小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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WAN 世界新聞協会の総会


 韓国で6月1日まで開かれた世界新聞協会(WAN)の総会での報告によれば、オンラインメディアの挑戦にも関わらず、新聞業界はまだまだ健在だという。http://news.bbc.co.uk/1/hi/technology/4595605.stm (BBCのレポート)

 http://www.wan-press.org/ (WANのサイト。ただし、メンバーでないと報告書の全貌は読めない。会費が750ユーロ、約9万9千円、ということで、何とかならないものだろうか?)

 BBCの報道によれば、この会議の出席者は1300名で、2004年は世界的に新聞の発行部数が伸びたという。

 WANの代表のティモシー・ボールディング氏は、世界的に新聞の販売は前年に比べて2・4%上昇。広告費も上昇した。開発途上国だけでなく、先進国でも新聞業界は前年より成長。

 2004年は一日に3億9500万部が発行され、多い順から、中国(9350万部)、インド(7880万部)、日本(7040万部)、アメリカ(4830万部)、ドイツ〈2210万部〉となった。新聞社が運営するウエブサイトの読者は前年に比べて32%増加し、これは5年前と比べると350%の増加。広告収入も前年比で5・3%の増。

 「世界の新聞業界はルネッサンス期を迎えている」としたボールディング氏だが、他のスピーカーからは、携帯電話、電子メディアなど、読者の嗜好にあった配信方法をこれからも工夫するべきだと言う意見が出たという。
by polimediauk | 2005-06-02 01:11 | 新聞業界