小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


by polimediauk

ここまでやる? BBCのサイト

 BBCのニュースサイトが今週から一新した。

 様々な手段でニュースを視聴できることを全面に押し出している。
http://news.bbc.co.uk/
http://news.bbc.co.uk/1/hi/help/products_and_services/default.stm

 メインの頁の真ん中辺りに赤いバナーがあって、今どんなビデオが見られるのか、人気のあるビデオは何か、また、上の方には、今すぐPCで視聴できるのはどんな番組か、が分かるようになっている。下を見ると、現在最も読まれた記事は何か、この1分間にどれぐらいのアクセスがあったのか(現在午後の11時過ぎだが、1万強のアクセス数だった)など。グーグル・ニュースや様々なビデオ映像が見られるユーチューブを意識しているのだろうか?

 あるいは、米テレビ局のウエブサイトに負けたくない、世界をリードしたい、という意思の表れなのか、決意宣言なのか?

 前からあったが、市民からビデオや静止画、情報などを募集するコーナーも見やすくなっている。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/talking_point/4784595.stm

 CNNも市民からの映像などを取り込む方式を一歩進めている、というニュースが1週間ほど前にあった。http://www.cnn.com/exchange

 BBCのウエブのエディターのブログもある。http://www.bbc.co.uk/blogs/theeditors/index.html

 現時点で87のコメントがついていたが、一人は自分はビデオクリップを見ることができない状態にいるので、自分にとってはスペースの無駄遣い、という人や、大体良いが、自分でバナーの場所を変えたりしたい、という人、ものすごく細かく注文をつけている人もいる。実際にこうした意見をウエブ作成者側がとりいれるかどうかは疑問としても、一見、「みんなで作っているサイト」というイメージを与える。

 テレビ+ラジオ局のウエブだからこそ、使える音声や映像ソースがあるのでここまでできるのだろう。かつ、安定した受信料があるので。英語のウエブだ、という強みもあるだろう。世界の国々からユーザーを一挙に取り込むことができる。巨大メディアのサイト、という感じで、何となく、空恐ろしいような気持ちもややするのは、私だけだろうか?
by polimediauk | 2006-08-23 07:29 | 放送業界