小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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ロシア人スパイ、リトビネンコ氏とプーチン


 フセイン元イラク大統領の死の反応として、中東各地の様子の写真が、今オーマイニュースジャパンのトップ記事になっている。記者が撮った写真がリアルだ。

 これに加え、英国で命を落としたロシア人スパイ(という表記でいいのかどうか不明だが)リトビネンコ氏の「友達」の話が動画で掲載されている。

http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000004186

 このリトビネンコ事件というのはどこからどこまでが本当なのか、不可解だ。当初、英国メディアはリトビネンコ氏のことを、「良い人」「クレムリン・プーチンが殺したのだ」という文脈で扱ってきたが、リトビネンコ氏自身が英国で何をしていたのかに関しても不明な部分が多いことが分かり、限りなくスパイ小説(誰をも疑う)に近い話になってきた。

 それはそれとしても、リトビネンコ氏がどんな話し方をしていたのか、実写を見れるサイトの1つとして、フロントライン・クラブというロンドンのプレスクラブのサイトを挙げておきたい。(他にもたくさんあるとは思うが。)

 このクラブは様々なイベントを開催するが、その時々の時事トピックに関してパネリスト、ジャーナリスト、関係者を呼んで、議論するという形を取ることが多い。

 以前にも、アフガニスタンの戦況を、タリバン広報担当者(電話参加)、英軍の元大佐などを呼んで話したりなど、結構おもしろいものがある。

 元々、海外特派員だった、主にテレビ関係の英国ジャーナリストの集まりとして始まったと聞いた。今はジャーナリストなら誰でもメンバーになれる。メンバーにならなくても、イベントには参加費(約1000円)を払うと出られる。

http://www.frontlineclub.com/

 このサイトで流れ出す映像は、昨年10月、殺されたロシア人ジャーナリストアンナ・ポリトコフスカヤさんの追悼のようなイベントでの場面だ。

 参加者の中にいたリトビネンコ氏が、意見を言う。そして、ポリトコフスカヤさんを殺したのはプーチン大統領だ、と。最初は英語で途中からロシア語(通訳つき)となる。(以下、抜粋)
 
「誰がやったのか?ロシア大統領のプーチンがやったのだ」
「事実だけ言いたい」
「過去3年間、彼女と友達だった。ロンドンに来るたびに会っていた。家にも来て家族に会った」
「ロシアの諜報機関のやり方を私に聞いた。彼女が『プーチンのロシア』という本を出してから、政府からの脅しが増えたという。そして、『私を殺せるかしら?』と聞いた。私は『できる。ロシアを逃げたほうが良い』といった」。
「私は何も隠していない。法廷で同じことを言える」。
「私は誰がどうやって殺したか、知っている。情報を持っている。証拠を」。
「こんなことを出来るのはロシアではただ一人。プーチンだ」。
「あれほど評価のあるジャーナリストを殺すのは上から指令がないとできない」
「アンナは政敵だった。だから殺された」
「政権が変われば、すぐに事実が明るみに出るだろう」。
(拍手)



 (追記)
 上のオーマイニュースの動画の件を見る前にこのエントリーを書いた。後で見てみると、本当におもしろく、まだの方は是非見ていただきたい。

 特に、ロンドンでこの毒殺が起きたことに関して、英情報機関側が大失態と思っていることや、ロシアと英国のエネルギーの件など、リアル。
by polimediauk | 2007-01-04 19:16 | 政治とメディア