小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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マンデルソン・ビジネス相の顔に緑のカスタード・ソースを投げた事件

 マンデルソン・ビジネス相の顔に、「プレイン・ステューピッド」という運動団体の女性が、緑色の色をつけたカスタード・ソースをぶちまけた事件があった。〔カスタードクリームと言う表現がいいのか、ソースがいいのか、?だったのですが、料理に詳しい方、教えてください。どろっとしたものらしいです。)

 女性は、政府+マンデルソン氏が進めようとしている、ヒースロー空港の新滑走路建設に抗議をするための行動だった、と説明した。マンデルソン氏は上院議員で、任命されて議員になったので、国民からの信任を受けていない、とも言っているようだ。

 顔にカスタード・ソースがぶちまけられた瞬間や、顔を洗ってきれいになったマンデルソン氏のインタビュー、女性へのインタビューが全てBBCサイトで見れる。

 http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/7928946.stm

 女性は、他に選択肢がなく、民主主義も役にたたないからカスタード作戦を起こした、と述べている。その昔、女性が選挙権を得るために身をなげうった事件(1913年、エミリー・デービソンが、当時の王が所有していた馬が競馬に参加中、馬の前に身を投げ出して、抗議の意を表明。4日後に死亡)などを例としてあげた。しかし、選挙権を持ちたいと願ったデービソン女史は自分の身体を抗議のために捧げたーー一方この女性は相手にカスタード・ソースを投げつけた・・・。

 どうもこうした「一歩踏み越える」部分が、危うい感じがしてならない。まあ、カスタードだったからいいが・・。これが危険な物質だったら「テロ」になっていた。
by polimediauk | 2009-03-07 03:38 | 政治とメディア