英議員とカネ報道―結局、テレグラフの勝ち?
最初にこのニュースを報道したテレグラフのサイトをのぞくと、トップ記事で扱っているほか、特集面を作り、ガンガンやっている。
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/mps-expenses/
ウェブサイトを使って特集をやると、ここまでできるのかと、ある意味感心してしまう。真ん中のコラムを使って、「灰色」経費の議員にインタビューした時のビデオを載せている。右側にはこれまでの経緯や経費情報のリストやQ&A。下の方には、トイレットペーパーや冷蔵庫の氷を作るケース、サンタのチョコレートなど、議員が経費として請求した分の変なものの写真が載っている。ちょっとおもしろい。
どうやってテレグラフがこの情報を得たのか、何か非合法な手を使ったのではないか、という議論がどっかに吹っ飛んでしまうような勢いがある。編集長のウィル・ルイス氏は笑いが止まらないだろう。議員の経費問題はずっとくすぶっていた問題だし、いつもテレグラフを馬鹿にしているガーディアンの鼻をあかしたのだから。
議員とカネの問題を頭を冷やして考えてみたいと思い、「エコノミスト」に行くと、文脈などのあれこれがよく分かる。
http://www.economist.com/world/britain/displaystory.cfm?story_id=13640193
エコノミストは、これを機にいよいよ「議員の経費問題が改良される」と見る。多少なりともそうなるとすれば、テレグラフのスクープ報道は来年、いくつかのジャーナリズム賞を取ることにもなろう。
不景気で、生活が苦しくなった国民の間で、不当に多額の経費を使っているように見える政治家への不信感はさらに強くなった。保守系テレグラフはこういう国民の心をつかむのがうまい。ややもすると、右派大衆紙デーリーメール的にもなってしまうのだが。
新聞の将来については暗い話ばかりだが、紙とネットで報道合戦が続く英新聞界―数千キロ離れた日本から見ると、意外と元気があるように見える。燃え尽きる直前の、最後の花火という見方もできるけれどもー。




