小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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20年後の新聞は? BBCオンラインより (+デイリーテレグラフの現況)


紙の新聞は、トイレでも読める
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  (写真は、BBCオンラインより。大衆紙サンを電車の中で読む通勤客?こんなに一度に同じ新聞を読んでいるわけがないので、ポーズをとったのかもしれない。)

 ガーディアン紙が縦に細長いベルリナー判の新聞を12日から発行しているが、未来の新聞はどうなるのか?を、BBCオンラインの「マガジン」というコーナーが予測している。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/magazine/4244908.stm (以下は、大体の訳)

 ガーディアンがベルリナー・サイズになったのは減少する販売部数をなんとか巻き返すためだったが、20年後の新聞はどのような形になっているだろうか?
 
 新聞は、将来どんな形で存在するのか?誰もこれを予測できない。しかし、考えられるいくつかの方向性はあるだろう。

 まず初めに、新聞そのものが存在するか、どうか?新聞が無くなる、ということは長い間、言われてきた。ほんの10年ほど前、ウエブサイトやテレビのニュースが、煩雑で、時代遅れの、読むと手が汚れる紙の新聞に取って代わるだろう、といわれたものだ。
 
 この予言以降、ブログやサーチ・エンジン、携帯電話、PDA,電子の紙などが、今度は紙の新聞を駆逐する、ともいわれた。
 
 これまでのところ、新聞業界はこうした暗い予測を吹き飛ばしてきており、国内の販売競争に打ち勝つため、改革を断行してきた。ガーディアンは(2003年のインディペンデント紙やタイムズ紙に続き)紙面を小型化した第3番目の新聞(高級紙)となった。他紙もこれに追随する可能性もある。

 しかし、サイズの縮小はあったものの、1621年、ロンドンで発行された最初の英語での新聞「コンランテ Conrante 紙」から、形式はそれほど変わっていない。

 現在、世界中の新聞の売上は、2004年で前年比2・1%上昇したが、英国での数字は4・4%下がった。

 英新聞業界の厳しさからすると、売上げ下落も無理はない。ウエブサイトやサーチ・エンジン、携帯電話などを通じてニュースを読む人が増えており、ブログにアクセスすれば、よりパーソナルでオフ・ビートな分析が読める。
 
 電子の紙・エレクトロニック・ペーパーを実現する技術も、既にある。映画「マイノリティー・レポート」の中で、男性が新聞のようなものを読んでいる場面があった。読み進むにつれて、新聞がページをめくっていくのだった。

 メディア評論家のビンス・グラフ氏は、英国の新聞は持ちやすく(小型判が多くなってきたので)、使い勝手がよく、価格が安いので、将来もなくならないだろう、と予測する。「24時間の途切れることがないニュース報道が現実化したために、新聞は娯楽記事、ライフスタイル、分析記事などを増やしており、中身は変わったものの、紙媒体と言う部分は変わらないだろう」

 「現在は、塩化ビニールのレコードはもはや隙間の商品になっているが、50年後の新聞はそうなっているかもしれない。それでも、紙の新聞は存在する」

 「紙媒体は非常に便利だ。トイレで新聞を読む人は多い。しかし、ブロードシート判(現在の日本の朝刊新聞と同ようの大きさ)の新聞はなくなっているだろう。現在でも、既に古めかしく見える」

 サセックス大学のメディア・映画学部のキャロライン・バセット氏は、将来は電子の紙で作られた新聞が一般的になる、とする。この時、「新聞の中身が電子データとして存在することになるので、多種類の電子画面に送付することができるようになる。読者は、携帯やラップトップ・コンピューターで新聞を受け取る。編集作業を終了した新聞データが、駅に設置された大きな画像スクリーンに送付される(それを読者が読む)、といった形もできるだろう」。

 しかし、バセット氏も、現在のような紙版の新聞は残ると見ている。それは、多くの読者が、全体のみやすさ、持ちやすさの面で好むからだという。


(引用終わり)


―まだ大判のデイリーテレグラフの現況

 英国には4大高級紙(ブロードシートとかつては呼ばれていた)があるが、インディペンデント、タイムズは既に小型タブロイド判化し、この2紙が小型化してから特に発行部数が激減していたガーディアン紙が今月また別の形で小型化した。

 残る大判はデイリーテレグラフだが、発行部数が約90万部で、高級紙のなかでは最大。ここで働く古参スタッフの一人から、直接聞いたところでは、「レイアウトがまずいというのは社内でも言われている。現在の新聞の所有者はバークレー兄弟だが、前任者のコンラッド・ブラック卿が、『会社からお金を盗んでいたので』、 紙面改革などの必要な投資が十分になされてこなかった期間が長く続いた。このツケが今来ている」。(いかにブラック卿が「悪人」だったかは、英国で散々報道されてきた。)

 デイリーテレグラフは、センターライト・保守派新聞。必要な情報がきちんと入っており、良質な記事がたくさんある、という印象がある。ただし、ファッションページや1面などに、女性の水着姿のクローズアップ、有名女優の半裸写真などが、出ることも多々あり、「広範囲の読者の獲得」を狙って、苦心しているのかな?と思ったりする。 http://www.telegraph.co.uk/ ウエブはやや地味だが、過去記事を調べようとすると、場合によっては料金の支払いを要求するインディペンデントやタイムズに比べ、無料なので、安心できる。
by polimediauk | 2005-09-15 16:27 | 新聞業界