小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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ロンドン五輪⑥ 27日の開会日の朝、英国中の鐘が鳴る

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 来週金曜日の27日、英国ではロンドン五輪開会を祝うイベントが一斉に始まる。

 運営委員会が送ってきた資料によれば、まず、午前8時過ぎから3分間にわたり、国内の鐘(教会などにある大きな鐘や自分が手に持つ鐘でもよいらしい)が鳴り響く。音頭を取るのは、斬新な芸術作品に贈られる「ターナー賞」の2001年の受賞者で、奇術師のマーティン・クリードだ(上の写真の真ん中の男性、クレジット:Chris Watt)。

 その後は、海軍、陸軍、ナショナル・トラスト、国立劇場、国教会、アーツ・カウンシル、外務省、国立サッカー博物館、ロンドン市長のオフィスなどなど、たくさんの団体がさまざまなイベントを国内各地で催す。その模様はBBCで放映され、約1000万人がテレビやラジオで視聴する見込みだ。

 先の「鐘」だが、何でもよいそうだ。自転車のベルでもいいし、ドアの呼び鈴でもいい、と。誰もが簡単に参加できる。よっぽど人気のないところにいて、テレビもラジオもつけていない人を除けば、英国にいるかぎり、鐘のキンコン、カンコン(あるいはチリン、チリン?)といった音が聞こえてしまいそうだ。

 5月に開始され、国内のほとんどを回ってきた聖火リレーは、この日、最終日を迎える。27日の朝、まず、かつてヘンリー8世が根城にしていた、ハンプトン・コート宮殿から出発し、ここで有名な「メーズ」(=「迷路」)を通り抜ける。エリザベス女王の特別船「グロリアーナ」号に設置された儀式用聖火台に火をともした後、数人の走者が聖火をタワー・ブリッジまで運ぶ。この橋に五輪競技を示す5つの輪が備え付けられているのを、見た方もいらっしゃるだろう。

 その後、聖火は夜の開会式が始まるまで、ロンドン市長舎に置かれている。(昨日のイブニング・スタンダード紙によれば、地下鉄にも運び込まれる、と書いてあったが、どうだろう。どの駅になるかは極秘だ。)

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 午後9時ごろから、映画監督ダニー・ボイル(「スラムドッグ$ミリオネア」など)が演出する開会式典が始まる。テーマは「驚きの島」(Isles of wonder)である。イングランド地方の田園風景をイメージしているようだ。(上の写真はそのミニチュア・モデル。クレジット:LOCOG)

 式典の様子はテレビで放映されるが、同時に、ロンドン各地やそのほか国内のあちこちに設置された、「ライブ・サイト」という大きな画面でも見れるようになっている。(場所の情報は:http://www.london2012.com/join-in/live-sites/)

 サンデー・タイムズ紙は、ポール・マッカートニーが式典の最後にビートルズ時代のヒット曲「ヘイ・ジュード」を歌うと伝えている。

 同じ夜、「オープニング・ナイト・イン」と名づけられたパーティーが、各地で行われる予定だ。

 2008年の北京五輪のような、度肝を抜くようなでかさや豪勢さは期待できないだろうが、多くのシニカルな英国人たちも、この日ばかりは飲み物を片手にどこかの画面の前に(あるいは式典会場に)集まりそうだ。

 これまで、運営者側のさまざまな不手際が報道されてきたが、お祭り気分に浸る時がすぐそこまで来た。
by polimediauk | 2012-07-20 22:51 | ロンドン