小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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米新聞界の動き 日刊ベリタより

日刊ベリタの無料記事で、米新聞の発行部数の話がでていた。

新聞が消える日迫る? 米主要紙発行部数最大の落ち込み

 米国で新聞離れが進む一方、新聞社が提供するオンライン・ニュース・サイトへのアクセスが増加している。活字メディアの代表である新聞が、いつの日にか地上から消え去る日が来るのだろうか。新聞は生き残ると主張する識者の中からは、依然読者の新聞への期待感は根強いとして、新聞の将来性について過度に悲観するのは誤りと指摘する声もある。(ベリタ通信=苅田保) 
 
 最近、ABC協会は米主要日刊新聞20社の6カ月間(2005年4月~9月)の平均発行部数を発表したが、全体としては、発行部数(日曜版を除く)は前年同期比で2・6%の減少となった。この数字は、1991年以来最大の落ち込みという。新聞離れは今に始ったことではないが、米マスコミは、今回の発行部数の減少を、自分たちを含むジャーナリズムの将来の問題として、大きく報道している。 
 
 20社中、発行部数が伸びたのは、東部の有力紙ニューヨーク・タイムズとスター・レッジャー(ニュージャージー州)の2紙だけ。しかし、NYタイムズの伸び率は0・46%、スター・レッジャーは0・01%とわずかで、残る18社は軒並み発行部数を減らした。特に落ち込みが目立ったのは、米西海岸のサンフランシスコ・クロニクルで16・4%の大幅減となった。 
 
 日曜版も全体で3・1%減少し、早くも新聞経営をめぐり人員の削減や、経営の合理化が行なわれるとささやかれている。全米一の発行部数を誇る新聞チェーン、ナイトリッダー社(本社カリフォルニア州サンホゼ、1974年創業)は、新聞経営の不振による株価落ち込みで、身売りを検討中と報道されている。 
 
 新聞経営者にとっては、発行部数の減少は、広告スポンサーの新聞離れを引き起こし、広告収入の減少につながる。このため米国新聞連合では、ある新聞を毎日読むのは一人ではない。一つの新聞を3人が読むこともあり、この場合、発行部数は3倍になると弁明している。例えば、ロサンゼルス・タイムズ紙の平均発行部数は84万3000部だが、一つの新聞を3人が回し読みすれば、読者数は合計253万部になるとの主張だ。 
 
▽新聞社系サイトのアクセスは急増 
 
 一方、ABC協会の発表後の15日に、米調査機関ニールセン社が新聞社系ニュース・サイトのアクセス者数を公表。10月中のアクセス総数は、1年前に比べ11%増の3930万人に達した。これはネット利用者の4人に1人がアクセスしている計算になるという。また同社では、新聞読者の22%がニュース・サイトにシフトしたと推定している。 
 
 新聞社系ニュース・サイトで人気があるのは、NYタイムズ、USAトゥデー、ワシントン・ポスト、ロサンゼルス・タイムズなど。ネット紙は、速報性や、ビデオなど双方向メディアで若者層をひきつけている。また学卒者や高額所得者層にニュース・サイトの利用が目立っている。 
 
 こうしたニュース・サイトの人気を前に、新聞離れが加速していると指摘する声も目立っている。しかし、ニールセン社では、依然10人中7人が新聞を愛読していると述べている。 
 
 カリフォルニア州南部のサンディエゴユニオン・トリビューン紙は、「新聞の衰退を論じるのは早計だ。すべての人がインターネットにアクセスすることはあり得ない。新聞のない世界を想像するのは難しい」と指摘。新聞ジャーナリズムの強みは、その正確性であり、これが現在盛んになっているブログ(電子公開日記)とは異なる点だと強調している。 
 
 今後、新聞社がネット紙に重点を移すのか、現状でははっきりしない。問題はネット紙で採算が取れるかだ。現在は大半が無料。9月からNYタイムズが著名コラムニストの記事などを有料で提供することを始めたが、一部のメディア関係者から、「コラムニストの記事は、これまで幅広く読まれ、世論に影響を与えてきた。有料により読者層を狭めたのは間違い」との声が上がっている。 

by polimediauk | 2005-11-24 22:14 | 新聞業界