イラク 英兵1000人以上が脱走: BBC
BBCでイラク関係の記事2つが目に付いた。
1つは、イラク戦争開戦後、英兵1000人以上が脱走している、という記事だ。
2005年では377人が脱走し、現在居場所は不明。今年は189人が既に脱走した。
BBCの調べでは1000人以上が脱走しているとのことだが、政府の正式な数字では900人。英軍部隊はイラクに現在約7500人いる。
国防省は脱走兵の数が増加しているのかどうかに関して詳細な数字を取っていないそうだが、労働党議員ジョン・マックドネル氏が議会で述べたところによると、この3年間で増えている。
議員が発言したのは、現在、海外勤務を断った場合、何らかの罰側を与えるかどうかを議論しているためで、最悪の場合は終身刑が課される場合もある。(ここまで読んで疑問が沸くのだが、どことなく、「脱走」といっても、軽い感じがするのだが。「非国民!」ということで、近所の人などからバッシングにあわないのだろうか?居場所が分からない、といっても、ちゃんと調べているのだろうか??)
脱走兵の中で、何人がイラクに行きたくないということで脱走したのか、あるいは家族などの個人的都合で脱走したのかは分かっていない。
軍法会議の弁護士達は、脱走するところまではいかないまでも、どうやったらイラクに行かないですむか、という相談を頻繁に受けると言う。
英空軍のマルコム・ケンドール・スミス氏はイラクへの動員に関する命令を拒否したために、8ヶ月の禁固刑を受けた。ケンドール・スミス氏のケースを担当した弁護士のジャスティン・ヒューストン・ロバーツ氏は、毎日のように、イラクでの任務から逃れたいと言う軍関係者から連絡を受けるという。
ベン・グリフィス氏はかつてエリート軍団と言われるSASのメンバーだった。今年年頭、イラクに戻るはずだったが、米軍がイラクで違法行動をしている様子を見たために、戻りたくない、と上司に告げた。
これを機に英軍を去ったグリフィス氏。「米軍はイラク人を軽蔑していた。人間として扱っていなかった。イラク人の命や所有物に対して、全く尊敬の念がなかった」と述べている。
グリフィス氏は脱走をすすめないが、「イラク戦争が間違っていると思ったら、上司に自分の思いを伝えるべきだ」としている。
28日(日曜日)、BBCラジオファイブライブで、英時間の午前11時にディスカッションが、午後6時半にドキュメンタリーが放送される。(ウエブから入ると、後で聞ける様になっているだろうと思う。)
もう1つはイラク・ボディー・カウントで、この団体はイラクでの犠牲者の数を数え続けている。
今年5月26日付で、イラク人の市民で殺された人は38,990人。イラク人の警察官で殺された人は2,059人。
イラクでどれだけ市民が犠牲になったかは、数え方によって異なる。米英政府側は少ない数を欲しがる。といって、市民の犠牲者数は詳細には数えていないそうである。ブッシュ米大統領は、昨年12月の時点で、3万人のイラク市民が殺された、と述べている。