小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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タイムズの有料サイトが試験的にオープン(6月末までは無料)


 タイムズとサンデー・タイムズの有料閲読ウェブサイトのサービスが、1日から始まった。

http://www.thetimes.co.uk/tto/news/

 有料・・・といっても、6月末まではお試し版ということで、閲読は無料である。

 FAQのリストがあって、「こんな場合にはどうするか?」の質問に答えがついている。

http://www.timesplus.co.uk/welcome/tp_faq_pg.htm

 読めば読むほど、「実によく考えられているなあ」と感心してしまうーもちろん、社運をかけてやっているのだし、本当に「よーく」考えた結果なので、当たり前だろうけど。

いくつか気づいた点。

①今のところ、無料で読めるが、とにかくも名前の登録を勧められる。有料の支払いのためのカードの登録とかはせずに、「とにかく登録のみ」でよい、と。だから、「2-3分しか時間はかかりません」とある。
②紙媒体の定期購読(月曜から土曜のタイムズと、日曜日のサンデータイムズ)をしている人は、ずーっと無料である。
③「タイムズプラス」という読者向けディスカウントサービス(イベントなどに安い料金で参加できる)やほかのタイムズが提供するサービスを利用している人などは、来年の春ぐらいまで、無料で読めるー有料閲読にするのかどうかを後で決められる。
④料金は、一日だと1ポンド=約130円で(紙媒体の値段と同じである)、1週間だと2ポンド=260円である。「1週間で2ポンドっていうのは、安すぎないか?」と聞かれて、「適正価格だと思う」と答えている・・。
⑤「電子版だけになって、紙はいらないと思っているんじゃないか?」と聞かれ、これも否定している。
⑥検索とか、RSSにしている人は、引っかからなくなるようだ。でも、しばらく使ってみて、それから「登録すれば、引っかかるよ」と。
⑦実際の画面を見てみると、当日の紙の新聞のレイアウトがそのまま読める、つまり、電子ペーパー状態のものも読める。
⑧ウェブサイトの各紙面は、ホワイト面が多くて、きれいな感じ。

アート面
http://www.thetimes.co.uk/tto/arts/
ライフ面
http://www.thetimes.co.uk/tto/life/
オピニオン面
http://www.thetimes.co.uk/tto/opinion/
いわゆる1面に相当する最初のページがこんな風に
http://www.thetimes.co.uk/tto/news/

⑨有料サイトの「売り」は、コンテンツの深みということらしい。つまり、ビデオが増えたり、著名人やコラムニストとのチャットがあったり、と。
⑩白地+ダークブルーとカラフルさ=どことなく、ガーディアンのウェブサイトに似ている感じもするけれど。

 この有料サイトがどれだけ人気になるのかは、もちろん予想がつかない。ただ、見た感じだけで判断すると、「長く読んでいたい」思いがした。思わずいろいろ読みふけりそうな・・・。通常の新聞社のウェブサイトには長くいたことはほとんどないのだがー。それと、非購読者にとっては、「わざわざ買いに行かなくもよい」のがスゴーク楽である。どの新聞もサイトの閲読を有料にしてしまったら、読者としては困るのだが(いっぺんに払えない)、「1つぐらい有料でもいいかな」「1週間で2ポンドって、安いしな」と。そんな感触である、今のところ。好奇心もある-いったいどんなサービスになるのかな、と。内容がつまらなかったら買わないだろうし。

 今まで無料であったのが有料になるとき、たとえばアイチューンみたいに、「無料もあるけど、そんなに高くない有料もあるよ」というのであれば、受け入れやすい。タイムズは紙で買うと一部1ポンド(平日は)なので、一部買いと同じ料金であるところが「ニクイ」感じがする。さて、どこまで読者を得られるだろう?(注:上のサイトは、いったん登録してから見たものもあったので、もし飛べないものがあったら、とりあえずお許し願いたい。)




by polimediauk | 2010-06-02 07:48 | 新聞業界