英内相、辞任もあり?地方選結果次第で
イングランドの統一地方選挙の投票が、4日行われた。同日夜、開票が始まり、結果は5日中には分かる。
夜のニュース番組「ニューズナイト」を見ていたら、政治記者のマーサ・カーニー氏が、労働党が惨敗すれば、「チャールズ・クラーク内務大臣の辞任はほぼ明らか」と、「その筋」の話として伝えていた。
ブレア政権は、このところスキャンダルが相次いでいる。副首相のジョン・プレスコット氏の不倫が明らかになり(秘書の一人とで、しかも、ドアを開けたままで、オフィスの部屋でことを行っていたと言う・・報道によれば、だが)、クラーク内相は、外国人犯罪者を本国へ強制送還していなかった件で、非難が高まっている。
「外国人問題」は、時々思い出したように、英国で話題になる。難民申請者の数が1990年代後半ごろから急激に増え(主にイラクから)、これを何とかすることが、ブレア政権の課題となった。欧州連合が東欧諸国からの新メンバーを入れて大きくなった際にも、「東欧から病気持ちの移民が押しかける!」といった見出しの記事がタブロイドを中心に出た。
「外国人犯罪者」の問題は、英国の外からやってきて、難民としてあるいは長期滞在の許可をもらって住んでいた人物が、犯罪に手を染め、つかまって刑期を終えた場合でも、再度あるいは複数回犯罪に走ったケースがあったため、外国人のために国内の治安を犠牲にしている、という構図ができてしまい、国民の懸念が高まった。
懸念する気持ちは分かるのだが、強制送還をしようにも、出身国で戦争・紛争が起きていたり、本人が殺される可能性がある場合には、人道的理由から、帰すわけにはいかなくなる。また、刑期を終えたということは、おかした罪をつぐなった、と考えた場合、強制送還では、さらに罰を与えることにもなり、おかしいのではないか?という人権法律家らの声もある。
私はどちらかというと、後者を支持している。
それにしても、どうも問題が必要以上に大きく報道され・騒がれているような気がしてならない。連日新聞でもクラーク氏への批判が大きく報道されているので、辞めざるを得ないかもしれない。
日本でもよくあるが、メディアが必要以上にことを大きく扱ってしまうので、報道そのものが一人歩きしてしまう。
外国人犯罪者の強制送還が自動的に行われていない事実は、今に始まった問題ではなく、個々のケースを見て判断し、人道的見地からあえて送還しない、という良い面もあるのだが。もっと考えるべき重要な問題が他にあるような気がしてならない。・・・といっても、一旦燃え上がった炎は、辞任するまで消えない「かも」しれない。
(追記:昨日、イングランドとウエールズ、と書きましたが、イングランドのみでした!!!)