ガーディアンの値上げ、「アルコール依存症」の党首

インディペンデント紙も今週から値上げし、一部70ペンスとなっているので、肩を並べた格好だ。英新聞は月曜から土曜日まで発行する新聞と、日曜版新聞とに分かれるが、土曜日はページ数が増え、月曜から金曜日の分と比較すると、価格が高い。ガーディアンの場合、月―金は一部70ペンスで、土曜日はこれまで1・2ポンド(約240円)のところが、1・3ポンド(260円)になるという。(ちなみにガーディアンの日曜版にあたるのは、オブザーバー紙となる。タイムズの日曜版はサンデータイムズ、インディペンデントはインディペンデント・オン・サンデー、デイリー・テレグラフはサンデー・テレグラフ。)
来週以降、ガーディアンとインディペンデントは、デイリーテレグラフやタイムズよりも一部につき5ペンス分高いことになる。
英国の高級紙は長い間低価格競争を続けてきた。転機は昨年で、タイムズを発行するニューズインターナショナル社が価格値上げを実行し、過去12年の安売り競争に終止符をもたらした。これ以降、値上げはタブーではなくなったようで、昨年11月にはデイリーテレグラフが5ペンス値上げで一部65ペンス(130円)となった。
経済紙のファイナンシャルタイムズは、一部1ポンド(200円)で、最も高い日刊紙となっている。
以上、ガーディアンの記事をもとにした。
もう1つ、昨日から気になっているのが、野党第2党の自由民主党の党首チャールズ・ケネディ氏(写真)の進退問題だ。彼のアルコール依存症が問題となってきた。

ところが、保守党にハンサムな(といわれている)デビッド・キャメロン氏(39歳)が選出されてから、急激に自民党のケネディ党首批判が強まった。
いやな展開だなあと思っていたが、とうとう、彼の辞任を党内の数名が求めるところまできてしまった。
そんなところへ、ケネディー氏のアルコール依存症問題がでた。「問題」と書いたが、本当に問題なのか、どうか。
アルコール依存症で仕事に支障が出ていたのなら、これを理由に党首失格という理論ならば分かるのだが。どうも、どんな支障があったのか、あまり見えてこない。それに、もし支障が出るようならば、何故今まで党首だったのだろう?
先にケネディー氏を辞めさせるという目的があって、後で理由を探しているのではないか、と私は疑っている。だとしたら、随分めちゃくちゃなことになるのではないか。(しかし、6日午後5時現在、辞任コールがますます高まっているようで、明日ぐらいまでに辞任の可能性も否定できなくなっている。)
それはそれとして、アルコール依存症、というのは、英国では非常にマイナスのイメージとして受け止められる。もし依存症であったら、これを隠そうとする方向に人はかなりの神経を使う。タブーといってもいいくらいかもしれない。一方、チャーチル元首相のアルコール好きは有名ではあるけれど。(朝9時30頃から薄めたウイスキーを飲んでいた、と、チャーチル博物館で説明されたことがある。)
以下、産経の記事です。――
アルコール依存症告白、信任問う 英自民党首
【ロンドン=蔭山実】英国の第三党である自由民主党のチャールズ・ケネディ党首(46)が五日、アルコール依存症で専門家の治療を受けていたことを認めた。これまで依存症との指摘を否定してきただけに、同党内では党首としての信頼性に欠けるとの批判が噴出。このため同党首は自らの信を問う党首選の実施に踏み切ることを決めた。
ケネディ党首は飲酒問題で過去一年半の間に専門家の治療を受けたことを明らかにし、「最近の二カ月間はアルコールを口にしていない。これからも酒を飲むつもりはない。これまで公にしなかったのは自分の力で治療したかったからだ」と告白し、依存症からの完全回復をアピールした。
だが、依存症を否定してきただけにBBCテレビは「ウソをついていた」と批判。党内でも不満が噴出。ケネディ党首は党首選という賭けに出たが、それが吉と出るかは微妙なところだ。 (産経新聞) - 1月6日15時36分更新