小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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紙面がそのまま読める


新聞の工夫

紙面がそのまま読める_c0016826_7475496.jpg 新聞社がオンラインサイトを作るのは当たり前のことになっているが、ただニュースを流すだけでなく、新聞紙面がそのままの形でサイトの画面上で読める、というサービスを開始しているところもある。

 日本では始めたところはあるのだろうか?例えばイギリスやオランダでも、こうしたサービスがある。一定の購読料を払うと読める、という仕組みだ。前に、アメリカの週刊誌ビジネス・ウイークがやっているのを見たことあったので、こうした動きはアメリカのほうが進んでいるかもしれない。

 とりあえず、どんな風になっているのかを見ていただきたい。

英ガーディアン
http://digital.guardian.co.uk/demo/

英ファイナンシャル・タイムズ
http://specials.ft.com/vtf_pdf/240505_FRONT1_LON.pdf
〔定期購読者向けに、PDFで配布〕

オランダ・デ・テレグラーフ
http://telegraaf-i.telegraaf.nl/daily/2005/5/24/TE/TE_2S_20050524_1/pagina.php

ガーディアンとテレグラーフは同様のことをしているようだが、上の例では一番実際の使用感が分かるのがテレグラーフだったので、ご参考までに。オランダ語が分からなくても、やろうとしていることが、分かるようになっている。

 あの手この手で読者をつかむ・・・そんな努力の一環だろうか。サイト上で新聞紙面そのものがきれいに出るのを見るのは、どことなく楽しい。

 ガーディアンの場合、今月上旬の総選挙時には、選挙結果の解説を政治部長が録音したものを流したり、ブレア首相の勝利宣言のスピーチ(BBCから借りた画像)などもサイトから見ることができた。段々、「新聞=紙」という定義から外れた存在になっているようだ。

 また、先週オランダに行ってきたが、駅の構内にいると、無料新聞のメトロと、これに対抗するスピッツという同様の無料新聞が、スタンドに置かれていた。駅の出口でも、それぞれの新聞を手に持つ販売員が、通勤客に手渡す光景を目にした。

 自宅購読率の高い日本では、こうしたことをしなくてもいいのかもしれないが、新聞競争の現場を垣間見たように思った。

〔追記)日本の新聞、他

kockoさん、ありがとうございました。産経は紙面がそのまままでも、一ヶ月2100円とは、紙の新聞料金よりも安いようですね。海外にいると日本の新聞〔紙)はとても高くて手が出ませんでしたが〔最も安い大手新聞でも月に約7000円)、これくらいの値段ですと、買おうかなと思いますね。デジタル版ガーディアンは、日曜版のオブザーバー紙を含んだ値段で日本円で約2000円、月曜から土曜のガーディアンのみだと1800円ほどでした。

オンラインで、無料で、過去の記事も含めてほとんど無料で読めるのは、イギリスの大手新聞ではガーディアン、デイリーテレグラフなどでしょうか。タイムズやインディペンデントは一定期間を過ぎると記事を一本毎に買うシステムになります。

フィナンシャルタイムズは定期購読料が月に約4800円に加え、過去の記事をオンラインで読む契約に年に約1万円、さらに他社の記事やPDF判などを見たい場合は月に2600円ほどかかります。高いです。

それでも、過去記事が無料でオンラインで読めるガーディアン、オンライン購読料を払わないとたくさんの記事が読めないようになっているファイナンシャル・タイムズのどちらも、英国内よりも海外からの購読者が圧倒的に多く、大人気となっているようです。英語という言語を使っているために、海外からの購読者がとれる、というのは、強みかもしれません。
by polimediauk | 2005-05-25 07:46 | 新聞業界