英「ガーディアン」より 世界のブログ
毎秒ブログが生まれている
「ガーディアン」の8月3日付によると、世界中で一秒に1つの新しいブログが生まれているそうだ。ブログのサーチ・エンジン、Technocrati テクノクラティ 社の創始者デイブ・シフリー氏の話として、一日で8万の新しいブログが世界中で誕生しているそうである。テクノクラティ社が調べたところでは、8月時点で1420万のブログが存在し、3月調査時点の780万から倍に増えた。
しかし、新しいブログを始めた人がこれを継続して続けるとは限らず、約半分は活動休止状態になってゆく。
ブログが世界中で増えている1つの理由は、日記形式の簡単なホームページを作るソフトが出てきたためで、例えばBlogger, LiveJournal, Typepadなどがあるという。ブログのコンサルタントのエイドリアーナ・クローニン・ルーカス氏によれば、ウエブ上の自己表現のための「精神的なスペース」になっているのが、ブログだという。
「誰か知っている人のことを思い浮かべてみると、その人が何を考えているのかが分かるまでに、どれくらい時間がかかるだろう。長い時間だと思う。ブログでは、これが逆になる。ブログを通して、その人の精神世界に最初に接することになる」。
テクノクラティ社のシフリー氏によれば、ブログが伸びているのは特に日本、韓国、中国、フランス、ブラジルだ。中国はこれから特に伸びる可能性が高いという。
英国のブログ数の正確な統計はないが、20万から90万ではと推計されている。
デジタルメディアとテクノロジーのブログJournalistic.co.ukを編集しているレスリー・バンダー氏によれば、英国では、ロンドンの同時爆破テロがきかっけでブログを始めた人が多い。
「7月7日の爆破テロで、自分たちもニュースを作れる、と気づいたのだと思う。数多くのブロガーたちが既存メディアにニュース材料を提供している」。
新しくブログを始めた人が、そのうち続かなくなるのは避けられない現象だ、とバンダー氏は言う。
多くのブロガーたちは少人数の友人や家族に向けて書き、有名になるところまではいかない。
有名になった例としては、ベル・デ・ジュールという名前で書いていたブログで、ロンドンの娼婦だと自己紹介をしていた。彼女のブログは書籍化され、「ガーディアン」紙の2003年度のブロガー賞を受賞し、チャンネル4というテレビ局で物語がドラマ化されることになった。書き手の本当の素性は?とメディアが書き立てる、といった現象が起きた。
別の例では、2003年のイラク戦争開戦までブログを書いていたサラム・パックスというイラク人の女性によるブログで「ガーディアン」で国際問題に関するコラムを書き、これも書籍化されるところまでいった。
ブログは、日記だけでなく、教材の1つ、政治的議論の場、作家や写真家などの作品アピールの場所、PRツールなどとしても使われている。既存メディアも読者のコミュニケーションのためにブログを使っている、と記事は結んでいる。