タイムズの新サイトとiPad
まさかコピーできないようになっているわけではないだろう。ただ、この点について心配している人は今のところ、少ないようだ。
むしろ、もっと「?」となるのは、新聞社のウェブサイトは常に競争をしているので、たとえば著名人とのチャットなど、有料タイムズが売り物にしているサービスや、すっきりしたウェブサイトのデザインを、ほかの新聞社も真似るということはあるだろうと思う。有料でないと展開できないサービスというのは、一般ニュースではなかなかむずかしいといわれているが、他紙のサイトが同様の「特別な」コンテンツを出していく可能性はあると思う。お互いに質の面で「ここまではできる」という標準を互いにあげてゆく・・・という、切磋琢磨状態になるのかどうか?
iPadとウェブサイトの料金面の不合理を指摘しているのは、ガーディアン系のペイドコンテンツというサイトである。何でも、タイムズが1日で1ポンド、1週間で2ポンドというウェブサイト閲読料金を課している一方で、アイパッドでは、これとは別に28日間で9・9ポンド(約1400円)という料金で読めるようにしている。ウェブサイトですでにお金を払っていても、アイパッドで見るにはこの料金を払わないといけないー逆に、アイパッドですでにこれを払っていても、サイトで見たいなら、別料金を払わないといけないのである。
http://paidcontent.co.uk/article/419-on-ruperts-ipad-times-sky-tv-show-different-charging-approaches/
タイムズ側の理由付けとしては、「サイトとアイパッドでのタイムズは別物である」ということ。
アイフォーンと比べて、画面が大きいアイパッドでは、通常のウェブサイトはぐっと見えやすく、アイパッドで読むからといって新聞社がどんどん(高額の)閲読料を課金しだすと、使い手・読み手にとってはしんどいことになろう。
ちなみに、フィナンシャルタイムズはアイパッド用アプリを2ヶ月間は無料で提供しているーといっても、ウェブサイトで登録して、無料で読める本数が限定される、という設定はそのままである。
アイパッド以外のタブレットがどんどん人気になって広く普及した時(少なくともアイフォーンぐらいは)、有料の壁は低くなるだろうか?逆に、有料化一本やりになるのか?なんだか分かれ道になりそうだ。