小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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グーグルの「ストリート・ビュー」論争

 英メディアを見ていると、どことなく疑いの眼で扱われているグーグル。BBCの報道(3月20日)によれば、例のストリート・ビューのサービスで、自分に関わる映像を取り込んで欲しくないと言った人が、取り消し願いを出し、これが承諾された、というニュースがあった。この中には、男性がロンドンの「セックス・ショップ」に入る様子や、逮捕される場面、気分が悪くなっている様子などを示した映像があったという。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/technology/7954596.stm

 ストリートビューは米国で2007年に始まって、日本、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、スペイン、イタリア、オランダの映像が公開されている。

 グーグル側は「リクエストがあればすぐに取り下げる」としているが、黙っていて気づかなければいつの間にか情報が出てしまうわけで、一体これでいいのだろうか?昨年、データ保護を監督する「情報長官事務所」は、画面の一部をぼやかせば、プライバシーは守れると判断した、とBBCは伝える。

 そこで以下のBBCのビデオがあるので、見れる方は見ていただきたい。先に挙げたBBCの記事のアドレスから、下に下がると、最後にビデオがある。また、以下のアドレスでは「ニューズナイト」の番組クリップがある。ニューズナイトでは、グーグルUKのトップと、グーグルの批判者であるシバ・バイディナヤサンSiva Vaidhyanathan教授がぶつかる。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/programmes/newsnight/7954812.stm

 教授は、ストリートビューの悪い点として、「気味悪さ」を挙げている。実際グーグルが何か悪いことをしているわけではなく、また役に立つという見方があることに賛同した上で、である。「無批判に、知らないうちに使っている。どんな影響があるのかも良く分からないままに」。「ターゲットが細かすぎる。昔からテレビも視聴者に広告を売るためにターゲットを絞ってきたが、グーグルはもっとはるかに細かい。個人にターゲットを絞る」。

 グーグルUKのマット・ブリッチン氏は、グーグルは「ユーザーが誰かは分からないが、どんなサーチをいつ、どれほどやったのかが分かるだけだ」、と説明する。「グーグルを使いたくなければ、他のサービスを使う自由がある」、と。
by polimediauk | 2009-03-22 03:18 | ネット業界