小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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アフガンで英兵死者、続出

 アフガニスタンで、英兵の死者が相次いでいる。たった1日で8人亡くなり、アフガンで命を落とした英兵の数は184人となった。どこの新聞もこれがトップに来ていた。

 本当に痛ましい限りだが、「一体、それでタリバンの方は何人殺されたんだろう」?と思うとこれまたさらに恐ろしい。英国と日本は似ているという人が時々いるが、この点をとっても、全く違う考え方の国であることが分る。

 テレグラフ紙に、ローリースチュワートという人が、「勝てない戦争だ」という趣旨の論考を寄せている。

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/afghanistan/5797197/Afghanistan-a-war-we-cannot-win.html

 民主的国家を作り上げ、タリバンを征伐し・・・なんていう壮大な+非現実的な目標はやめて、まずは現在の派兵数をぐっと減らし、アルカイダを征伐するという目的のために、2000人ほどのSASを送るべき、などと書く。内戦が続き、中央集権政府が事実上機能していないような国で、外国勢力が短期で壮大な+不明瞭な目標の実行などをできるわけがない、・・・と。スチュアート氏は本も書くが、元兵士、元外交官で、今はNGO活動もやっている。

 この痛ましい死をきっかけに、大きな方向の見直しが始まるといいのだが。アメリカと一緒に夢物語を追ってはいけないのだ。

 反戦運動は大きく高まっても、軍隊自体への批判は、「わが息子たち、娘たちを戦場に送っているから」という理由でこれまであまり大きくならなかったと思うけれど、これを機会に是非是非、方向転換をしてほしい。「帝国」はもうやめたほうがいいのだが。

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ご関心のある方は、「ニューズマグ」3月掲載の以下もご参考に。

アフガニスタンの将来を考えるー英中東専門家の見方:「米軍増派の効果は期待薄」


http://www.newsmag-jp.com/index.php?s=%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3
by polimediauk | 2009-07-12 06:20 | 英国事情