ネットの規制あれこれーグーグル
「グーグルの死刑」
1月5日付デイリーテレグラフを読んでいたら、オックスフォード大学で初の「インターネット・ガバナンス」を教える教授の話が出ていた。
http://www.telegraph.co.uk/money/main.jhtml?xml=/money/2006/01/05/ccoxf05.xml
ジョナサン・ジットレイン(Jonathan Zittrain)教授(35歳)は、以前はハーバード大学で教えており、米国のIT業界では有名な人のようだ。政府、ロビー団体、企業が、検索エンジンを 「検閲」しようとしていることを、指摘してきたからだ、という。例えば、「グーグルの死刑」とでも呼ばれる現象は、自分が知らない間に、検索エンジンのリスティング、インデックスから消されている状態を指す。
「政府やロビー団体が、グーグルに圧力をかけて、インデックスからアドレスを消させていることに、人々は気づいていないようだ」。
「消された」とは言っても、ウエブサイトは存在している。しかし、検索リストに入らなくなるので、検索しても出てこない、つまりサイトの存在がユーザーに知られなくなる。「どうにかしなければならない問題だと思う。著作権や独占化の問題もそうだが」。
グーグルは、こうした点をーーつまり、政府や個人の訴訟当事者からのリクエストでリスティングに何らかの変更を行っているのかいないのかーー、検索結果に表記していない。教授は、これが「グーグルの死刑」が行われている、まさに証拠だと見ている。
教授は、学生達とともに、意図的にリストからはずされているケースが何らかの法的問題に発展していないか、あるいはそうした恐れがないかどうかを検証するためのウエブサイトを立ち上げている。www.chillingeffects.org ハーバード、スタンフォード、バークレーなどの米大学やElectronic Frontier Foundationという団体が関わっている。
教授は、何らかの規制がネットの世界に必要だ、とする考えの持ち主だ。「ネットの能力は巨大で、現在のところは、コンピューターさえあれば誰でも何らかの貢献ができる、という、連邦民主主義のようになっている。しかし、ネットがもっと使われるようになれば、創造性が危険におかされることになると思う」。
「規制がなければ、大企業が市場を独占するようになり、事実上の王様のように振る舞い、競争を取り除いていく。ある種の『哲学の王様』のような人、あるいはこれに該当するような団体が、誰が知識の特許を取得し、どのようにこれを使うのかを決める必要がある」。
ジットレイン氏は、政府が何らかの境界線を決める役割がある、と考えているようだ。
(次回:サンマイクロシステムズの社内ブログのルール)