小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


by polimediauk

アルジャジーラ記者がグアンタナモ基地に ライブドアニュースから

10月から、ライブドアニュースで、アルジャジーラの英語ネットから、翻訳記事が出ているが、キューバにあるグアンタナモ基地に拘束されている、アルジャジーラの記者の記事を興味深く読んだ。以下に一部を貼り付けるが、グアンタナモ基地に拘束されている、米国からみて「テロリストかもしれない人たち」の処遇には関心を持って、追ってきただけに、感慨深いものがあった。

 この中に出てくる、クライブ・スタッフォード・スミス弁護士は、英国人拘束者の釈放に向けての運動にも関わってきた人で、よく英国のテレビにも出演してきた人だ。それだけに、一定の信憑性を持って、この記事を読んだ。「密告者になれ」というのが、米政府の方針かどうかはこの記事からだけでは分からないが、現場で取調べというか、そういう作業に従事している人は、どんなこともいうはずである。続報が読みたいような気がする。(全体はライブドアニュースで見ていただきたい。http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1461407/detail)


アルジャジーラの密告者に成るよう強要  米軍が拘束中の同社カメラマンに
 【アルジャジーラ特約28日】アルジャジーラのカメラマンで、スーダン国籍のサミ・ムヒ・アル・ディン・アル・ハジ氏が今、正式な起訴、裁判もないまま、約4年間にもわたって米軍グアンタナモ基地に収監され続けている。米国人のクライブ・スタッフォード・スミス弁護士がこのほど、アル・ハジ氏と2カ月ぶりに面会、同氏の近況、米軍による取り調べ状況、そして同氏解放の見通しなどをアルジャジーラに語った。

 アル・ハジ氏はアルジャジーラの要請を受けて2001年10月、米英軍の空爆が続くアフガニスタンに入ろうとした際、米軍に拘束され、その後グアンタナモ基地内に移送、収監され、厳しい取り調べを受けている。

 同弁護士は「アル・ハジ氏は無実」と強調した上で、アル・ハジ氏が取り調べで暴行や性的虐待だけでなく、宗教的迫害も受けるなど、劣悪な環境に置かれていると明らかにした。

 さらに、同弁護士は、米軍があらゆる脅迫材料を使って、アル・ハジ氏にアルジャジーラの内部情報を流す”密告者”になるよう強要し、最終的には同氏に「アルジャジーラはアルカイダと関係している」と”供述”させようと企んでいると言明した。

 スタッフォード・スミス弁護士との一問一答は次の通り。

 ―アル・ハジ氏に対する法的手続きは進んでいるのか。

 「残念ながら、何の進展もない。米政府は法的手続きを故意に遅らせている」

 ―アル・ハジ氏の近況、特に身体、精神面の状態はどうか。

 「今回の面会は2カ月ぶりだった。アル・ハジ氏は家族の状況を知りたがり、アルジャジーラが同氏の妻と5歳の息子をカタールのドーハに移し、世話していることを喜んでいた。アルジャジーラがグアンタナモ基地に収監されている”囚人”たちの惨状を世界に報じたことも喜んでいた」

 ―アル・ハジ氏に示されている罪状には法的根拠があるのか。

 「法律論からすれば、何の法的根拠もない。罪を犯したというのではなく、”敵側の戦闘員”とされているだけだ。米国内ではこのような罪名など通用しない。米軍は同氏がアフガニスタンに入ろうとしていたと主張している。それは事実だが、米軍は同氏がアルジャジーラの命を受けていたことには全く触れていない」

 ―アル・ハジ氏が拷問や虐待を受けた形跡はあったか。

 「身体的、性的虐待だけでなく、宗教的迫害を受けた。最もひどかったのはアフガニスタンで拘束された時で、頻繁に殴られ、性的虐待を受けたという。顔には傷が残っている。グアンタナモ基地でも同様で、特に、コーランへの冒とくに抗議すると、暴行は激しくなるという」

by polimediauk | 2005-10-28 02:50 | 放送業界