小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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党首のインタビュー

今見て、後でもじっくり見る

 党首のインタビュー_c0016826_312180.jpg英総選挙の投票日が5月5日に迫り、選挙戦たけなわだ。

 昨年のアメリカの大統領選挙ではインターネットの存在がかなり大きかったようだが、米国のように候補者が草の根の支持を広げるためにネットを使う、という方法よりも、英国では既存のメディアが議論の場を提供する、といったやり方が目立つ。

 例えばBBBCの存在が大きい。BBCは約27億ポンドの運営費を主に受信料から得ているが、こうした巨額の費用が、ある意味では自動的に入ってくるという環境を活用し、デジタル放送、デジタル配信にかなり力を入れている。

 選挙戦でもこれが生かされていて、例えば先週は3大党首がそれぞれ30分間、名物キャスターのジェレミー・パックスマン氏にインタビューされたが、これは午後7時半から放映された。その場で番組を見ても良いが、もし時間的に見れなかったら、あるいはじっくりもう一度見たければ、BBCオンラインのサイトから、インタビューのビデオを見ればよい。http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/vote_2005/frontpage/4473417.stm

 今日(28日)も、また別の番組があるが、これは「クエスチョン・タイム」という番組の特別版だ。視聴者が100名ほどホールにあつまり、いくつかの質問を政治家などの数人のパネリストに聞く。どんな質問がでるかはあらかじめ分かっているものの、答えは千差万別で、質問者以外の視聴者も挙手して関連事項を質問できる。

 特別版では、また3大党首がそれぞれ出演する。今回は、数人のパネリストでなく、30分毎に時間を区切って、一人の党首対160人の視聴者という構図になる。党首側は逃げも隠れもできない。

 一旦番組が始まると、http://news.bbc.co.uk/のメイン頁からQuestion Timeのビデオの頁に入ることができるので、見ている途中で、自分のコメントを送ることもできる。

 BBCに限らず、英国のニュース番組では、番組の途中で、何らかのコメントをメールしたりすることが頻繁に行われている。ニュースに限らず、ショッピングができるような番組もある。

 また、今回のクエスチョン・タイムはウエブサイトで、後でじっくり見ることもできる。

 もちろん英国の視聴者のみに限らず、誰でも、ネットにアクセスできる人ならば、そのやりとりを好きな時間に見れる。

 双方向の放送やオン・デマンド放送は選挙戦の期間のみならず、テレビ番組でどんどん使われている。

 日本でも、おそらくそうなっていることだろう。

 放送とネットサービスの境目が、刻一刻と狭まっていくようだ。(もう境目などないのかもしれない。)
by polimediauk | 2005-04-29 03:16 | 政治とメディア