小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


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ロンドンの無料紙「CITY AM」がやっと黒字化

 新聞の話で、お金の面からはあまり良いニュースはないものだが、ロンドンの無料経済・金融紙「CITY AM」(シティー・エーエム)が、創刊5年目にして初めて黒字化した、というニュースが「プレス・ガゼット」に出ていた。

http://www.pressgazette.co.uk/story.asp?sectioncode=1&storycode=46097&c=1

 今年上半期(1月ー6月)の数字で、営業利益が54万6000ポンド(約7100万円)。前年同期は30万2000ポンドの営業損益となった。税引き前利益が42万3000ポンド。

 英新聞業界全体にとって朗報になるのが、広告収入の前期比39%増。今後、この傾向が続くのかどうかは不明だが、ほかの新聞も大きな期待をかけるだろう。

 ただし、創刊時からの投資とこれまでの負債(総額800万ポンド)を埋めるには、道のりは長い。

 シティーAMは、ロンドンとその周辺の通勤圏で無料配布されている。一時、かなり人員削減をしていた。見出しや文章の内容をチェックする職(サブエディター)をずいぶんと減らしたと聞く。

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 四方山話だが、ラジオで小耳にはさんだのが、ウィキリークスのジュリアン・アッサンジ氏の人物像。ガーディアンのデービッド・リー記者が、ニュース番組出演中にアッサンジ氏について聞かれた。リー記者は、アッサンジ氏のロンドン滞在中、自宅に泊めたことがある。「変わった人物。白い頭髪に赤い皮のジャケット。昼と夜中の区別がない感じで、いつも忙しく動いていたー」。

 
by polimediauk | 2010-10-07 14:31 | 新聞業界