小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


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イラク人質 救出の努力


テロ容疑者が呼びかけに協力?

イラク人質 救出の努力_c0016826_1975752.jpg イラクで人権活動団体の米、英、カナダ人メンバー4人を「正義の剣旅団」を名乗る組織が人質として拘束している。8日までにイラクの刑務所にいる囚人を釈放しなければ、人質を殺害する、としていたが、この期限は48時間のびることになった。

 しかし、英政府や関係者の中で、衝撃が走ったのは、犯行組織が、英国人の人質ノーマン・ケンバーさんらにオレンジ色のつなぎを着せ、「英国軍をイラクから撤退させてほしい」と言わせているビデオを、アルジャジーラに送り、これが放映された点だ。

 オレンジ色のつなぎは、米軍グアンタナモ基地に拘束されている「テロ容疑者たち」がかつて着せられたものをほうふつとさせる。そして、このようなつなぎを着せられた英国人ケン・ビグリー氏は、昨年9月誘拐され、翌月、犯行グループに首を切られて殺されている。

イラク人質 救出の努力_c0016826_1983139.jpg ケンバーさんのオレンジ色のつなぎ姿はショックだったが、もう1つ、英国民が驚いたのは、「非常に危険なテロ扇動者」「アルカイダの欧州の伝道師」とされ、現在英国の厳重警備の刑務所に拘束されている、ヨルダン生まれだが英国に長年住んできたアブ・カタダ氏が、犯行グループにアラビア語で、人質解放を呼びかけた点だ。既にヨルダンではテロ容疑で有罪となっており、ヨルダン送還の可能性もある、という状態だ。

 BBCの7日の解説番組{ニューズナイト」によると、カタダ氏自身が、政府側にコンタクトをとり、呼びかけをしたい、と言ったそうである。

 しかし、果たして刑務所に入っている人物のメッセージをこのような形で利用していいのかどうか、前代未聞だ、と驚く声が、同番組内であげられた。

 英政府はテロ組織とは人質解放に関して交渉をしないことを明言しているが、コンタクトの糸口が全くないので、何らかの形で英外務省にコンタクトをとってくれることを望んでいるという。

  kanakottonさん という方から、「CPT メンバーの解放を求める緊急署名のお願い」のサイトがあることを教えていただいた。ご参考までに。

  http://www.petitionspot.com/petitions/freethecpt
by polimediauk | 2005-12-08 19:08 | イラク