小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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日中 世界の人の声


意見は様々

 BBCオンラインでは、日中関係に関する意見の募集をしている。寄せられた意見は、オンラインのエディターが選んでウエブサイトに載せて行く。名前、メールアドレス、住んでいる都市あるいは国を入れるようになっている。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/talking_point/4436425.stm

 かなりたくさんの意見が掲載されているが、以下はその一部。プリントアウトしてみると、現在(18日午前)、A4の用紙で40頁ほどになる。内容は、どちらかに偏っているというよりは、ほとんど全ての論点を網羅しているように見える。(日本は過去の過ちを認めるべき、日本と中国がアジア地区でのライバルになっている、日本人の多くは悔恨の念を持っている、「日本は過去の過ちを認めるべき」と言う人は、自分たちの国はどうなのか?アメリカやイギリスは?中国もチベット、天安門などで抑圧行為をしているではないか、早く抗議が収まって欲しい、日中が協力して欲しい、など。)バランスがとれているのは、おそらく、投書が日本、中国のみならず、ドイツ、イギリス、アメリカなど当事国以外から来ているせいもあるだろう。オンラインのエディターの方でも、異なる視点を紹介することに心を砕いているようだ。「意見のバランスを反映するようにしている」と書かれてある。結果的に、今回の日中関係を様々な角度から見る場合の論点を与えてくれるものとなっている。

 若干の抜粋の紹介。

 「日本は過去に立ち向かう必要があると思う。まず中国で起きたことを謝罪するべき。いつも否定を続けて、状況を悪化させている、例えば靖国神社への参拝をやめないし、琉球諸島の件で中国政府を怒らせている。一方の中国も完全に無実とは言えず、多分、すぐに非難を浴びせすぎる。毛沢東の時代に餓死した数百万の人はどうなったの?チベットでの残虐行為は?天安門広場は?あれほど多くの人が日本に対してあれほど厳しく抗議するために集まるなんて、私は疑いの目を持ってみている。中国政府が何らかの形で関与していたのでは?」(香港、以前は東京在住のケイト)

 「これは表現の自由がおかしくなったということだけじゃないか。日本で教科書の検定が行われるのは事実が正確かどうかを基本にしているのであって、偏見があってそうしているのではない。ほとんどの日本人は、ドイツ人の大部分と同様に、第2次世界大戦で起きたことに対する責任を感じている。一握りの日本の極右の人々が日中関係を不愉快なものにしているのは、恥だと思う」(ダリル・ルカウント、ドイツ)

 「私たち中国人が世界に向けて私たちが考えていることを話すと、あなたたちは私たちが政府に操作されているという。沈黙すれば、人権が守られていない、と言う」(リュー・ウエイ、中国)

 「教科書の問題は副次的問題で、本当は、中国と日本がアジア地域での経済成長、権力、影響の面で戦っているのだと思う。中国は第3の国連常任理事国が隣国であってほしくないし、日本も中国もガス田からのエネルギーを必要としている。ライバルの戦いが早く収まって欲しいと思う。コントロールが効かないほどにならないといいと思う」(コリン・バーネル、イギリス)

 「私自身の国であるアメリカがドレスデンを爆撃したことの間違いや、広島と長崎を原子爆弾で破壊したことを認め、謝罪していないのに、日本人に対して大戦前後に中国でしたことを認めるよう言うことができるだろうか?」(デビッド・ホッジス、アメリカ)

 「中国の理性的な学生の一人として、2国間の最近の緊張関係をとても心配している。たとえどんな論争があろうとも、この地域に平和を維持し中日関係を正常化するための正当な方法を探すべきだ。もちろん、これを行うには、歴史を直視し、過去の間違いを受け止めることが必要だ」(ダニー・メン、中国)

 「私は日本人だ。日本が戦争中にどんなことをしたのかは学校でならった(もちろん、悪いことだった)。また、日本の首相たちがこれまでに日本の戦争中の行いに関して謝罪してきたし、これからもそうするだろうことを知っている。大手の新聞は過去の行いに関して機会があるごとに記事を掲載してきたし、日本人が忘れることはないと思う。私が疑問に思うのは、日本の戦時の行いに関して日本を批判する人々の中で、何人が問題となった教科書を読んだことがあるのか、また中国や韓国の教科書のことをどれだけ知っているのだろう?どんな学校の教科書も、ある程度は、子供たちに愛国主義を奨励するために書かれている。私の言っていることは正しいだろうか?アメリカやイギリスの教科書で、ジョージ・ワシントンがどう説明されているか、見てみるといい」(サンシロー、東京)

 「何故日本はドイツがしたようにできなかったのだろう?日本が最近したことは、傷口に塩をすりこむようなことだった」(デニス・リー、香港)

 「日本と中国はともに悪い。両国ともに大きな規模の残虐行為をおかした、そして今はなんとも思っていない」(マーク、イギリス)

 「日本は、歴史を捻じ曲げることに何の呵責もないのに、国連常任理事国になりたいなんて、驚くばかりだ。日本人がどう考えるか、理解できない。ソウルや北京での大規模なデモが、いかに日本がアジアで人気がないかを示している」(ホング、トロント)

 「学校の先生やマスコミ報道を通じて、中国が思うよりははるかに、私たちは悲劇について学んできた。大部分の日本人は後悔の念で一杯だという事実を強調したい」(イトウ・タカシ、東京)
by polimediauk | 2005-04-18 18:14 | 日本関連