小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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ウィキリークスのアサンジ氏、保釈へ (後、保釈されないことに)

 (後、検察側が保釈決定に対し不服申し入れをし、14日には保釈されず。以下はその前の話です)

 ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジ氏は、ここ1週間ほど、ロンドンの刑務所に拘束されてきたが、本日14日、裁判官が保釈を認めたようである。この後、検察側が高裁に不服を申し入れ、これが認められたら、保釈されない可能性もある。

 今回は、裁判所内からのツイートが認められ、裁判の過程の一部始終をガーディアンやBBCなどが報じた。

 今、動きが激しいため、ツイッターを中心に情報発信しております。

 もしよろしかったら、(アットマーク)ginkokobayashiをフォローください(日本語)。英語はアットマークginkotweetです。ツイッターを利用すると、私のツイートを見るだけでなく、他のたくさんの人(もっと情報を持っていたり、さまざまな視点を持つ人)の声が同時に読めるので便利です。

 それと、少々気になったことを書いておきます。

 *公的機密情報がどんどん暴露されることへの不安感・懸念=これを時々、つぶやかれる方がいらっしゃいます。ブログで意見を書かれる方も。しかし、決して、「なんでもドンドン、暴露」というのではなく、目的(公益)があって、機密情報を出しているという、いわゆる「公益のための告発行為」として、私はウィキリークスを受け止めています。
*公的機密情報を暴露することは、違法です。しかし、「公益のためにあえて」という部分に、大きな意味があると思います。
*この点を了解するかしないかで、ウィキリークス(や他の同様の告発行為)の善悪の判断が変わってくると思います。「公益のための告発」=社会にとって善である=という点を、了解するかしないかー。もしこの点自体を懐疑の対象とするのであれば、議論がある意味成り立たないというか、話の前提が変わってきます。この部分で悩んでいる議論が、日本語では多いような気がするのですが、いかがでしょうか。(だから悪いとか、遅れているという意味ではありませんがー。)
*それと、公的情報を「原則、すべて国民が知るべきものである」と考えるか、「何を公開して、何を公開しないかは、役人や政治家が決めるものだ」「私たち国民は役人や政治家に、その判断をゆだねているから」と考えるか、考えないかー。私は、公的情報は原則、すべて国民が知るべきものだと思っています。役人や政治家が何を公開するかしないかを決めているのは、あくまで便宜的に、国民のためにしているだけであって、国民の方で「その情報は出すべきだから、出して欲しい」といわれたら、さっさと出すべきであるし、そんなリクエストが来る前に、さっさと出しているべきだと思っています。もしどうしても、どうしても公にはできない情報があるなら、その理由をしっかりと国民に伝えるべきだし、その理由は誰もが納得できるほど、十分にしっかりした理由がなければならないと思っています。

・・・なんだか、長くなりました!!!かつ、とても息巻いて書いてしまいましたが、要するに、「空気みたいに普通のこと」だと思うのですが、なんだかそうでもないようなので、あえて、書きました。
by polimediauk | 2010-12-15 02:02 | ウィキリークス