小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

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風刺画 デンマークのエディター、長期自宅待機へ

 10日付のガーディアンによると、問題となった12の風刺画を掲載したデンマークのユランズ・ポステン紙のエディター(実際には文化面デスク、というのが一番妥当だろうが、とりあえず、「エディター」としておきたい。編集長ではない。)が、長期の自宅待機に入ったようだ。

 ホロコーストの風刺画を掲載するかどうかで新聞の上層部と意見の相違があり、「無期限の自宅待機」、という。最終的には解任もあるのだろうか?

 フレミング・ローズ氏はユランズ・ポステンの文化面のデスクで、昨年12の風刺画の掲載を手配した人物。イスラム教に関する話題に対する自己規制の傾向を試すために掲載した、としていた。

 今週になって、イランの新聞が掲載したホロコーストの風刺画を再掲載することを考えている、と表明。編集長のカルステン・ジャスト氏との意見の相違があった。編集長自身にも、辞職への圧力がある、という。ユルゲン・ポステン紙の広報によると、編集のトップとローズ氏は、ローズ氏が期限の定まらない休暇をとることで合意した、という。
 
 ユランズ・ポステン紙は、預言者ムハンマドの風刺画を昨年掲載したことに関して、風刺画がイスラム教徒を侮辱したことを謝罪したが、掲載そのものに関しては、表現の自由の面から重要であった、という主張を変えていない。

<風刺画>作者が反省の弁 キリスト風刺は掲載拒否していた

 【ベルリン斎藤義彦】イスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画問題で、騒ぎの発端になった絵をデンマーク紙に提供した漫画家がドイツ紙と会見し、「浅はかだった」と反省の弁を述べた。また今回、風刺漫画を載せた新聞が3年前、キリストを風刺する漫画の掲載を拒否したことを別の漫画家が暴露し、同紙の「二重基準」への批判が高まっている。
 問題の漫画をデンマーク紙ユランズ・ポステンに提供した12人のうち1人が、独紙フランクフルター・アルゲマイネと会見。内容が9日付の同紙文化欄に掲載された。
 漫画家は2人1組で仕事をしてきた。現在は自宅に1日2回、警察が訪れて警備しており、漫画について言及しないよう助言を受けている。
 漫画家は「だれも傷つける意図はなかった」と強調。「小さな絵から異常な状況に発展した。すべてが脱線し、ばかげた状況になった。宗教でなく政治が問題になり始めた」などと語った。暴動を引き起こすとは「全く予想していなかった」といい、「私たちデンマーク人は広い世界のことやイスラム教のことを少ししか知らず浅はかだ」と反省の弁を述べた。
 一方、風刺漫画を書いた12人とは別の漫画家がドイツ紙などに対し、03年4月にキリストを風刺する漫画を「ユランズ・ポステン」紙に提供しようとしたところ「望ましくない」と掲載を拒否されたことを暴露した。
 絵はキリストが復活する際、床や壁の穴から飛び出すものなど数点。漫画家は同紙が「(教会など社会の)指導者層を攻撃することになる」ため掲載を拒否したと主張し「イスラム教徒よりキリスト教徒の読者に高い価値を置いている」と同紙の二枚舌ぶりを批判している。これに対し同紙は「絵の質が良くなかったから」と弁解している。
(毎日新聞) - 2月10日10時56分更新

by polimediauk | 2006-02-10 18:08 | 欧州表現の自由