来週早々にも英国に帰国できるようだ。帰国後、一段落したら、一体どんなことが暴露されるのだろう?前に帰国した人のように、簡単な取調べの後、「無罪」になるとしたら、一体何のために何年も拘束されてきたのかー?弁護士はBBCテレビで、釈放の理由は「有罪であるという証拠が全くなかったから」、「政権が変わったから」と述べていた。

 経済悪化のニュースが連日だ。差し押さえ件数が昨年1年間で4万件で、これは前年より50%増だそうだ。今年は、7万5000件になると予測されている。同時に6000人が働く自動車メーカーの工場(どのメーカーかは不明)が稼動停止になるという報道もあった。

 政府は銀行救済案、自動車業界支援、雇用支援、差し押さえを待ってくれるよう(ローンの支払いを待ってくれるよう)な施策を出しているはずだが、何故かあまり効果がない。1つには経済の悪化のスピードが非常に速くて追いつかない、というのもあるのかもしれない。それと、チャンネル4の「ディスパッチ」という番組でやっていたのだけれども、「方策は良くても、これが実現されていない」という面もあるのだろう。実際、ローンが支払えなくなって、困ってローンの支払い先に連絡しても、「猶予してくれるという声は全く聞かなかった」という消費者の声が複数のニュース番組で報道されていた。

 「エコノミスト」で経済に関する記事を拾っていたら、少し前になるが、ブラウン首相は「ハイパーアクティブ」に動いているが、実際の効果があまりないという指摘の記事があった(1月8日付け)。不景気が続けば、「何もしていない」とブラウン氏が批判する野党に意外とチャンスがある・・・という内容だ。振り返ってみると、昨年の10月以降、世界に先駆けて大型銀行救済策を発表するなど、目立っていたブラウン首相(ノーベル経済学賞受賞のポール・クルーグマン氏にも高く評価されていた)。「世界を救った」と、議会でポロリと失言してしまうほどの上機嫌だったような気がする。ついこの間も英国各地を回り、「雇用支援」とうたっていたけれど、その動きの割には・・という感じがする。もしかして、情報のスピンにだまされたのかな、という感じがしている。4月2日のG20の会議は大プロパガンダ大会になるのだろうか?

エコノミスト、記事

http://www.economist.com/world/britain/displaystory.cfm?story_id=12896724
by polimediauk | 2009-02-21 07:26 | 政治とメディア