小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


by polimediauk

ジダン、北朝鮮 ほんの雑感


(間があいてしまっている。書きたいことはあるのだが、どんどん時間がたってしまう・・・。)

 以下、裏づけ・事実調査なしの、ほんの心に浮かんだことだが。

 ーサッカーでフランス代表主将のジネディーヌ・ジダンが、最後の試合で何故頭突きをしたかをテレビで説明したようだ。母と姉を傷つける言葉を3回言われたから、という。試合をテレビで見なかった人にはわかりにくいかもしれないが、突然、彼がイタリアの選手を頭突きをしたかに見えた。私はサッカーの知識がゼロに近いが、初めてワールドカップのファイナルを見て、いかに選手が疲れているかを見て、驚いてしまった。それはそれとして、ジダンのことは気になっていて、よっぽど頭に来ることを言われたんだろうなあと思った。こちらのテレビでもずっと放映されていた。フランスの人をインタビューしているのを見たら、彼に対して批判的な人と、許せるという人と、半々ぐらいだった。

ジダン、北朝鮮 ほんの雑感_c0016826_8144827.jpg -北朝鮮。実はあまり深く追っていなかったので、日本の報道と英報道がどう違うか、を示すことができない。ぼうっとした情報だが、英外務省の人が、「北朝鮮の問題は米国が仕切っているから、英国は深く関われない」と言っていたのを思い出す。後、前にファイナンシャルタイムズで、韓国の人は、いろいろあっても、北朝鮮の人にはぐっと親しみを感じており、日本の人は嫌いだけど、北朝鮮の人には好感を持っている、と。「だって、同じ半島だし、本当は1つの国なんだから」というコメントが紹介されていて、なるほどなあ、と思ったのを記憶している。

 今回のミサイル事件では、さすがに英新聞も大きくとりあげていた。その中で、タイムズの記者が、「北朝鮮がどんなことをしても、世界の国は手も足も出ないーー何とすることもできない。制裁を決定したら、北朝鮮の国民が苦しむだけだし、爆撃するわけにもいかない。それを知っていて、ミサイル攻撃をしたのだ」と。なるほど、と思った。(こういうことは日本にいる方がすでに詳しいだろう。お許し願いたい。)

 -今日もいろいろこちらでは大きいニュースがあったが、その1つが、エンロン・スキャンダルに関係したと見られる、ナットウエストという英銀行の幹部(元かもしれない)3人の処遇だ。何せ米国のスキャンダルなので、米側が英国の幹部を米国に移送して欲しい、とリクエストをしている。明日の朝、飛行機で米国に連れて行かれる予定だ。ここで問題になったのが、この海外移送の仕組み・条件で、米側は英国に対し、何故この3人が必要なのか(罪を犯したということを示す証拠)を示さなくてもいい、ということ。テロ容疑者の引き渡しがスムーズにできるように2003年、こうしたことを可能にする法律ができていた。ところが、英国は同様のことを米国にリクエストできないのだ。片方にだけ有利な法律、ということらしい。

 そこで、「ナットウエストの3人」を引き渡すな!という大きなうねりがおきている。

 しかし、私は、変だなあとも思っている。

 つまり、「テロ容疑者」だったら、いいのか、ということ。それと、まったく何も悪いことを(違法なことを)していないのだったら、米国から海外移送のリクエストがくるわけがないのでは?また、米国は民主主義国家、法治国家のはず。英国の同盟国のはず。だったら、拷問を受ける、とかそういうことではないんだからなあ・・・と。そもそも、何でこんな不合理な法律を作ってしまったのだろう?そこが一番おかしい。「テロの戦争」にのっかてしまったということか?「テロの戦争」で米国を信じてはいけない、というのはグアンタナモ収容所の例をみるまでもないことなのになあ・・と。

 ・・・というのは私がテレビから得た情報によるものなので、明日以降、新聞記事をじっくり読もうと思っているのだが。
 
by polimediauk | 2006-07-13 08:09 | 英国事情