小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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コメディアンがネット・ポルノ関連で逮捕


プライバシー

 先週、英国コメディー賞の受賞者の名前が発表されたが、テレビのコメディー部門でベスト男優に選ばれたクリス・ランガムという男性が、先月末頃、逮捕されていたことが分かった。容疑は確定していないものの、児童ポルノサイトの閲覧者を調査していた警察が、取調べを行った。取調べの後、一時保釈となっている。

 この一件はタブロイド紙デイリー・ミラーでスクープ報道された。デイリーミラーにあてた弁護士の手紙によると、ランガム氏は警察の取調べを受けたことを認めた。サイトを閲覧していたかどうかに関しては、言及していない。家族はこの件で打撃を受けており、プライバシーを尊重して欲しい、と訴えた。

 ランガム氏は56歳。2回結婚しており、合計で5人の子供がいる。

 私は、またか、と思ってしまった。ロックグループのWHOのギタリスト、ピート・タウンゼンド氏は、児童ポルノサイトを閲覧したということで、2003年、逮捕されている。タウンゼンド氏(当時57歳)はサイトを見たことを認めた。このサイトは、たまたま出くわすようなものではなく、見たい人がクレジットカードの番号を提供するなどして、登録してから見れるようになっているものだった。タウンゼンド氏は、「作品の調査のためにこのサイトを見ていた」と説明した。警察は、注意をしただけで、刑罰などはなかったが、英国には警察が管理する性犯罪者リストがあるので、これに名前が載ることになった。

 児童ポルノサイトの閲覧は、児童に対する性犯罪につながるケースが多く、英警察は常時監視を行っているようだ。

 日本だと、男性が小さな女の子に対して性的を含めた暴力行為を行う、というパターンが目に付くが、ここ英国では、初老の、中流かそれ以上の生活のステータスを持つ男性たちが、児童(特に男の子)を対象の性犯罪に関わるケースが目立つように思う。

 児童性犯罪者というレッテルが貼られると、社会的に相当のダメージを受ける。疑いがかかっただけでも、である。

 今回のランガム氏の件が、さらなる発展があるのかどうか、現時点では不明だが、17日付のインディペンデント紙は、スクープ報道をしたデイリーミラー紙を非難している。情報源は、逮捕した警察であることがほぼ確実である、として、まだ実際にランガム氏がサイトを閲覧していたかどうかなどがはっきりせずに、尋問を受けただけの段階であるにも関わらず、メディアに情報をリークした、と警察を責めた。プライバシーの侵害になる、としている。
by polimediauk | 2005-12-18 03:35 | 英国事情