小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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イラクのことを考え続けるクルド人ドキュメンタリー作家


 チャンネル4というテレビ局のMORE4というデジタル・チェンネルがある。この枠を通じて、時々ドキュメンタリー・クリップを出しているのが、イラク北部の油田都市キルクーク出身の、カルザイ・シェラバヤニ氏だ。(Karzan Sherabayani )14歳で、フセイン元大統領の下、逮捕され、投獄され、拷問を受けた。1990年ごろ、イラクを抜け出して、欧州諸国を渡り歩き、今は英国在住だ。

 初めて会ったのは、イラク出身の難民申請者を英国に強制送還してはいけない、という集まりで、今年初頭になる。

 キルクークに戻って、イラクの現状を伝えるフィルムが、何回かに分けて放映された。自分を当局に密告した人物とも、会う。その人は、自分が友人を密告しなければ、自分が拷問を受けていた、と説明し、2人は涙になる。シェラバヤニ氏は、許す、と言うしかなった。(この模様を含めた、イラクのドキュメンタリーは映画になる、と聞いた。)

 今週、25日、26日、今度はアメリカに行った様子を映像にしたものが出た。

 それほど長く画面に残っていないと思うのでMORE4のサイトから、是非、なるべく早く見ていただきたい!!最初、ニュース番組が始まり、1分半ぐらい後に、シェラバヤニ氏の作品となる。

 米国には、米軍兵士に対して、イラクでの赴任がスムーズに行くように、と、イラクに似せた町並み(イラク村)を作っている場所があるという。ルイジアナ州のフォート・ポークというところ。軍事施設の1つだ。

 そこで彼は、親友にであう。この親友は、「普段どんなことをここでやっているの?」と聞かれ、演技として、「フセインは正しい」ということを大声で主張してみせる。あまりにも迫真なので、シェラバヤニ氏が、「怖くなった」というほど迫力がある。怖いが、何とも滑稽な感じ、皮肉な感じ、哀しみも漂う。

 イラク村取材の26日放映分は、

http://www.channel4.com/more4/news/news-opinion-feature.jsp?id=337


 25日、在米イラク人への取材は

http://www.channel4.com/more4/news/news-opinion-feature.jsp?id=336


 
by polimediauk | 2006-07-27 23:58 | イラク