小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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無実のブラジル人男性が射殺されてから1年

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 昨年7月7日のロンドンでの爆破テロはよく知られていると思うけど、7・21にもテロ未遂があって、その一日後の22日、ブラジル人男性が自爆テロ犯と思われて、警察に電車内で射殺された。

 後で間違いだったと分かったのだが、あれから1年。

 一体何が起きたのか、警察の行動に落ち度はなかったのかを、独立調査会がずーっと調査してきた。この後、調査会の報告書は検察当局に回り、また時間が経った。そして今日、検察当局は警察官らに刑事責任は問わない、と発表した。
 
 結局、安全管理を怠った(男性に対する)という変な理由で警察の責任は問われることになったが、それにしても、ここまでの結論がでるまでにほぼ1年。これ自体も由々しきことだが、それに加えて、殺害しても刑事責任なしでは、遺族は怒りと悲しみでいっぱいのようだ。

 本当につらいことになった。いつ何時、警察に疑われ、撃たれるか、分からないのだ。

 警察の仕事の一環として、射殺した(間違った情報を元にして)というのはあるだろう。そういう意味では、警察官は責任をとる必要がない、という見方もあるかもしれない。しかし、誰かが何らかの判断の失敗をしたなら、責任をとらないと、公正さがなくなってしまう。どのような責任の取り方が一番良いのだろう?

 撃ってしまった警察官も、殺された側も悲劇だし、詳細もリークでしか今のところでていないので、すっきりしない。とりあえずは、何としても、「何が起きたのか」をできうる限り公表するべきでは、と思っている。家族が警察官に撃たれ、詳細の説明がないのでは、何とも苦しい。次に進むことができない。



 
by polimediauk | 2006-07-18 00:54 | 英国事情