小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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英国のTwitter 人気

 心に浮かんだことを140語で表現する、マイクロブログ・サービスのTwitterが英国でも人気を博している。俳優スティーブン・フライなど著名人のつぶやきが読めることで話題沸騰となったが、6月、イランの大統領選挙を巡る紛争では、政府の検閲を逃れて国民の生の声を伝える媒体になり注目された。Twitterの由来やその影響力に関して、「英国ニュースダイジェスト」(7月9日号)に書いた。以下はそれに付け加えたものである。内容は基本をまとめた形で、他にもたくさん論点が(有名人になりすますTwitterなど)あるのだが、まずは第一弾である。ジャーナリズムの観点から、前にも少し触れたが、イランの紛争報道とTwitter の関係を以下のサイトからたどってゆくのも面白いのではないかと思う。

Journalism Rules Are Bent in News Coverage From Iran
http://www.nytimes.com/2009/06/29/business/media/29coverage.html

 それと、英国の雰囲気だが、Twitter =最新のハヤリもの、何かしら格好いいもの、というイメージがあるような気がする。著名人がやっている、と部分がまず表に出たからだと思う。

有名人が続々参加
人気のTWITTERとは?


―はじまりは

 日々の感想やつぶやきを140語以内でつづる、米国生まれの人気マイクロブログサービス「Twitter」(ツイッター)が、英国で存在感を増している。

 もともとの始まりは2006年3月21日(公式オープンは7月)。米ミズーリー州出身のプログラマー、ジャック・ドーシー(現在32歳)、マサチューセッツ州出身のソーシャルネットワーキングサービスの専門家ビズ・ストーン(35歳)、ネブラスカ出身の起業家エバン・ウイリアムズ(37歳)が協力して作り上げた。オンライン上で互いに何をしているか手短に報告しあっている間に、「簡単なミニブログを作る」というアイデアを考え付いた。オバマ米大統領や米歌手ブリットニー・スピアーズ、英国では俳優スティーブン・フライや司会者ジョナサン・ロスなど著名人が使うようになって、知名度、人気度が劇的に高まった。

 Twitterの醍醐味はまずその使いやすさ。名前やメールアドレスなどの入力で簡単に登録が可能で、登録後は「今何をしているの?」という問いに答える形で今やっていることや心に浮かんだことを情報発信するだけ。利用者全員につぶやきを公開することもできれば、特定の利用者のみが読めるようにもできる。著名人や他の気になる人物が利用していれば、その人の「follower」(フォロワー、追いかけ人)となって、行動を追いかけることもできる。例えばオバマ大統領が、あるいはブリットニー・スピアーズが今この瞬間何をやって、何をつぶやいているかを、瞬時にキャッチできるのだ。著名人、家族、知人・友人たちと「直接」つながることができる、生の声が聞こえるーこれはTwitterならではの楽しさだ。

―表現行為としてのTwitter

 Twitterは、人との親交を深めるための社交ツールであるほかにも、既存メディアでは扱われない市民の生の声を瞬時に外に発信するというジャーナリズム・ツール、あるいは政治的目的のために意見を結集する政治のツールにもなり得る。

 具体例がインド・ムンバイのテロ(08年11月)、米ハドソン川に不時着水した航空事故(1月)、オーストラリアで起きた大規模山火事(09年2月)などだ。現場にいあわせた市民が直接目撃した事情を携帯電話を通じて情報発信していった。

 最近の例にはイランがある。6月の大統領選の後、現在まで政情不安が続くイランでは、国内の反体制のデモなどの報道に厳しい報道規制が敷かれた。市民が直接自分たちの声を外に発信するためのツールの1つになったのがTwitterだった。6月中旬、Twitterはメインテナンスのためサービスの一時停止をしていたところ、米国防省の官僚からメインテナンスを遅らせるよう依頼を受けた。Twitterが「重要な通信手段」と認識した上での異例な依頼だった。

 いざとなったら強力な政治運動のツールにもなりうるほどパワフルなTwitterだがその楽しみ方は利用者によって千差万別だ。単なる流行ツールを超えた存在になるだろうか。

―Twitterの始め方

①www.twitter.comにアクセスする
②サイトの説明に沿って、自分のプロフィールを入力する。
③「今何をしていますか」という問いに答える。ここで文章を入力することで、自分の最初のつぶやきができる。Twitter人生の始まり。誰に自分のつぶやきを公開するかを選択できる。
④つぶやきを追いかけたい人をサイトのFind peopleから探す。特定の人物のfollower=追いかける人になれば、その人物のつぶやきを適宜受け取ることができる。
⑤他の人から何か返答が来ていないかどうかを確かめたり、www.twitscoop.comで流行をチェックする。

―Twitter語録

Fllower:フォロワー。あなたのつぶやきを追う人
Re-tweet:誰かから送られてきたつぶやきを他人に転送する
Tweet:Twitterで情報発信する。
Tweet-up:Twitterを使う人(Twitterer)たちが直接会うこと。
Twestival: 世界中のTwitterを使う人たちが毎年集うイベント。
Twitterhood/Twitterville:あなたのつぶやきを読む人たちのグループ
Twitterfeeds:特定のニュースをwitter口座に送付するサービス
Twitterific, Tweepler, Tweetie, Tweetdecic:Twitterのつぶやきをコンピューター上あるいは携帯電話の中で整理・分類するソフト
Twitpic:携帯電話で写真を撮り、その画像を自分のfollowerたちに送付するソフト
Twoosh:140語丁度でメッセージを作ること
(参考:テレグラフ紙他)

―Twitterを使う著名人

バラク・オバマ米大統領:世界中にfollowerを25万人持つ。大統領選ではTwitter, Facebook,ウェブサイトを利用したインターネット戦略が大きな力を発揮した。
スティーブン・フライ、俳優
―「ビルの26階のエレベーターに閉じ込められちゃったよ!何時間もこのままかも。」Followerは12万人。
ブリットニー・スピアーズ、歌手
―「昨日はプールのそばでぶらぶらしてから、ツアーのための衣装をチェックしたわ」。
ジョン・クリーズ、俳優
―「で、他の人はこれを使って本当に連絡しあっているんだね?」
ジョナサン・ロス、テレビ司会者
―Followerは5万5000万人。
アル・ゴア、元米副大統領候補、環境運動家
MCハマー、歌手
ラッセル・ブランド、タレント
―Followerは2万人。
アラン・カー、コメディアン
デミー・ムーア、米女優
―「隣で建設工事。朝7時にハンマーを叩く音が。ひどい目覚めだわ!」
アーノルド・シュワルツネッガー、米カリフォルニア知事
シンプソンズ(コミック番組)
ジミー・カー、コメディアン
アンディー・マリー、テニス選手
―「ホテルのロビーで、ラッパーのプロディジーに会った!」
ボリス・ジョンソン、ロンドン市長
―本人のサイト「火災警報が鳴って市庁舎から避難した!」
―偽者のサイト「リリー・アレンを有名人大使にしようと思う」
ハリエット・ハーマン議員
サディク・カーン議員
ジェイミー・オリバー、シェフ
ヨーコ・オノ、アーチスト、故ジョン・レノンの妻

―関連キーワード

Micro blogging:マイクロブログ、ミニブログ、つぶやきブログ。コンピューターや携帯電話などを使って、短い文章や写真、動画などを特定の人に向けてあるいは不特定多数の人に向けて発信すること。発信にはサービスを提供するウェブサイトへの投稿の形をとる。投稿内容は短い文章が主となるため、更新が容易で、ほぼリアルタイムの通信が可能。「何をしているの?」などという問いに答える形での投稿が一般的。Twitter, Plurk, Jaiku、Timelogなどが著名。ソーシャルネットワーキングサービスのFacebookも一種のマイクロブログと言える。ハーバード大学の調査では、Twitterの交信のほぼ90%は登録したユーザーの10%が発信したものだそうである。
by polimediauk | 2009-07-10 18:22 | ネット業界