小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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商業捕鯨


 今、英国では、捕鯨に関しての報道・会話で、日本を支持する人はほとんどいない。

 「英国では」と書くと言い方がでかすぎるように聞こえるかもしれないが、実際、メディア報道がそうだし、友人、知人、誰にしろ、この件に関して、日本に好意的な発言が出ることは、まずないといっていい。しかも、この件を話すと、みんな(英国の人やインタビューされている人)は、怒っている。相当感情的になっている。日本は戦犯扱い、という感じだ。

 イランの核開発に関しても、英国はかなりドラマチックにイランを批判していたが、それがそのまま日本に適用されているような思いもする。

 以下は共同の記事。

商業捕鯨再開へ警戒感 英BBC

 【ロンドン19日共同】英BBCテレビは19日、国際捕鯨委員会(IWC)が商業捕鯨一時禁止決定に批判的な内容の宣言を採択したことについて「日本が捕鯨推進の採決で勝利」と繰り返し報じ、警戒感を示した。
 BBCは、もりを撃ち込まれた鯨が、苦しみ、血しぶきを上げる捕鯨の映像を併用。「捕鯨」を「(鯨を)殺害」と言い換え、宣言採択は「商業捕鯨再開への一歩となる可能性がある」と強調した。
 その上でBBCは、商業捕鯨禁止の内容を見直し「より効果的な規制」を行うことで、日本が調査捕鯨名目で「殺害」している鯨の数を減らすことができる可能性もあると指摘した。
(共同通信) - 6月19日11時59分更新

 本当はどうなのか?悪いことを始めようとしているのか?

 私は捕鯨に関して詳しいわけではない。ただ、IWCが政治的集団化している、決して中立的な団体ではない、という認識を持つようになったのは、梅崎 義人さんというジャーナリストが書かれた記事を読んでからだ。(例えば新聞通信調査会報の平成16年版のいくつかの記事など。) http://www.chosakai.gr.jp/index2.html 梅崎さんは、長年の交渉の様子を細かくウオッチングしているようだ。

 日本が、IWCで自分の地位を確かにするために(=商業捕鯨を再開するために)、小さな国のIWCの会員権を代わりに払い、それで票を増やそうとした、という報道も頻繁にあった。(日本側は票を買おうとした、という報道を否定。)昨日ラジオで小耳にはさんだのが、こうした小さな国のいくつかが、「私たちはどのような票を投じるかを自分たち自身の意志で決定できる。日本に影響を受けて票を決定するなどというのは、欧米の植民地主義的考えだ」、と反発している、という。

 あるBBCのテレビ番組で、鯨肉をおいしそうに食べている人々がいる日本の食堂の様子が放映されていた。いかに鯨肉が人気があるか、を描いていたが、実際、日本全体では鯨肉は(私も小さいときに食べていたのを記憶しているが)ひんぱんに食卓に出るものではないと記憶しているが、どうなのだろうか。

 また、日本は、「IWCがうまく機能しなければ、日本+有志で新たな捕鯨の団体を作る」、と言ったと報道された。「2,3年後に」、そういう団体を作るかもしれない、と。これ自体は事実かもしれなかったが、報道のトーンとして、「自分のやりたいことが通らなければ、新たな団体を作る日本」、つまりは、「何が何でもやりたいことを通そうとする、理不尽な日本」という感じがあった。

 いずれにしろ、誰しもが感情的に鯨の将来を語る英国の雰囲気は、「本当にそうかなあ」と、思ってしまう。
 


 
by polimediauk | 2006-06-19 16:10 | 日本関連