性犯罪と核の報道 日英の違い
再犯の可能性を疑わない英国
現在、東京に短期滞在中だが、今晩(13日夜)のテレビ番組「TVタックル」で、再犯を防ぐために、性犯罪の前歴のある人の個人情報を警察が把握できるようにする、という流れをどう思うか?に関して議論がなされていた。
イギリスでは、性犯罪を犯し、刑を終えた人は、刑務所から出る時点で警察に個人情報を登録することが義務となっている。その時点のみでなく、もし住所が変わった場合などは新たに登録する。こうした義務を怠ると、禁固刑になることもある。また、警察のみでなく、地域の保護観察団体や福祉関係の部署などでも同様の情報が共有される。地域ぐるみの監視、保護、といったことになる。
番組では、様々な論点がとりあげられ、よくできていると思ったが、この番組に限らず、日本の場合とイギリスの場合で考え方に大きな違いがある。それは、日本の場合は、一度性犯罪を起こしたが刑を終えた人を、性善説でとらえ、イギリスでは、いわば性悪説でとらえている。
いったん、性犯罪を犯したら、再犯する可能性がある、つまり性犯罪者は基本的に直らないもの、という見方がイギリスには、ある。日本は「再犯するとは限らないのだから、前歴者の権利を守ることが大切」と考える傾向が強いようだ。
もう一つ、日本とイギリスで違うのは、原子力・核エネルギーに対する考え方だ。
イギリスでは、原子力発電が環境上最もクリーンなエネルギーであること、さらに「安全な」エネルギーであるとされている。もちろん、チェルノブイリは、ある。しかし、こうしたことは例外であって、全体からすると、事故は少ない、と。
従って、原子力発電・核エネルギーに関しての否定的な意見が出るときには、もっぱら、費用面の話になる。廃棄物をどうするのか、という面も話題に上る。
日本では、安全性が紙面をにぎわすようだ。
同じトピックでも、国によって、随分見方が変わる。
(ここまで読まれた方へー全くの別件だが、読売新聞6・12付けの1面に、地球を読む、というコラムがある。ポール・ケネディーという人の人権に関する記事だ。残念ながらアーカイブには入っていないようで、ここに今すぐ貼り付けができないが、もし入手できるようなら、ご一読を。アメリカの見方が変わる。)