小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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ポーランド大統領、死す ―テロの可能性はないのかどうか?

 ポーランドの大統領とその一行が乗っていた搭乗機が墜落し、こちらでは大騒ぎになっている。

 大統領は第2次大戦中にポーランド軍将校や捕虜約2万人が旧ソ連の秘密警察に虐殺されたカチンの森事件の追悼式典に夫人と出席する予定だったという。

 すぐに思ったのは、「テロではないのか?」ということ。本当に事故だったんだろうか?もうプーチン氏は現地に駆け付けたようだが、それにしても、である。この間のモスクワのテロも本当は誰がやったのかな?と思うほどだ。

 何せ、「カチンの森」であるし、ロシアである。私には何の特別な情報もないが、ロシアでは反体制の記事を書く新聞記者が随分と殺されているのである。ポーランドが反体制だ、というのではない。ましてや、大統領一行を「殺害」「テロ」なんて、これがもし本当だったら、ある意味、2001・9・11テロよりデカイ。要人のみの(それも90人以上!!)、かつポーランドという一国に特定した死なのだから。本当にすごいことである。亡くなられた方へ、心から合掌。(そういえば、ロイター通信の日本人記者も、亡くなられた。合掌。まさに戦死であろう。)

 この飛行機「事故」の解明が本当に充分に行われるといいのだが。ポーランドではたくさん「ロシア陰謀論」が出るだろうな。ロシアが全くのシロでも、周辺国に「怖いな」という思いを与えるに違いない。(逆に、ポーランドの反対派があえてやったとか?ー事実は小説より奇なのである。)

 今回の事故がテロかも?と思ったのは、「テロ」というか、誰かが故意にやったのかなと思ったのは、「殺してでも目的を達成する」という人は世界にゴマンといるからだ。時々、日本の・日本人の感覚(=私)でいろいろ判断して、世界の様々なことを善意で解釈したり、民主主義がすぐ育つと思ったり、外交で解決できると思ったりしていると、足を救われることがあると思う。

 脅かすようだけれどーーイラクの絶えることがない爆弾テロや誘拐(石油利権、外国勢への反発)、中央アジアの人権無視政府(某国で外交官だった人の話を読んだのだけれど、人権に対する感覚が、普通の先進国の比ではない―まったく違う感覚)、他にもいろいろな例があるが、言葉を慎重に選ばないと「差別主義」とレッテルを貼られて、首を絞められる(比喩である)ので、ここらで止めたい。

 いずれにしろ、ポーランドとロシアの関係はこれでかなり難しいものになりそうだ・・・。

 カチンの森事件はウィキペディアにもあるので、是非一度は見ていただきたい。ソ連側はこの事件がソ連の手によるものであることを、ずーーーーーーっとひた隠しに隠していたのである。

 ・・・・ロシアやプーチンを悪魔視してここまで書いたが、あくまで私の心に浮かんだ思いである。さて、明日以降の英紙がどう書くか。

 
by polimediauk | 2010-04-11 07:06 | 政治とメディア