日経+英編集者協会会議報告(上):「新聞協会報」より
イメージとしては、今、私はプレス・ガゼット紙(電子版)を購入しているが、これは電子ブックのようになっていて、言葉をサーチできる。過去のアーカイブの利用も可能だ。これをさらに深くしたものなのかなと思った。
海外に住んでいると、日本の新聞を読みたければ衛星版を通常は買うのだろうが、非常に高額になる。しかし、電子版だと日本で読んでも海外で読んでも購読料は同じだろうから、期待大である。衛星版はこれで売れなくなってしまうということになるのだろうか?
一つ、気になったのが、今自分が電子版を購入しているいくつかの媒体だが、例えばスポーツクラブの会員のように、「会費(購読料)のみ払って、読む機会が意外と少ない」状況になったりする。やはり紙の方が読みやすい。電子版購読にしたことで、「とりあえず全て目を通す」(見出しだけでも)がなくなった。ある意味では情報がありすぎる。別の意味では情報が探しにくいーいっぺんに俯瞰することができない、などの理由がある。もちろん、サーチをかけることはできるのだけれど。この点、うまく説明できないが、電子版にした場合、読まない記事がものすごく増えるだろうと思う。読者にとってはマイナスの面もあると思う。紙版も電子版も読めるようであるのが一番いいのだろう。
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先日出席した「ソサエティー・オブ・エディターズ」(英編集者協会)の会議について、2回に分けて「新聞協会報」に書いた。以下は25日掲載号に若干付け足したものである。
英編集協会年次大会(上)
―「反撃する」がテーマ
英国内の新聞・通信社、放送局の編集幹部が加盟する「ソサエティー・オブ・エディターズ(編集者協会)」が15日から3日間、英南部スタンステッドで年次大会を開催し、経営幹部やジャーナリストを含む200人以上が参加した。インターネットの普及によるメディア環境の構造的変化と、近年の広告収入の減少で危機にひんする現況に「反撃」することをテーマとした今回の大会では、新たなネットテクノロジーの活用方法、サイト閲覧課金を含む収入源拡充の可能性、先細り状態にある地方メディアの将来などに議論が沸騰した。2回に分けて紹介する。
2日目のセッションで市場調査会社エンダース・アナリシス社のクレア・エンダース社長は「英経済は日本、ドイツ、フランスよりも状況が悪い。来年も引き続き景気後退が続く」と予測した。不景気は読者の新聞講読や広告主の出稿意欲に悪影響を及ぼし、「特に地方紙に大きな打撃を与える」と述べた。
英新聞雑誌部数公査機構(ABC)によると、今年上半期(1~6月)の英紙発行部数は、全国紙が前年同期比(以下同)で4・5%減。地方紙は10・0%減だった。各紙が進めてきたデジタル戦略についてエンダース氏は「ウェブサイトへのアクセス数の増加に貢献したが、人員を20-25%増加させた結果、コスト負担も増加した」と指摘。失われた紙媒体からの収入をオンライン収入では補えない中、最悪の場合、国内の約1300の新聞のうち半分が今後5年間で廃刊になる可能性あると予測した。
一方、メディアコンサルタントのジム・チショルム氏は、ページ数の減少、印刷代の効率化、編集局員の削減などの経費削減努力や景気の回復により、新聞社の営業利益は今後5年間で現在に比べ50%上昇すると語った。また、廃刊の比率は「多くても10%」と述べ、エンダース氏ほどの悲観的な見方には同意しないとした。
しかし「一定の発行部数がない新聞は廃刊にならざるを得ない」として、高級紙の中で最も規模が小さく、部数の下落幅が大きいインディペンデント紙は「生き残れないかもしれない」と述べた。
同日の別のセッションで地方紙発行大手トリニティー・ミラーの地方紙部門のニール・ベンソン氏は、新たな収入源を確保するため、広告業への参入を提案した。「不偏不党の報道機関としての新聞社の本筋から離れるようだが、将来の収入源の行方が不透明な中、背に腹は代えられない」として、広告会社業務の開始に加え、①顧客に検索エンジンの最適化の方法を有料でアドバイスする②地元自治体のサイト構築を引き受ける③地元企業に動画制作サービスを提供する--ことなどを提案した。
同じセッションで広告会社ヒュージのモーガン・ホルト氏は「ニュース提供は利用者へのサービスと捕らえてほしい」「利用者のニーズを知り、これに沿ったサービスを提供するため、ソーシャル・メディア・サービスの活用などを積極的に考えてほしい」と述べた。(12月1日掲載号に続く。)




