小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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世界の新聞発行部数


 世界新聞協会(WAN)の発表(5日)によると、世界中の新聞発行部数(有料+無料)は2005年でやや増え、新聞広告による収入は4年間で最高額を示したという。

http://www.moscow2006.com/eng/news/congress/1375/

 発行部数は前年比1・21%増。過去5年では7・8%増。無料の日刊紙は全発行部数の中で6%を占め、欧州では17%を占める。有料新聞だけを見ると、前年比0・56%増だ。有料新聞の発行部数は4億3900万部。無料新聞を入れると4億6400万部。

販売収入では0.56%の増加、過去5年では 6%増。

 WANによる調査結果は、モスクワで開催されている第59回世界新聞大会で発表された。

 新聞をオンラインで読む人は増え続けており、2005年で前年比8・71%増。

 発行部数の大きな新聞をリストアップすると、10紙の中で7紙がアジアの新聞だった。中国、日本、インドの新聞の発行部数の合計は、全体の62%になる。部数の大きさを国別にすると、トップが中国で、9660万部、インドが7870万部、日本が6970万部、米国が5330万部、ドイツが2150万部など。
 
 日本では、新聞販売額はー0・97%で、過去5年間でー2・81%。中国では逆に年間で8・9%増。

 欧州に目を向けると、有料新聞の発行部数はEU諸国の中でー0.61%だったが、無料新聞では1・34%の増加。有料新聞の部数の減少は長らく続いている。

 全世界で発行されている有料日刊紙は7,700で、無料を入れると7,862紙。無料日刊紙162は毎日2790万部発行されており、この中で欧州発行分は1860万部。

 2005年に小型タブロイド判にサイズを変えたのは28紙。2001年から数えると85紙になる。スペインでは、無料紙が新聞市場の51%を占める。ポルトガルでは33%、デンマークでは32%、イタリアでは29%。

 もっと詳しい数字が先のアドレスで分かるが、この報告書そのものは700ページあり、購入することもできるようだ。(ウエブ記事参照。)

 無料紙が特に欧州で伸びている様子が如実になったように思った。


 
by polimediauk | 2006-06-06 18:31 | 新聞業界