小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


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アルジャジーラ英語版 雑感 知りたいのはアラビア語版

 アルジャジーラ英語放送が始まって数日がたった。

 この放送局をCNNやBBCと比較した評が英国の新聞には載っていて、思ったのだが、自分自身、かつアルジャジーラのオリジナル、つまりアラビア語放送に興味を持った人は、本当はアラビア語版がどんなものか知りたいのであって、新たな英語放送の方に興味があるわけではないような気がする。

 例えば、BBCで日曜の朝、毎週要人にインタビューをしていたデビッド・フロストという人がいる。アルジャジーラ英語に移って、やや似た感じのインタビュー番組を持っている。

 今BBCのウエブサイトを開くと、その時の様子が出ており、一部クリップも見れる。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/6160466.stm

 しかし、こういうのはあまりアルジャジーラでは見たくないというか、英国人ジャーナリストが英国の首相にインタビューする、と。これではBBCみたいだ。せめて中東圏から来た人がブレア氏に独占インタビューするとか、できないのだろうか。

 アルジャジーラのアラビア語放送の中身・ジャーナリズムが知りたくて、英語放送を心まちにしてきたのに、「アルジャジーラ英語」という新しいTV局ができてしまい、英語を使い、かつ英語圏のジャーナリストが表に出るので(英語の流暢さからどうしてもそうなる、とのことである)、何となく、違ったかもしれないなあと思っている。
by polimediauk | 2006-11-18 20:13 | 放送業界