アルジャジーラ、デンマーク・メディア
European Journalism Centerの30日付配信メールによると、アルジャジャーらがパキスタンの公用語として使われているウルドゥー語版の放送を開始するようである。世界中には1億1千万人のウルドゥー語を話す人がいる。当初はパキスタンのウルドゥー語人口をターゲットにし、次第に欧米のウルドゥー語を理解する視聴者に広げてゆく予定だという。正確な開始時期は書かれていない。
ウルドゥー語放送は、ドバイに本拠を置くARYデジタル・ネットワークのとジョイント・ベンチャーになる。ARYデジタルは、アフリカ、欧州、北米、中東に11チャンネルの放送を流しており、世界最大規模のウルドゥー語テレビ局だ。
http://www.ameinfo.com/76550.html
一方、ロイターは、デンマークのラスムセン首相がイスラム教の預言者ムハンマドの政治風刺画に関して、謝罪を拒否したというニュースを伝えている。
リビア政府が在デンマークの大使館を政治風刺画に抗議して閉鎖し、イスラム教の国でデンマークの対応に怒りが高まっていることに関し、首相は、29日、デンマークのユランズ・ポステン紙はイスラム教徒を侮辱する目的で風刺画を掲載したのではない、と述べたという。昨年9月、ユランズ・ポステン紙が一連の風刺画を掲載してから、デンマーク政府は、一貫して表現の自由を弁護してきた。
この2,3日前には、サウジアラビア大使館がデンマーク大使を帰国させている。
デンマークの通信社 Ritzauの29日の報道によると、ヨルダン川西岸でも抗議のデモが起きており、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタのメンバーらが、近隣に居住しているデンマーク人の立ち退きを要求しているという。デモの参加者達はデンマークの旗を焼き、パレスチナ当局に対し、デンマークとの外交関係を破棄するよう要求した、という。
デンマーク国内で行われた調査によると、調査に参加した人の中で79%が首相は謝罪を表明するべきでなく、62%がユランズ・ポステン紙は風刺画の掲載について謝罪するべきではない、としているという。
http://today.reuters.co.uk/news/newsArticle.aspx?type=worldNews&storyID=2006-01-29T224859Z_01_L29575168_RTRUKOC_0_UK-RELIGION-LIBYA-DENMARK.xml&archived=Fals
(追記)
夕方のBBCのラジオで、ユランズ・ポステン紙の風刺画を依頼した、担当デスクがインタビューされていた。やはり、イスラム教に関する表現の自由度に制限がある状況に対して、くさびを打ち込む、というか、これに挑戦するためにやった、ということだった。表現の自由=正しい、という姿勢である。BBCの記者の質問がなかなか良くて、「預言者を冒涜するような風刺画を何故載せたのか」と聞かれ、「冒涜するような表現だったとは思っていない。デンマークの常識からすると、それほどではない」とのこと。次に、「何の公的利益があって、やったのか?」と聞かれ、ちょっと言葉に詰まったが、「公的利益のためにやったのではない。表現の自由のためだ」と答えていた。
私にはどっちが正しい、と判断はできないが、「表現の自由=正しい」ということだけでやるのはどうかなあ、と思う。
現物の風刺画を見てみたいものだ・・・。